MARKET EYE朝刊|2026年8月22日|米金利上昇と原油高が重石、ドル弱含み。金・ビットコインに資金シフト
21日の海外市場は、米長期金利の上昇と中東情勢への警戒が引き続き大きなテーマでした。一方で米株は前日の下落から反発。ドルは弱く、金・銀・ビットコインなど「ドル以外の資産」が大きく上昇しています。
まず押さえたい事実
21日の米国株は、NYダウ +0.98%の53,277.01、S&P500 +0.43%の7,674.37、NASDAQ +0.44%の26,180.46で終了しました。ただし週間ではS&P500が-1.43%、NASDAQが-2.05%、ダウが-0.85%と下落。米国債利回りとイラン情勢への警戒が週を通じて相場の重石になりました。
米10年債利回りは4.73%前後、30年債は5.266%まで上昇。長期国債の買い戻し拡大方針が示されても、財政赤字やインフレへの懸念は消えていません。市場では「国債買い入れだけで長期金利を押さえ込めるのか」が焦点です。
ドル円は海外時間に1ドル=158.79円前後。ドル指数は週間で約0.9%下落。日本では7月コアCPIが前年比+1.8%と6月の+1.6%から加速しており、日銀の追加利上げ観測も円を支えています。
日本株への影響
日本株にとっては少し複雑です。プラス材料は、米国株が金曜日に反発したこと。前週に売られた半導体・AI関連には短期の買い戻しが入る可能性があります。
為替・米国金利
ドル円は159円割れまで円高が進みました。米金利が高いにもかかわらずドルが弱い点は重要で、金利差だけでなく米財政やドルそのものへの懸念が意識されている可能性があります。
160円は引き続き市場参加者が強く意識しやすい節目です。159〜160円台では値動きが荒くなる可能性があります。
金・銀・銅
スポット金は+2.4%の4,623.94ドル、一時4,631.99ドルまで上昇。銀も+2.3%の69.62ドル。背景にはドル安、米財政懸念、中東情勢、金利政策への不透明感があります。
銅では需給逼迫が続き、現物価格と先物の価格差も拡大。日本株では非鉄金属、商社、電線株への資金流入が続くか注目です。
原油
原油は引き続き大きなリスク要因です。ブレントは94ドル近辺で推移し、週間でも上昇。中東情勢とホルムズ海峡をめぐる不透明感が価格を押し上げています。
INPEX / 石油資源開発 / 資源・商社
航空 / 陸運 / 化学 / 電力 / 小売
日本はエネルギー輸入国なので、原油高が長引けば企業利益だけでなくCPIにも再び波及します。
暗号資産
ビットコインは21日に一時79,455ドルまで上昇し、約3カ月ぶりの高値圏。金とBitcoinが同時に上がっていることは、ドル以外の資産へ資金を分散する動きとして注目されます。
週明けの5つの注目ライン
① 米30年債利回り 5.3%
明確に上抜けると株式市場への圧力が再び強まる可能性。
② ドル円 160円
円安再開か、円高方向が続くかの分岐点。
③ ブレント原油 95ドル
定着すると日本のインフレ・金融政策観測にも影響。
④ 金 4,700ドル
高値更新が続くかを確認。
⑤ Bitcoin 80,000ドル
突破なら暗号資産関連のリスク選好がさらに強まる可能性。
MARKET EYEの見方
事実: 米株は反発した一方、週間では下落。米長期金利は再上昇。ドルは弱く、原油は高く、金・Bitcoinは急伸しました。
分析: これは典型的な「全面リスクオン」ではありません。株も買われる、金も買われる、Bitcoinも買われる、ドルは売られる、米国債は売られるという特殊な資金移動です。
週明けの日本株では、単純に日経平均だけを見るより、銀行・資源・非鉄金属・半導体・電力の強弱を見る方が、今の資金の流れを掴みやすそうです。
注目IR
21日公表分については、日本株全体を動かすほどの大型IRを無理に挙げず、週明け前にTDnetで自社株買い・上方修正・大型受注・増配を再確認する方針です。
今日の一言:
「株高」よりも、“ドルから何へ資金が逃げているか”を見る相場。
