出来高首位3.7億株でも売買代金40億円 9月4日はAI大型株へ資金集中

対象日:2026年9月4日 | 情報確認:2026-09-04 18:10 JST
9月4日の市場全体:日経平均高でも資金は全面拡散せず
確認できた事実:日経平均株価は65,020.94円で前日比806.46円高、上昇率は1.26%でした。TOPIXは4,103.23ポイントで1.19ポイント高、上昇率は0.03%にとどまりました。東証プライムの出来高は22億1,033万株、売買代金は約8兆3,282億円。値上がり788銘柄、値下がり712銘柄、変わらず55銘柄で、33業種では11業種が上昇し22業種が下落しました。
MARKET EYEの分析:日経平均の1.26%高に対してTOPIXがほぼ横ばいだったことは、上昇が少数の大型株へ偏ったことを示します。AI・半導体の一部へ大きな資金が集中する一方、鉄鋼、電力、自動車などには売りが残りました。キオクシア、ソフトバンクグループ、太陽誘電の売買代金は合計約2兆3,666億円で、資金集中の大きさが分かります。
出来高上位20:株数が多い銘柄と資金が多い銘柄は別
次の表は、全市場の出来高ランキングからETF・ETN・REITを除き、普通株として上位20銘柄を並べ直したものです。売買代金の単位は千円です。市場区分はPRMがプライム、STDがスタンダード、GRTがグロースを表します。
出来高の上位にはランド、オンコセラピー・サイエンス、ソレイジア・ファーマ、WIZEのような低位株が入っています。この4銘柄の出来高合計は約6億4,896万株ですが、売買代金合計は約107.6億円です。株数だけなら非常に大きく見える一方、キオクシア1銘柄の売買代金はその約153倍でした。出来高ランキングを読むときは、株価の違いを補正するため売買代金を必ず併記する必要があります。
NTTは1億7,389万株でも約300.2億円、0.35%安でした。一方、ソフトバンクグループは7,780万株、約4,230.3億円、11.78%高。株数、金額、価格変化が同じ方向へそろい、強い資金流入を示しました。
売買代金上位20:キオクシアが1兆6,473億円で突出
売買代金は「株価×取引株数」を基礎にした金額で、市場参加者がどこへ資金を配分したかを見るのに適しています。次の表もETF・ETN・REITを除外しています。出来高と日中高安を併記し、値幅と資金量を同時に確認できるようにしました。
キオクシアは5.40%高で売買代金約1兆6,473億円、ソフトバンクグループは11.78%高で約4,230億円、太陽誘電は6.42%高で約2,962億円でした。アドバンテスト、フジクラ、イビデン、村田製作所、古河電気工業も上昇して上位に入り、AI計算基盤、メモリー、電子部品、光配線に関連する銘柄へ資金が寄りました。
ただし、半導体関連が一斉に同じ強さだったわけではありません。東京エレクトロンは0.04%高、ディスコは0.78%高にとどまり、レーザーテックは1.51%安でした。業種名だけでまとめず、どの工程と製品へ買いが向かったかを分ける必要があります。当日はメモリーや電子部品、データセンター配線の一角が優位で、半導体製造装置全体の全面高ではありませんでした。
出来高急増をどう読む:平均との比較と終値位置が重要
確認できた事実:ソフトバンクグループの出来高7,780万株は、Google Financeに表示された平均出来高4,094万株の約1.90倍でした。高値5,611円に対して終値5,590円と高値圏を維持しています。価格上昇、平均を上回る出来高、高値圏の終値が同時に確認でき、当日の買いの強さは明確です。ただし一日で11.78%上昇しているため、翌営業日は利益確定売りと新規買いのどちらが優勢になるかを見ます。
ダイナミックマッププラットフォームは4,970万株、売買代金約889.2億円で15.85%安でした。前日までの急伸後に当日高値2,045円から終値1,497円へ大きく下げています。9月4日には物流施設内の自動運転実証が国土交通省事業に採択されたとの開示が確認されましたが、好材料があっても短期急騰後の需給悪化を吸収できませんでした。材料の良し悪しと、すでに株価へ織り込まれた期待の大きさは別問題です。
ティアフォーは3,563万株、売買代金約1,143.5億円で19.61%安となり、終値2,870円は当日安値と一致しました。この銘柄のストップ安の詳細は当日の専用記事ですでに扱っているため、本記事では重複して材料を掘り下げません。出来高分析として重要なのは、大商いでも終値が安値に張り付いた場合、買いが集まったというより売り圧力を受け止め切れなかった可能性を考える点です。
出来高:成立した売買の株数です。株価が低いほど同じ資金でも株数が大きくなります。
売買代金:成立した取引の金額です。異なる株価の銘柄を比べる際、資金の集中度を把握しやすくなります。
終値位置:終値が日中高値と安値のどちらに近いかを見る考え方です。高値に近ければ引けまで買いが残り、安値に近ければ売り圧力が残った可能性があります。
資金移動の中心:AI・半導体でも銘柄間格差
MARKET EYEの分析:当日の主役は、AI投資という大きなテーマの中でも、メモリー、電子部品、光通信、AI投資先の価値に近い銘柄でした。半導体製造装置ではアドバンテストが上昇する一方、レーザーテックは下落しました。同じ業種に見えても、受注時期、顧客構成、業績期待、直前の値動きが違います。業種全体を一括で強気と判断するより、売買代金を伴って高値圏で終えた銘柄と、戻り切れなかった銘柄を分けるべきです。
フジクラは2.06%高、古河電気工業は6.39%高で、光ファイバーやデータセンター関連の物色が確認できます。ただし、表示平均出来高との比較では、フジクラの当日出来高3,457万株は平均5,767万株を下回り、古河電気工業も当日2,044万株に対し表示平均は約2,882万株でした。価格が上がっても出来高が平均未満なら、買いの継続性は翌日の出来高増加で確認する必要があります。
銀行は底堅く、自動車・鉄鋼・電力には売り
銀行株では三菱UFJが0.83%高、みずほが0.49%高、三井住友FGが0.08%安でした。主要3行が売買代金上位へ入り、金利上昇時の利ざや改善期待と景気リスクを見極める資金が続いています。
一方、トヨタは1.15%安、日産は0.60%安でした。日本製鉄は1.80%安、東京電力HDは2.55%安です。円高、原材料・エネルギー価格、金利、規制など論点が異なるため、景気敏感株として一括りにはできません。
プラス材料と懸念材料
- AI・半導体の主要銘柄で売買代金を伴う上昇
- ソフトバンクグループは平均出来高の約1.90倍
- キオクシアは売買代金首位で高値圏を維持
- 太陽誘電、村田製作所、イビデンへ電子部品物色
- 三菱UFJとみずほが上昇し銀行株は相対的に底堅い
- TOPIXは0.03%高で指数間の差が大きい
- 33業種のうち22業種が下落
- AI関連でもレーザーテックなどは下落
- 低位株の株数膨張が市場全体の活況に見えやすい
- 自動運転関連の一角で急落と大商いが同時発生
強気・中立・弱気を分ける翌営業日の条件
強気条件:キオクシア、ソフトバンクグループ、太陽誘電が前日終値近辺を保ち、寄り付き後も売買代金上位を維持することです。さらに東京エレクトロン、レーザーテック、ディスコまで上昇へ広がり、TOPIXと値上がり業種数が日経平均に追いつけば、少数銘柄依存から物色拡大へ進んだと判断しやすくなります。
中立条件:AI大型株が高値圏でもみ合い、銀行や内需へ一部資金が移る一方、TOPIXが横ばいとなる形です。主役交代を伴う健全な循環か、単なる利益確定かを見分けるには、売られた銘柄の出来高が減り、買われた業種の売買代金が増えるかを確認します。
弱気条件:9月4日に大きく上昇した銘柄が高く始まった後に前日終値を割り、出来高だけが増える形です。ソフトバンクグループが5,181円、キオクシアが51,330円、太陽誘電が8,846円という9月4日安値へ近づく場合、当日の上昇分を守れない売りが強まったと見ます。ダイナミックマッププラットフォームやティアフォーで安値更新が続けば、テーマ株の需給悪化にも注意が必要です。
次に確認する順序
- 寄り付き15分の売買代金:前日上位銘柄へ実需の買いが続くかを確認します。
- 前日終値と日中安値:高く始まっても前日終値を維持できるか、安値を割らないかを見ます。
- TOPIXと業種数:日経平均だけでなく市場全体へ買いが広がるかを確認します。
- 半導体内の広がり:メモリー・電子部品だけでなく製造装置へ資金が移るかを見ます。
- 低位株の売買代金:株数の大きさではなく、金額と値幅が持続するかを確認します。
- 銀行・自動車・鉄鋼:AI関連以外へ循環するか、景気敏感株の弱さが残るかを見ます。
当日の指数と業種全体の動きは9月4日の日本株大引け総合、前場から大引けまでの変化は9月4日の前場引け総合、翌営業日の個別確認条件は翌営業日の注目3銘柄で確認できます。本記事は、投稿済み記事と同じ材料を繰り返すのではなく、株数と資金量の違い、業種間の資金移動へ焦点を絞りました。
まとめ:3億株より1兆円が示した相場の中心
9月4日の出来高ランキングでは低位株が上位へ並びましたが、売買代金で見る主役は明確に異なりました。ランド、オンコセラピー・サイエンス、ソレイジア・ファーマ、WIZEの4銘柄は合計約6億4,896万株でも売買代金は約107.6億円。キオクシアは3,052万株で約1兆6,473億円でした。
資金はAI・半導体・電子部品・データセンター関連へ集中しましたが、東京エレクトロンの小幅高やレーザーテックの下落が示す通り、全面高ではありません。銀行は比較的底堅く、自動車、鉄鋼、電力には売りが残りました。翌営業日は、上昇銘柄が前日終値を保てるか、売買代金が継続するか、TOPIXと業種数へ買いが広がるかを順番に確認します。
出来高は注目度、売買代金は資金量、終値位置は引けまでの圧力を示します。売買推奨ではありません。
情報源・参考資料
- 一次情報 日本取引所グループ:株式・債券市況
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス:日本株出来高ランキング
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス:日本株売買代金ランキング
- 補足情報 SBI証券:東証プライム出来高ランキング
- 補足情報 野村證券:ファーストリテイリング株価詳細
- 補足情報 野村證券:ディスコ株価詳細
リンク先の更新・訂正により、閲覧時点の内容が記事作成時点と異なる場合があります。

