キオクシア1.5兆円、ストップ高7・安7|10月28日の出来高・重要IR

対象日:2026年10月28日 | 情報確認:2026-10-28T16:42:58+09:00 JST
日経平均が上がったのに、持ち株の景色はむしろ弱く見えた。そんなふうに迷うこともあるよね。10月28日は、値がさの半導体・AI関連へ巨額の資金が集まる一方、東証プライムでは値下がり銘柄が値上がり銘柄の2倍を超えました。さらに、前日まで人気化した小型株ではストップ安が増えています。ここで一緒に見ておきたいのは、指数の方向ではなく、実際に動いた金額と、買いが終値まで残ったかどうかです。
先に要点
- 売買代金上位5銘柄は合計2兆6,703億5,850万3,500円。キオクシアホールディングス株式会社(285A)だけで1兆5,068億円を超え、半導体・AI周辺への集中が一段と強まりました。
- 日経平均は1.08%高でしたが、東証プライムは値上がり431銘柄、値下がり1,092銘柄。上昇したのは33業種中10業種で、指数上昇と市場全体の広がりは一致しませんでした。
- 出来高首位は株式会社ランド(8918)の2億7,204万5,900株。ただし終値9円を掛けた比較用概算は約24億円で、キオクシアの実売買代金とは約615倍の差があります。
- ストップ高到達は7銘柄で、上限価格で引けたのは2銘柄。ストップ安到達も7銘柄で、5銘柄が下限価格で終了しました。前日のストップ高17・安0から、短期需給は明確に変化しています。
- 重要IRでは、株式会社アドバンテスト(6857)の通期純利益予想引き上げ、株式会社日立製作所(6501)の上方修正と増配、東海旅客鉄道株式会社(9022)の上方修正と増配を確認しました。日中にはさくらインターネット株式会社(3778)が通期予想と配当を引き上げ、ストップ高で引けています。
売買代金上位5社で2.67兆円、キオクシアが56%
売買代金首位はキオクシアホールディングス株式会社(285A)で、1兆5,068億4,477万円でした。終値は1万4,340円、前日比1,735円高、13.76%高。始値1万3,230円、高値1万4,625円、安値1万2,970円、出来高は1億760万7,100株です。終値は始値を1,110円上回り、高値まで285円の位置に残りました。前日は高く始まった後に押し戻されましたが、きょうは大商いを伴いながら日中も買いが続いた形です。
2位の株式会社アドバンテスト(6857)は終値3万4,930円、3.16%高。始値3万5,400円、高値3万5,410円、安値3万4,180円、出来高1,336万9,900株、売買代金4,668億2,595万9,000円でした。前日終値は上回ったものの、始値より470円低く、決算発表を前に寄り付き後の利益確定売りも出ました。上昇率だけでなく、終値が始値を上回ったかを見ると、買いの持続性を区別できます。
3位のデータセクション株式会社(3905)は売買代金2,575億1,071万5,800円。終値2,277円は2.27%安でした。始値2,360円、高値2,822円、安値2,022円と一日で800円動き、出来高は1億751万6,000株です。巨額の商いは関心の強さを示しますが、終値が前日終値と始値を下回った以上、買いの強さと同じ意味にはできません。
4位の太陽誘電株式会社(6976)は終値9,200円、7.14%高、売買代金2,296億9,306万6,600円。始値9,030円、高値9,361円、安値8,974円で、終値は始値を上回りました。5位のソフトバンクグループ株式会社(9984)は4,682円、4.65%高、売買代金2,094億8,399万2,100円。始値4,600円、高値4,760円、安値4,525円で、こちらも始値を上回って終了しています。
上位5社の合計は2兆6,703億5,850万3,500円です。このうちキオクシアは約56.4%を占めました。大きなお金は半導体・AI周辺へ向かいましたが、データセクションのように売買代金が膨らんでも下落した銘柄があります。資金集中と買い優勢は同じではない。これがきょうの第一のポイントです。
半導体は業種上位、市場全体は値下がり優勢
日経平均株価は6万3,954円19銭で、前日比685円82銭高、1.08%高でした。指数への寄与が大きかったのはアドバンテスト、東京エレクトロン株式会社(8035)、ソフトバンクグループ、キオクシア、イビデン株式会社(4062)などです。東京エレクトロンは4.42%高、株式会社ディスコ(6146)は5.14%高、株式会社レーザーテック(6920)は5.50%高。イビデンは9,663円、7.94%高で、高値9,742円に近い位置で終えました。
業種別ではガラス・土石製品、非鉄金属、電気機器、機械が上位に入りました。半導体製造装置、電子部品、データセンター向け部材など、AI投資の設備側に資金が寄ったことが分かります。キオクシア、太陽誘電、アドバンテストはいずれも電気機器のなかでも強い値動きでした。とくにキオクシアの13.76%高は、業種全体の上昇を大きく上回ります。
一方、東証プライムは値上がり431銘柄に対し、値下がり1,092銘柄、変わらず25銘柄でした。上昇業種は33業種中10業種に限られ、保険、食料品、石油・石炭製品などが下位です。東京海上ホールディングス株式会社(8766)は4.08%安で、出来高は1億2,157万7,900株に膨らみました。日経平均は値がさ株の影響を強く受けるため、数社の大幅高で指数が上がっても、多くの銘柄が上昇したとは限りません。きょうは全面高ではなく、半導体・AI設備へ資金が細く深く集まった日と読むのが自然です。
出来高2.72億株でも、ランドの資金規模は別
出来高首位は株式会社ランド(8918)の2億7,204万5,900株で、終値は9円、前日比変わらずでした。2位はオンコセラピー・サイエンス株式会社(4564)の1億8,037万700株、終値18円、5.88%高。3位はNTT株式会社(9432)の1億5,571万5,700株、終値171.9円、1.21%安です。東京海上ホールディングスが4位、キオクシアが5位、データセクションが6位に続きました。
ランドの出来高に終値9円を掛けた比較用概算は24億4,841万3,100円です。これは一日の各約定価格を使った正式な売買代金ではありません。けれども、キオクシアの実売買代金1兆5,068億円とは約615倍の差があり、株数だけで市場の主役を決められないことははっきりします。オンコセラピー・サイエンスも同じ計算では約32億5,000万円です。
低価格銘柄は少ない資金で多くの株数を売買できるため、出来高順位の上位に入りやすくなります。対してキオクシアやアドバンテストは、1株当たり価格が高く、機関投資家も参加しやすい金額が動きます。出来高は回転の速さ、売買代金は投入された資金の規模、終値の位置は買いと売りのどちらが最後に優勢だったかを示します。三つを重ねると、数字の見え方が変わります。
出来高急増、倍率首位536倍でも16万株
前日出来高との比較では、ムラキ株式会社(7477)が16万900株と前日の300株から約536.3倍になりました。ただし、前日は買い注文が偏って実際の約定が少なく、比較の分母が極端に小さい日です。きょうは一時2,658円のストップ高へ達した後、終値1,975円、8.48%安まで反落しました。倍率の大きさより、上限から売りに押された値動きのほうが需給をよく表しています。
赤阪鐵工所株式会社(6022)は1万4,200株で前日の100株から142倍、コムシード株式会社(3739)は9万3,200株で約84.7倍、遠州トラック株式会社(9057)は6,500株で65倍でした。倍率は派手でも、絶対株数が数千株から数万株の銘柄では、少数の注文で比率が大きく動きます。
絶対株数が大きかったのはAIストーム株式会社(3719)の1,020万5,300株で約32.8倍、AnyMind Group株式会社(5027)の468万1,700株で約22.8倍、株式会社IBC(3920)の67万8,400株で約29.2倍です。同じ定義の20日平均出来高を全銘柄でそろえて取得できなかったため、20日平均比は推測せず、確定した前日比を使いました。翌日に出来高が減っても価格を保てるか、数日続けて売買代金が残るかが継続性の確認点です。
ストップ高7、上限で終えたのは2銘柄
ストップ高へ到達した普通株は7銘柄でした。株式会社VLCセキュリティ(2467)、さくらインターネット株式会社(3778)、株式会社IBC(3920)、株式会社MARUWA(5344)、日本鋳造株式会社(5609)、ムラキ株式会社(7477)、株式会社トーシンホールディングス(9444)です。
このうち上限価格で引けたのは、さくらインターネットの3,470円とMARUWAの5万4,000円の2銘柄でした。VLCセキュリティは高値503円に対して終値392円、7.33%安。ムラキもストップ高から8.48%安へ反落しました。到達銘柄数だけを見ると買い意欲が残ったように見えますが、7社中5社は上限を維持できていません。
さくらインターネットは12時30分に通期業績予想と配当予想の修正を公表しました。2027年3月期の売上高予想を466億円、営業利益を41億円、純利益を25億5,000万円とし、年間配当予想を5円から8円へ引き上げました。GPUインフラサービスの拡大と創業30周年記念配当という確認できる材料が、後場の需給に結びついています。MARUWAは前日引け後の上方修正がきょうの価格に反映されました。
ストップ安7、前日の人気株から売りが広がる
ストップ安へ到達した普通株も7銘柄です。株式会社トーメンデバイス(2737)、株式会社セキュアヴェイル(3042)、シンデン・ハイテックス株式会社(3131)、ソーシャルワイヤー株式会社(3929)、サイバートラスト株式会社(4498)、GMOプライムストラテジー株式会社(5250)、株式会社TWOSTONE&Sons(7352)が該当します。
トーメンデバイス、ソーシャルワイヤー、サイバートラスト、GMOプライムストラテジー、TWOSTONE&Sonsの5社は下限価格で終了しました。セキュアヴェイルとシンデン・ハイテックスは一時ストップ安でしたが、終値は下限を上回っています。前日はストップ高17、ストップ安0でした。わずか一日で、上限に残った銘柄が14社から2社へ減り、下限に残った銘柄が0社から5社へ増えました。
セキュアヴェイル、ソーシャルワイヤー、サイバートラスト、GMOプライムストラテジーは、前日までセキュリティ関連として短期資金が集まった銘柄です。きょうの反落は、テーマそのものの需要が消えたと断定する材料ではありません。ただ、短期の買い注文が細ると、値幅上限で買えなかった注文や利益確定売りが逆方向へ集中しやすいことを示します。
トーメンデバイスは13時に中間決算を発表し、経常利益345億4,400万円、前年同期比約4.9倍でした。一方、通期経常利益予想408億円は据え置きです。株価は2万5,450円、21.57%安のストップ安で終了しました。好決算の見出しだけでは株価反応を説明できません。中間期で通期計画の84.7%まで進んだことと、会社が通期予想を引き上げなかったことを、市場がどう評価したかを分けて見る必要があります。
アドバンテストは引け後に通期純利益を引き上げ
株式会社アドバンテスト(6857)は、2027年3月期中間期の売上高8,452億円、前年同期比60.5%増、営業利益4,568億900万円、同96.5%増、親会社株主に帰属する中間利益3,680億8,300万円、同約2.2倍を発表しました。AI関連半導体の生産増加と複雑化で、テスト需要が拡大しています。
通期の親会社株主に帰属する利益予想は6,600億円から7,415億円へ12.3%引き上げ、前期比97.5%増を見込みます。中間配当は1株49円、年間配当は引き続き未定です。株価は決算発表前に3.16%上昇し、売買代金は4,668億円に達しました。翌日は上方修正そのものだけでなく、寄り付き後も売買代金を保ち、終値が日中高値側に残れるかを確認します。大きな上方修正でも、事前期待が高ければ利益確定売りが出ることがあります。
日立とJR東海は上方修正、配当も増額
株式会社日立製作所(6501)は、2027年3月期の親会社株主に帰属する純利益予想を9,000億円から9,200億円へ2.2%引き上げました。前期比14.7%増で、過去最高益予想をさらに上積みします。中間配当も1株28円から32円へ増額しました。上方修正幅はアドバンテストほど大きくありませんが、利益計画と株主還元を同時に引き上げた点が重要です。
東海旅客鉄道株式会社(9022)は、通期経常利益予想を6,530億円から7,150億円へ9.5%引き上げ、年間配当予想を32円から34円へ増額しました。ただし、修正後も前期の経常利益7,809億円を下回る計画です。上方修正という言葉だけでなく、前年との比較まで見ると、業績回復の位置が分かります。
引け後IRは、翌日の寄り付きで一度に価格へ織り込まれることがあります。増益率、修正率、配当、事前の株価上昇を順に確認し、寄り付きの上昇だけで材料の持続性を決めないことが大切です。
出来高・ストップ高安・IRを一続きで読む
きょうの資金は三つに分かれました。第一は、キオクシア、アドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテック、ディスコ、イビデンなど、半導体・AI設備への巨額資金です。第二は、ランドやオンコセラピー・サイエンスのように株数は多いものの、単価が低く、売買代金では大型半導体株に及ばない銘柄です。第三は、ストップ高安を往復する小型テーマ株の短期需給です。
前日までの流れは10月26日の出来高・ストップ高安・重要IR、キオクシアが1兆円を超えた別の大商い日は10月23日の出来高・ストップ高安・重要IRで確認できます。10月23日はストップ高14・安3、10月26日は高13・安0でした。きょうは高7・安7で、半導体の大口資金が強い一方、小型株のリスク許容度は低下しています。
IRも需給の時間軸が違います。さくらインターネットは日中開示が同日のストップ高につながり、トーメンデバイスは好調な中間実績でも通期据え置き後にストップ安となりました。引け後のアドバンテスト、日立、JR東海は翌営業日に初めて市場の評価が表れます。数字の良し悪しだけでなく、いつ開示され、どこまで織り込まれていたかを見る必要があります。
今後の見通し
MARKET EYEの分析
対象期間:10月29日の取引から10月30日の主要決算まで。
確認できた事実:10月28日は売買代金上位5社に約2.67兆円が集中し、キオクシア、太陽誘電、ソフトバンクグループは始値を上回って引けました。一方、東証プライムは値下がり1,092銘柄で、ストップ安到達は7銘柄、うち5銘柄が下限で終了しました。
基本的な見方:半導体・AI関連の大口資金は強いものの、市場全体へ上昇が広がっていないため、当面は指数より銘柄選別を重視します。アドバンテストの上方修正は半導体テスト需要の強さを裏づけますが、翌日の株価が上昇を続けるとは限りません。小型テーマ株では買い注文の偏りが反転しており、値幅上限・下限だけでなく、終値と売買代金を確認します。
好転する条件:アドバンテストが決算後も売買代金を保ち、終値が日中高値側に残ること、キオクシア、東京エレクトロン、ディスコだけでなく内需業種にも上昇が広がること、東証プライムの値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回ることです。ストップ安銘柄が減り、前日人気株が出来高を落としても価格を維持できれば、短期需給の安定を確認しやすくなります。
悪化・見直し条件:半導体関連が決算後に大商いのまま安値圏で終わること、キオクシアの売買代金が大きいまま前日終値を割ること、ストップ安で引ける銘柄がさらに増えることです。日立やJR東海の上方修正銘柄まで寄り付き後に売られ、市場全体の値下がり数が増える場合は、資金集中が相場を支えるという見方を慎重にします。
次に確認するもの:10月29日は株式会社アドバンテスト(6857)、株式会社日立製作所(6501)、東海旅客鉄道株式会社(9022)の寄り付き後の出来高と終値位置、イビデン株式会社(4062)の決算を確認します。10月30日は株式会社レーザーテック(6920)の決算予定です。あわせて、米国半導体株、ドル円、東証33業種の騰落、ストップ安銘柄の初値と終値、TDnetの追加開示を追います。
まとめ
10月28日は、キオクシアを中心に売買代金上位5社へ約2.67兆円が集まり、半導体・AI関連が指数を押し上げました。ただしプライム市場では値下がり銘柄が1,000を超え、上昇の裾野は狭いままです。
出来高首位の2.72億株と、売買代金首位の1.51兆円は、同じ「活況」でも意味が違います。ストップ高7・安7への変化、さくらインターネットとトーメンデバイスの正反対の株価反応も、材料と事前期待の関係を映しました。翌日は引け後IRの見出しだけでなく、実際の売買代金と終値の位置まで一緒に見てみよう。
情報源・参考資料
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス 売買代金ランキング(2026年10月28日)
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス 出来高ランキング(2026年10月28日)
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス 出来高増加率ランキング(2026年10月28日)
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス ストップ高ランキング(2026年10月28日)
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス ストップ安ランキング(2026年10月28日)
- 一次情報 さくらインターネット株式会社 IRニュース
- 一次情報 株式会社アドバンテスト 投資家情報
- 一次情報 株式会社日立製作所 IR情報
- 一次情報 TDnet 2026年10月28日適時開示一覧
- 補足情報 トーメンデバイス 2027年3月期中間決算
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