原油116ドル台の表と裏。元売り・航空・半導体5社を見る|10月26日朝刊

対象日:2026年10月26日 | 情報確認:2026-10-26 06:31 JST
2026年10月26日(月)朝刊です。日本株の現物価格は直近営業日10月23日(金)の大引け、大阪夜間先物と米国市場は10月24日朝までの取引、週末ニュースは10月26日06:31までに確認できた内容です。取引時刻の違う数字を同時点の値として並べません。
事実と分析の区分:市場価格、企業発表、報道内容は各記載日時点の情報です。業種の選定、価格条件、継続・失速条件と今後のシナリオはMARKET EYE編集部の分析であり、将来の結果を保証するものではありません。
先に要点
おはようございます。今朝の相場は、原油高だけを追うより、原油が企業の利益へ届く道を比べると見通しやすくなります。石油元売りには販売価格や在庫評価の追い風になり得ますが、航空には燃油費の負担です。半導体には直接の材料ではないものの、米金利が5%近辺へ上がれば、将来利益を高く評価されてきた銘柄の値動きが荒くなります。
注目3業種は、①石油・石炭製品、②空運業、③半導体製造装置。個別5社は、コスモエネルギーホールディングス株式会社(5021)、ENEOSホールディングス株式会社(5020)、日本航空株式会社(9201)、東京エレクトロン株式会社(8035)、株式会社ディスコ(6146)です。同じ原油高で追い風と逆風が分かれ、半導体では決算前後の選別を観察できます。
今朝までの重要な出来事
【事実・発表/報道内容】10月25日の中東。サウジアラビアの主要株価指数は2.7%安となり、取引中は3.4%下げる場面がありました。サウジ側はリヤドなどへ向かった無人機・ミサイルを迎撃したと発表し、サウジアラムコは0.9%安でした。株価下落は投資家の警戒を示しますが、石油の供給停止量を示す数字ではありません。空港の一部ターミナル再開と、米国・イラン間の間接的な意思疎通も報じられています。
【事実・発表/報道内容】10月23日の米国市場。ダウ平均は52,215.16ドルで1.2%安、S&P500は7,623.68で0.5%安、ナスダック総合は25,955.34で0.2%安でした。原油高と米10年債利回り4.99%が広い市場の重荷となる一方、エネルギー株は相対的に強く、半導体・テクノロジー指数は0.4%高でした。指数安と半導体の小幅高が同居した点が今週の見どころです。
【事実・発表/報道内容】10月23日の東京市場。日経平均株価は62,693.16円、214.68円安(0.34%安)。TOPIXは3,965.81、31.69ポイント安(0.79%安)でした。東証プライムの出来高は28億8,432万株、売買代金は8兆9,383億円。33業種中8業種だけが上昇し、不動産、小売、水産・農林が上位でした。石油・石炭製品は0.66%安、空運業は弱含み、電気機器は1.37%安でした。今朝の注目業種は金曜日の上昇順位ではなく、週末に材料が変わった業種です。
【事実・発表/報道内容】企業材料。株式会社ディスコ(6146)は10月22日に中間決算を発表し、生成AI向け高性能半導体需要を背景に売上高2,571億円、営業利益1,166億円となりました。一方、10月23日の株価は3.79%安で、好業績でも利益確定が優勢でした。東京エレクトロン株式会社(8035)は10月30日16:00に中間決算を予定しています。今週は「需要が強い」という説明だけでなく、受注、利益率、設備投資計画が株価の期待を満たすかが問われます。
夜間から朝の変化:まだ週末価格のまま
日本時間06:29時点では、大阪取引所の月曜日日中取引は始まっていません。米主要株価指数先物も日曜夜の取引開始前で、金曜日の価格を月曜朝の新値として掲載しません。寄り付き方向は08:45の大阪先物再開、ドル円、原油、中東の新報を合わせて確認します。金・銀・銅、主要暗号資産は同一時刻で検証できる価格が5社の選定を変えるほど揃わなかったため、一覧へ無理に加えていません。
分析:注目セクター3選と材料の影響
1位 石油・石炭製品。10月23日は0.66%安でしたが、週間では1.68%高。金曜の米国取引で原油がさらに上昇し、日曜にはサウジ株が急落したため、材料の鮮度を優先しました。ガソリンや化学品は暮らし、物流、工場に直結します。代表企業はENEOSホールディングス株式会社(5020)、コスモエネルギーホールディングス株式会社(5021)、出光興産株式会社(5019)。原油高は在庫評価の追い風になり得ますが、仕入れ高、製品マージン、販売量、ヘッジで利益は変わります。業種指数がTOPIXを上回るか、2社が金曜高値を超えるかを確認します。外交進展や原油反落は過熱を冷ます材料です。
2位 空運業。航空会社は原油高の逆側にいます。燃料価格と円安は費用を押し上げますが、燃油サーチャージ、ヘッジ、国際線需要で一部を吸収できます。代表企業は日本航空株式会社(9201)、ANAホールディングス株式会社(9202)。サウジ空港の一部再開は運航正常化への小さな前進ですが、攻撃継続、迂回、保険料、欠航は逆風です。日本航空が2,968.5円を保てるか、業種指数が原油高の割に崩れないかを見ます。
3位 半導体製造装置。東京市場では電気機器、機械に分かれますが、設備投資サイクルという共通材料でまとめて観察します。代表企業は東京エレクトロン株式会社(8035)、株式会社ディスコ(6146)、株式会社SCREENホールディングス(7735)。米国では半導体指数が小幅高だった一方、日本の2社は10月中旬から大きく調整しました。AI需要の強さと、高金利・過剰投資への警戒がぶつかっています。出来高を伴う安値切り上げなら底固め、好決算でも安値更新なら評価の縮小が続いていると読みます。
コスモエネルギーホールディングス株式会社(5021)
原油を調達して石油製品を製造・販売し、石油化学や再生可能エネルギーも手掛けます。選定理由は、原油116ドル台という週末の変化を直接確認しやすい元売りで、株価が5日レンジ上側にあることです。
決算・IR:会社は11月10日に2027年3月期第2四半期決算を予定。最新の第1四半期資料では通期予想を据え置いています。今回確認した一次資料で個別の想定油価・為替感応度・ヘッジ比率を同じ基準で抽出できなかったため、原油1ドル上昇時の利益額は作りません。
プラス材料:販売価格、在庫評価、供給不安への注目。懸念材料:原料・海上運賃・保険料、精製マージン縮小、原油反落。円安は輸入負担を増やす一方、海外事業には別の効果があります。需給基準日:東証現物は10月23日。信用残やファンド建玉は週次・別時点なので当日需給に含めません。
ENEOSホールディングス株式会社(5020)
国内最大級の石油元売りで、銅などの金属、電力、素材事業も持ちます。コスモより事業が広く、原油価格だけで全社利益を説明できません。選定理由は、売買代金111億円と流動性があり、週明けの資金移動を業種代表として確認しやすいことです。
決算・IR:次回決算は11月11日予定。石油製品のマージンに加え、JX金属を含む資産・持分関係や電力事業も確認対象です。個社の最新想定為替・ヘッジを確認できた範囲を超えて推測しません。
プラス材料:製品価格と在庫評価、供給安定への需要。懸念材料:円安、調達・物流費、需要減少、原油急落。金利上昇は大型投資の採算を厳しくします。需給基準日:現物とPTSは10月23日。PTSは出来高規模が現物と異なるため、方向確認の補助にとどめます。
日本航空株式会社(9201)
国内・国際旅客、貨物、マイル関連で稼ぐ航空会社です。原油そのものより航空燃料価格、ドル円、燃油サーチャージ、ヘッジ、運賃と搭乗率が利益へ届きます。選定理由は、原油高の逆風を市場がどこまで織り込むかを確かめられることです。
決算・IR:会社資料によれば第1四半期の燃油費は前年同期比548億円増の1,488億円。会社は海外発旅客の比率や燃油サーチャージ、ヘッジを含む耐性も説明しています。次回決算予定は11月2日です。最新資料にある前提を超えて、今朝の油価から利益額を単純換算しません。
プラス材料:旅客需要、運賃、サーチャージ、空港正常化。懸念材料:燃油高、円安、迂回・欠航、保険料。円高と原油安は費用面で追い風になりやすい反面、海外売上の円換算には逆風です。需給基準日:現物・PTSとも10月23日。週次信用残は当日値と混同しません。
東京エレクトロン株式会社(8035)
半導体の成膜、塗布・現像、エッチング、洗浄など前工程装置を世界へ販売します。AI向けGPUだけでなく、メモリー、ロジック、ファウンドリーの設備投資が収益源です。選定理由は、10月22日の急落後、23日に8,800円から9,458円へ戻し、売買代金が1,900億円を超えたことです。
決算・IR:10月30日16:00に第2四半期決算予定。会社の第1四半期資料はAI、先端ロジック、HBMなどの技術革新と研究開発投資を示しています。見るべきは売上だけでなく、受注、粗利、通期計画、顧客投資の持続性です。
プラス材料:AI・HBM・先端ロジック投資、円安。懸念材料:設備投資の先食い、米金利上昇、対中規制、期待値の高さ。会社の最新為替感応度とヘッジ額を本稿の範囲で定量確認できず、金額は示しません。需給基準日:東証とPTSは10月23日。信用残を金曜の大商いと同時点にはしません。
株式会社ディスコ(6146)
半導体ウエハーを切る・削る・磨く装置と消耗品を供給します。半導体の枚数や高性能化が進むほど加工工程の需要につながります。選定理由は、増収増益決算でも年初来安値を付け、出来高が平均の1.90倍に膨らんだことです。業績と株価のずれが大きく、今週の評価を映しやすい銘柄です。
決算・IR:10月22日発表の中間期は売上高2,571億円、営業利益1,166億円。生成AI向け需要が支えました。プラス材料は高性能半導体の加工需要と消耗品収入。懸念材料は顧客の設備投資減速、供給制約、高金利、急落後の戻り売りです。円安は海外売上に追い風となり得ますが、会社の最新感応度を確認できた範囲を超えて数値化しません。
需給基準日:東証とPTSは10月23日。大商いは投げ売りの終盤にも、新たな下落の始まりにもなり得るため、翌営業日の安値切り上げを確認します。
分析・見通し:今週のシナリオ
本日の重要予定・確認点
本日は08:45の大阪先物再開、09:00の東証寄り付き、前場10:00以降の高値維持、大引け15:30の出来高を順に確認します。内閣府は10月26日に8月分景気動向指数の改定状況を公表予定です。決算は美樹工業、不二家、コーエーテクモホールディングス、信越ポリマー、キヤノンマーケティングジャパンなどが予定されています。予定は発生済みの材料と分け、記事作成後の結果を既知として書いていません。
関連する過去記事:日経先物68,390円、決算小売と海運・サービスを読む|10月9日朝刊 / キオクシア6079億円・アドバンテスト6026億円|10月9日の出来高・ストップ高安・重要IR
データの留意点:5社の終値、騰落率、出来高、売買代金は10月23日の東証現物を複数の市場情報で照合しました。5日平均は10月19~23日の出来高から計算。信用残、ファンド建玉、PTSは基準時刻と市場が違うため、東証当日値へ足していません。価格条件は観察基準で、目標株価や売買推奨ではありません。
情報源・参考資料
- 一次情報 大阪取引所・日経225先物
- 一次情報 CME Group・Nikkei 225 Yen Futures
- 補足情報 野村證券・10月23日東証株式市況
- 補足情報 AP・10月23日米国株終値
- 補足情報 Reuters・10月23日世界市場
- 補足情報 Reuters・10月25日湾岸株式市場
- 補足情報 AP・10月25日中東情勢
- 一次情報 コスモエネルギー・投資家情報
- 補足情報 コスモエネルギー・株価時系列
- 一次情報 ENEOS・投資家情報
- 補足情報 ENEOS・株価時系列
- 一次情報 日本航空・2027年3月期第1四半期資料
- 補足情報 日本航空・株価時系列
- 一次情報 東京エレクトロン・IRカレンダー
- 一次情報 東京エレクトロン・第1四半期決算資料
- 補足情報 東京エレクトロン・株価時系列
- 一次情報 ディスコ・IRニュース
- 補足情報 ディスコ・株価時系列
- 一次情報 FRB・FOMCカレンダー
- 一次情報 日本銀行・公表予定
- 一次情報 内閣府・景気統計公表予定
- 一次情報 JPX・決算発表予定会社一覧
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