FOMC利上げ後もBitcoin7.6万ドル|ETF6.11億ドル流出と規制の転換【9月18日】

対象日:2026年9月18日 | 情報確認:2026-09-18T09:51:06+09:00 JST
先に要点
- 9月18日9時50分ごろのBitcoinは7万6,312ドル、Ethereumは2,438ドル。24時間ではそれぞれ1.0%、2.4%上昇しましたが、7日間では0.5%、0.1%高にとどまり、方向感はまだ限定的です。
- 9月14〜17日の米国現物ETFは、Bitcoinが6億1,060万ドルの純流出、Ethereumが2億4,140万ドルの純流出。月曜に見えたEthereumへの資金集中は、15〜16日の大幅流出で反転しました。
- 米連邦準備制度理事会は9月16日、政策金利を0.25ポイント引き上げて3.75〜4.00%としました。3年ぶりの利上げ後もBitcoinは7.6万ドル台を維持していますが、米10年債利回りは4.93%で、金融環境はなお引き締まっています。
- 規制面では、米議会の包括法案が前進しなかった一方、米証券取引委員会がトークン化株式の取引に5年間の適用除外を示しました。暗号資産そのものの制度整備と、既存金融資産のブロックチェーン化が別々に進んでいます。
- 来週は価格だけでなく、ETF流出が止まるか、先物建玉が価格に先行して膨らまないか、日銀会合後のドル円と米金利がどう落ち着くかを確認します。
この記事で分かること
FOMC後もBitcoinが大きく崩れなかった理由を、価格、ETF、米金利、株式、ステーブルコイン、規制の六つに分けます。上がったか下がったかだけではなく、どの資金が残り、どの資金が逃げたのかを読み解きます。
FOMC後もBitcoinは7.6万ドル台、表面は静か
【市場で起きたこと】9月18日9時50分ごろ、Bitcoinは7万6,312.40ドル、24時間比1.0%高、7日間では0.5%高でした。Ethereumは2,438.34ドルで24時間比2.4%高、7日間では0.1%高です。米連邦準備制度理事会が3年ぶりの利上げを決めた週としては、価格の反応は意外に小さく見えます。
ただし、月曜版で確認した9月14日朝のBitcoin7万6,705ドル、Ethereum2,470ドルと比べると、それぞれ約0.5%、約1.3%下落しています。週の途中ではBitcoinが7万6,000ドルを割る場面もあり、何も起きなかったわけではありません。政策発表前後の売りをこなし、18日朝には週初に近い水準へ戻った形です。
Bitcoinの24時間売買高は約234.9億ドル、Ethereumは約118.6億ドルでした。価格が小動きでも、取引そのものが止まっているわけではありません。相場が静かなときは、値幅よりも「大きなイベントを通過しても価格帯を維持できたか」が手掛かりになります。
主要アルトコインは反発、ただし週間では選別
18日朝は主要アルトコインにも買いが広がりました。特にSolanaとCardanoはBitcoinより大きく反発しています。ただ、これは1日の値動きです。7日間で見るとBNBとXRPが相対的に強く、Ethereumはほぼ横ばいでした。時間軸を変えると主役も変わります。
アルトコインが一斉に上がる局面では、相場全体が強くなったように見えます。しかし、下落後の買い戻しや先物のショート解消でも上昇率は大きくなります。現物ETF、出来高、ステーブルコインが同時に増えているかを確認しないまま、1日の上昇を長期的な資金流入と扱うのは早計です。
Bitcoin ETFは週間6.11億ドル流出
今週の変化が最もはっきり表れたのは、米国現物ETFです。Bitcoin ETFは14日に1億5,990万ドル流入しましたが、15日に4億5,040万ドル、16日に2億9,590万ドル、17日に2,420万ドルが流出しました。4営業日の合計は6億1,060万ドルの純流出です。
月曜版では、9月8〜11日にBitcoin ETFから4億6,270万ドルが流出したと整理しました。そこへ今週の6億ドル超が重なったため、ETF経由の資金は明確に弱い状態が続いています。それでもBitcoin価格が7.6万ドル台を維持した点は重要です。
ただし「ETFが売っても強いから安心」とは言えません。ETF以外には海外取引所、企業保有、個人の現物、先物、オプションがあります。ETF流出を別の買い手が吸収した可能性はありますが、どの主体がどれだけ受け止めたかは公開データだけでは確定できません。確認できるのは、ETFが売り越しでも価格が週初付近に残ったことまでです。
ETFフローの読み方にも注意が必要です。純流出は、すべての保有者がBitcoinそのものを市場で同時に売った金額ではありません。ETFの設定・解約、指定参加者の受け渡し、現物や現金による処理が組み合わさります。それでも連日の純流出は、米国市場時間にETFを通じて保有したい需要が弱かったことを示すため、機関資金の温度計として無視できません。
また、ETF市場は米国の営業日に限られますが、Bitcoinは週末も24時間取引されます。金曜日のETFフローだけで土日の価格を決めることはできません。週末は取引参加者が減って板が薄くなり、少ない注文でも値幅が広がる場合があります。来週月曜の記事では、18日分のETF確定値と週末の現物出来高を分けて確認します。
Ethereumは月曜の流入から一転、2.41億ドル流出
Ethereum ETFは14日に1億2,110万ドルが流入しました。ところが15日は1億4,200万ドル、16日は2億2,410万ドルが流出し、17日の360万ドル流入を含めても4営業日の合計は2億4,140万ドルの純流出です。
9月11日の2億1,640万ドル流入を受け、月曜版ではBitcoinからEthereumへの資金選別を取り上げました。今週後半にはその流れが続かず、BlackRockのETHAを含む複数商品からまとまった資金が出ています。価格だけを見るとEthereumは7日間で0.1%高ですが、ETFの中身は弱くなりました。
一日の大型流入を見て「Ethereumへ主役交代」と決めることも、二日間の流出を見て「需要が消えた」と決めることもできません。少なくとも5営業日程度の連続性と、ETH価格・出来高・ネットワーク利用の組み合わせが必要です。
Solana ETFは14〜17日に合計1,310万ドルの純流入でした。規模はBitcoinやEthereumより小さいものの、三つのETF群で唯一プラスです。17日は流出入ゼロだったため、強い資金流入が加速したというより、小規模な買いが週前半に残った状態と読めます。
3年ぶりの米利上げが暗号資産へ与えたもの
米連邦準備制度理事会は9月16日、政策金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、3.75〜4.00%としました。採決は12対0の全会一致です。声明は、経済活動が堅調で、国内支出と設備投資が強く、インフレは高止まりしていると説明しました。
Reutersによると、金利見通しを提出した18人のうち16人が2026年末までに少なくとももう1回の利上げを見込んでいます。今回の利上げが終点ではない可能性を示したため、暗号資産にとっては「利上げを通過した」ことより「高金利がどれだけ続くか」が重要になりました。
利息を生まないBitcoinに対し、米国債は利回りを受け取れます。Ethereumにはステーキング報酬がありますが、価格変動や技術・制度リスクは国債と同じではありません。安全性の高い資産で高い利回りが得られるほど、暗号資産には相対的な逆風がかかります。
米金利は4.93%、それでもNASDAQは反発
9月17日の米10年国債利回りは4.93%へ低下し、5%を下回りました。ドル指数は100.23付近、Brent原油は104.8ドル付近です。米国株ではS&P500が1.1%高、NASDAQ総合が1.7%高となり、FOMC直後の警戒から買い戻されました。
Bitcoinが7.6万ドル台を維持できた背景には、長期金利の低下とNASDAQ反発が同時に起きたことが支えになった可能性があります。ただし、これは市場間の動きからの推論です。Bitcoinを直接買った主体や金額まで確認できるわけではありません。
金は4,300ドル台で反発し、原油も100ドルを超えています。Bitcoinを「デジタルゴールド」と呼ぶ場合でも、短期ではNASDAQに近いリスク資産として動く場面があります。金だけでなく、米金利、ドル、ハイテク株、原油を同時に見る理由はここにあります。
ステーブルコインは小幅減、待機資金は急増せず
CoinGeckoによると、Tetherの時価総額は約1,833.1億ドル、USDCは約738.7億ドルでした。合計は約2,571.8億ドルで、月曜版の約2,576億ドルから約4.2億ドル、率にして約0.16%減っています。
ステーブルコインは暗号資産を買う前の待機資金として使われますが、送金や決済にも使われるため、全額が買い待ち資金ではありません。それでも供給が急増していない事実は、「FOMC後に大量の新規資金が暗号資産市場へ入った」とまでは言いにくい根拠になります。
一方、0.16%程度の減少は市場からの大規模な資金逃避とも言えません。ETFでは流出が目立ちましたが、ステーブルコイン全体はほぼ横ばいです。機関投資家向けのETFと、取引所・決済で使われる資金の流れが異なっている可能性があります。
先物・清算は数値を作らず、過熱の方向を確認
先物建玉は、まだ決済されていない契約の総量です。価格が横ばいなのに建玉だけ増えると、買いと売りのどちらかにレバレッジが偏り、その後の値動きで強制清算が連鎖しやすくなります。
今回、CoinGlassの先物・清算データも確認しましたが、表示値がリアルタイムで更新され、記事確認時点と同じ条件を後から再現できる確定値を取得できませんでした。そのため、具体的な建玉額や清算額は推測していません。今週の値動きを「ショート清算だけ」「ロング清算だけ」と断定する根拠も不足しています。
次に見るべきなのは、Bitcoinが7.6万ドル台を維持しながら建玉が穏やかに増えるのか、価格が下がるのに建玉だけ膨らむのかです。後者なら、下落局面でのロング清算が値幅を広げるリスクが高まります。数値の大きさだけでなく、価格と建玉が同じ方向かを確認します。
規制は前進と停滞が同時進行
9月17日、米証券取引委員会はトークン化株式などを扱う取引基盤に、一定条件のもとで5年間の適用除外を設ける方針を示しました。トークン化株式とは、企業の株式をブロックチェーン上のトークンとして表現し、売買や決済を行いやすくする仕組みです。
対象となる株式トークンには、配当や議決権など通常株式と同じ権利が求められ、単に株価へ連動する合成商品は対象外とされています。Coinbase Global, Inc.やRobinhood Markets, Inc.など、暗号資産と証券取引の両方に関わる企業にとっては事業機会になり得ます。
一方、米上院では包括的な暗号資産市場構造法案が手続き上の壁を越えられませんでした。議会による恒久的な制度整備は遅れ、行政機関が既存権限の範囲で先に進める構図です。規制緩和のニュースが出たから法的な不確実性が消えたわけではありません。
安全面では、Revolutの一部暗号資産顧客情報が、イタリア政府の公的メール制度を悪用したなりすましで取得されたとの主張が報じられました。Revolutは社内システム自体は安全だと説明しており、調査中です。これはBitcoinやEthereumのネットワーク障害ではありませんが、保有者情報を狙う社会的攻撃のリスクを示します。観測期間中、両ネットワークの大規模停止や新たな主要アップグレードは確認できなかったため、未確認情報は記事へ加えていません。
ネットワークが正常に動いていても、取引所、保管業者、メール、本人確認の経路が狙われれば利用者は被害を受けます。秘密鍵の管理だけでなく、登録メールの二段階認証、出金先の確認、サポートを名乗る連絡への警戒が必要です。価格分析とセキュリティ確認は別の作業ですが、資産を守るうえでは同じくらい重要です。
暗号資産の値動きは企業と暮らしへどうつながるか
暗号資産を保有していなくても、今回のFOMCと規制変更は生活や企業活動に無関係ではありません。米国の政策金利が上がると、住宅ローン、クレジットカード、企業融資などの調達コストに波及します。高金利が長引けば企業は投資判断を慎重にし、株式や暗号資産のように将来成長を評価される資産には資金が向かいにくくなります。
日本から暗号資産を見る場合は、ドル建て価格と円換算価格を分ける必要があります。たとえばBitcoinが7万6,000ドルで横ばいでも、ドル円が155円から150円へ円高になれば、円換算した評価額は下がります。反対にドル建て価格が変わらなくても円安が進めば、国内取引所の円価格は上がりやすくなります。9月18日は日銀会合もあるため、Bitcoinのドル価格だけでは日本の保有者が感じる値動きを説明できません。
Bitcoinが7万6,000ドルで同じでも、1ドル155円なら約1,178万円、150円なら約1,140万円です。ドル建て価格が動かなくても、為替だけで約38万円の差が生じます。実際の取引価格や手数料は取引所ごとに異なりますが、考え方は同じです。
トークン化株式は企業にも関係します。株式の決済がブロックチェーン上で行われれば、取引時間の延長、少額化、決済期間の短縮につながる可能性があります。一方、株主名簿、配当、議決権、本人確認、資産保全をどう扱うかという課題も残ります。今回の米証券取引委員会の適用除外は、暗号資産価格を直接押し上げる材料というより、金融インフラへブロックチェーンを組み込む実証範囲が広がった出来事です。
Coinbase Global, Inc.やRobinhood Markets, Inc.のような企業には、取引商品の拡大や手数料収入の機会が生まれます。しかし、既存の証券会社や取引所との競争が激しくなり、システム投資や規制対応コストも増えます。「規制緩和だから関連株すべてにプラス」と単純化せず、どの会社が顧客、流動性、保管体制を確保できるかを見る必要があります。
ステーブルコインも同様です。海外送金や事業者間決済が速く安くなる可能性がある一方、発行体が保有する準備資産、換金能力、規制、サイバー攻撃が重要になります。TetherとUSDCの合計が約2,571.8億ドルあることは市場規模の大きさを示しますが、銀行預金と同じ保護があることを意味しません。価格が1ドル近辺でも、発行体と利用経路を確認する必要があります。
今回の週報で価格、ETF、金利、規制、安全面を一緒に扱うのは、このためです。Bitcoinが1%上がったという数字だけでは、機関投資家が買ったのか、先物の買い戻しなのか、円安で国内価格が上がったのか、制度変更で関連企業が評価されたのかを区別できません。複数のデータをつなぐことで、同じ値上がりでも持続性の条件が違うことが見えてきます。
今後の見通し
MARKET EYEの分析|対象期間:9月18日から9月25日
現時点の基本的な見方
BitcoinがFOMCの利上げとETF流出を受けても7.6万ドル台を維持した点は下値の粘りを示します。ただし、Bitcoin ETFは4営業日で6.11億ドル、Ethereum ETFは2.41億ドルの純流出です。価格の安定だけで本格的な資金回帰を確認できたとは考えず、方向は中立、資金面はやや慎重に見ます。
好転を確認しやすい条件
Bitcoin ETFの連続流出が止まり、Ethereum ETFも複数営業日で純流入へ戻ること。Bitcoinが7.6万ドル台を保ちながら8万ドルを回復し、SolanaやXRPの上昇にも現物出来高が伴うこと。米10年債利回りが5%を下回った状態を維持し、NASDAQの反発が続くことです。
悪化・見方を変える条件
米10年債利回りが再び5%を超え、ドル高とETF流出が同時に進む場合です。Bitcoinが7.6万ドルを割り込む一方で先物建玉だけが増えるなら、レバレッジ解消による値幅拡大を警戒します。Ethereum ETFの流出が続き、ETH/BTCの相対価格も下がる場合は、月曜に見えたEthereum選好を取り下げます。
次に確認する指標・イベント
9月18日は日本銀行の金融政策決定会合と、15時30分予定の総裁記者会見を確認します。週明け以降はFarsideの9月18日分ETFフロー、米10年債利回り、ドル指数、NASDAQ、原油を追います。次回FOMCの正式な政策判断までは、9月会合の追加利上げ示唆が市場金利へどう織り込まれるかが中心です。未確認の日程や価格目標は設定しません。
価格より「流出を誰が吸収したか」を見る週
今週は、Bitcoinが約7.6万ドル、Ethereumが約2,400ドル台で大きく崩れなかった一方、ETFからはまとまった資金が出ました。価格だけなら静かですが、資金フローは静かではありません。月曜のEthereum流入も、週後半には反転しています。
FOMCは3年ぶりに利上げし、追加利上げの可能性を残しました。それでも長期金利が5%を下回り、NASDAQが反発したため、暗号資産には売り一色ではない環境が残りました。SECのトークン化株式に関する動きも、暗号資産と既存金融の境界が変わりつつあることを示します。
来週は「Bitcoinが上がるか」だけでなく、ETF流出が止まるか、ステーブルコイン供給が増えるか、先物建玉が価格に先行して膨らんでいないかを確認したいところです。9月14日の暗号資産・月曜版と9月11日の暗号資産・金曜版をつなげて読むと、同じ7.6万ドル台でも、その裏側の資金が毎週変わっていることが分かります。
情報源・参考資料
- 補足情報 CoinGecko:暗号資産価格・時価総額・出来高
- 補足情報 Farside Investors:米国Bitcoin現物ETFフロー
- 補足情報 Farside Investors:米国Ethereum現物ETFフロー
- 補足情報 Farside Investors:米国Solana現物ETFフロー
- 一次情報 米連邦準備制度理事会:2026年9月FOMC声明
- 一次情報 米連邦準備制度理事会:2026年9月経済見通し
- 一次情報 米国財務省:Daily Treasury Par Yield Curve Rates
- 一次情報 米証券取引委員会:Regulation Crypto Assets提案
- 一次情報 日本銀行:金融政策・総裁記者会見
- 補足情報 CoinGlass:Bitcoin先物・建玉データ
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