出来高3.22億株、売買代金1.76兆円の正体|9月9日の資金移動と翌日3銘柄

対象日:2026年9月9日 | 情報確認:2026-09-09 17:37 JST
2026年9月9日(水)は、日経平均が65,142円78銭と126円55銭安、TOPIXが4,046.64と3.69ポイント安。日経平均は前場に一時500円前後上昇した後、午後に失速しました。東証プライムは値上がり601、値下がり920、変わらず33銘柄です。
この記事で分かること
出来高と売買代金の上位各20銘柄を分けて読み、株数だけでは見えない資金の行き先を整理します。そのうえで、9月10日(木)に確認したい古河電気工業、JX金属、出光興産の分岐点と、今週後半の見通しをまとめます。ETF・ETN・REITは集計から除いています。
結論:指数は反発に失敗、資金は非鉄・電線と石油へ
小幅安だけでは中身を見誤ります。値下がり銘柄が多い一方、非鉄金属は6.88%高、石油・石炭製品は5.01%高。銀行、小売、サービスなどから、電線・非鉄とエネルギーへ資金が移りました。
ソフトバンクグループ、フジクラ、イビデンなどが日経平均を押し上げた一方、アドバンテスト、ファーストリテイリング、リクルートなどが押し下げました。AI関連が一枚岩で買われたのではなく、光通信・電線には買い、一部の半導体製造装置には売り、という選別です。
東証プライムの出来高は23億29万株、売買代金は9兆2,303億円。メジャーSQ前で持ち高調整も膨らみやすく、大商いだけでなく終値位置まで確認します。
出来高上位20銘柄:3.22億株でも動いた資金は33.2億円
出来高は交換された株数です。低位株ほど株数が大きくなりやすいため、売買代金との併記が欠かせません。ランドは3億2,209万株で33.2億円、キオクシアは3,076万株で1兆7,588.6億円。株数は約1割でも、金額は約530倍でした。
1位 ランド(8918):10円(-9.09%)/3億2,209万3,900株/33.2億円/高11円・安10円。
2位 NTT(9432):172.2円(+0.12%)/2億523万5,500株/352.8億円/高173.3円・安169.5円。
3位 オンコセラピー・サイエンス(4564):23円(+4.55%)/1億6,483万700株/37.9億円/高23円・安22円。
4位 ソフトバンクグループ(9984):6,810円(+3.87%)/1億488万3,900株/7,117.6億円/高6,959円・安6,560円。
5位 ソレイジア・ファーマ(4597):29円(0.00%)/7,725万7,400株/22.7億円/高30円・安28円。
6位 ソフトバンク(9434):239.2円(-0.75%)/7,664万9,200株/184.0億円/高242円・安238.9円。
7位 ソニーFG(8729):158.8円(-2.16%)/5,417万9,500株/86.4億円/高161.2円・安158.5円。
8位 フジクラ(5803):5,493円(+8.07%)/5,037万2,600株/2,770.8億円/高5,589円・安5,340円。
9位 WIZE(3664):25円(+4.17%)/4,776万1,600株/11.9億円/高25円・安24円。
10位 東京電力HD(9501):575.1円(+3.31%)/3,996万1,400株/226.4億円/高577.4円・安551.5円。
11位 日産自動車(7201):307.3円(+1.59%)/3,955万7,000株/120.8億円/高309円・安299.8円。
12位 古河電気工業(5801):4,129円(+12.63%)/3,713万5,100株/1,521.5億円/高4,196円・安3,931円。
13位 日本製鉄(5401):675.9円(-0.30%)/3,351万3,000株/226.1億円/高679.9円・安670.9円。
14位 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306):3,601円(-1.50%)/3,319万9,200株/1,201.8億円/高3,664円・安3,585円。
15位 キオクシアホールディングス(285A):57,000円(-0.71%)/3,075万9,700株/1兆7,588.6億円/高58,510円・安56,020円。
16位 太陽誘電(6976):8,972円(-0.82%)/3,017万7,300株/2,742.2億円/高9,367円・安8,861円。
17位 メタプラネット(3350):251円(+2.87%)/2,766万9,300株/69.2億円/高257円・安244円。
18位 豊和工業(6203):2,140円(-0.37%)/2,483万8,100株/573.0億円/高2,594円・安2,007円。
19位 トヨタ自動車(7203):2,971円(+0.08%)/2,480万2,100株/738.3億円/高2,995.5円・安2,939.5円。
20位 サンリオ(8136):1,192.5円(-4.75%)/2,342万4,700株/281.1億円/高1,226.5円・安1,185円。
低位株4社の売買代金は11.9億~37.9億円でした。値動きの大きさと資金の大きさは別です。材料を一次情報で確認できない銘柄には、値動きだけから理由を付けていません。
売買代金上位20銘柄:キオクシア1銘柄に1.76兆円
売買代金は実際に交換された金額です。首位キオクシアは1兆7,588.6億円で、東証プライム全体の約19%を占めました。集中度が高い日は、一部の大型株だけで市場全体が強くも弱くも見えます。
1位 キオクシアHD(285A):57,000円(-0.71%)/3,075万9,700株/1兆7,588.6億円/高58,510円・安56,020円。
2位 ソフトバンクG(9984):6,810円(+3.87%)/1億488万3,900株/7,117.6億円/高6,959円・安6,560円。
3位 アドバンテスト(6857):32,840円(-2.84%)/1,028万5,000株/3,426.4億円/高34,210円・安32,590円。
4位 フジクラ(5803):5,493円(+8.07%)/5,037万2,600株/2,770.8億円/高5,589円・安5,340円。
5位 太陽誘電(6976):8,972円(-0.82%)/3,017万7,300株/2,742.2億円/高9,367円・安8,861円。
6位 イビデン(4062):21,420円(+2.93%)/1,159万7,200株/2,508.0億円/高22,370円・安20,945円。
7位 レーザーテック(6920):35,280円(+1.06%)/617万7,900株/2,267.4億円/高38,190円・安34,980円。
8位 東京エレクトロン(8035):53,700円(-0.56%)/354万5,400株/1,903.9億円/高54,390円・安53,020円。
9位 古河電気工業(5801):4,129円(+12.63%)/3,713万5,100株/1,521.5億円/高4,196円・安3,931円。
10位 村田製作所(6981):7,128円(+1.50%)/1,967万4,600株/1,400.1億円/高7,259円・安6,954円。
11位 三菱UFJ(8306):3,601円(-1.50%)/3,319万9,200株/1,201.8億円/高3,664円・安3,585円。
12位 KOKUSAI ELECTRIC(6525):8,675円(-1.22%)/1,113万1,700株/1,000.0億円/高9,410円・安8,675円。
13位 ファーストリテイリング(9983):66,860円(-2.72%)/143万2,200株/960.8億円/高67,700円・安66,750円。
14位 リクルートHD(6098):15,305円(-2.45%)/578万9,500株/889.6億円/高15,600円・安15,225円。
15位 JX金属(5016):3,909円(+4.91%)/2,140万8,400株/834.7億円/高3,945円・安3,836円。
16位 任天堂(7974):8,401円(-3.99%)/969万4,900株/821.4億円/高8,660円・安8,386円。
17位 ディスコ(6146):53,590円(-0.56%)/149万1,800株/813.9億円/高56,010円・安53,160円。
18位 トヨタ自動車(7203):2,971円(+0.08%)/2,480万2,100株/738.3億円/高2,995.5円・安2,939.5円。
19位 三井住友FG(8316):6,801円(-1.83%)/996万7,300株/683.8億円/高6,953円・安6,801円。
20位 みずほFG(8411):8,476円(-1.43%)/766万6,300株/656.4億円/高8,689円・安8,476円。
半導体、電子部品、電線、銀行が並びましたが騰落は不ぞろいです。フジクラ、古河電気工業、JX金属は上昇し、アドバンテスト、任天堂、銀行3社などは下落。大商いは買い優勢の証明ではありません。
出来高急増:倍率が高くても流動性を分けて考える
前日比ではイー・ロジット約80倍、ソフトフロントHD約64倍、イクヨ約53倍、イトーヨーギョー約38倍でした。普段の商いが少ない銘柄は少額でも倍率が跳ねるため、数字だけで大口資金の参入とは判断できません。
東証プライムでは日本空港ビルデング約5.26倍、デジタルハーツHD約4.72倍、ファーマフーズ約4.37倍、日本電波工業約4.07倍、ミズノ約3.80倍。これは前日比で、20日平均比ではありません。翌日も売買代金と終値位置が保たれるかを見ます。
資金移動:非鉄6.88%高、石油5.01%高の意味
非鉄金属は6.88%高。古河電工12.63%高、フジクラ8.07%高、住友電工5.72%高、JX金属4.91%高、三井金属5.20%高と買いが広がりました。ベライゾンとコーニングの光ファイバー契約を受け、AI通信網への期待が日本株にも波及したとみられます。ただし、日本企業の直接受注は確認できず、連想買いと業績寄与は別です。
石油・石炭製品は5.01%高、鉱業は2.17%高。中東情勢への警戒でブレント原油が100ドルに接近し、資源株を支えました。一方、航空、陸運、化学、電力、家計にはコスト増です。
ドル円は153円台で推移。円高一服は輸出株の安心材料になり得ますが、原油高が輸入物価を押し上げます。前場で見えた指数と銘柄数のずれは、日経平均225円高でも値下がり優勢|9月9日前場引けと後場の焦点で整理しています。
9月10日の注目1:古河電気工業、4,196円を越えられるか
古河電気工業は4,129円で引け、12.63%高。高値4,196円、安値3,931円、出来高3,713万株、売買代金1,521.5億円でした。当日を含む直近20営業日の平均出来高は約2,675万株で、9月9日は約1.39倍です。株価だけでなく商いも増え、非鉄金属の中でも強い動きでした。
確認価格は4,196円と3,931円です。4,196円を上回り、出来高を保ったまま高値圏で終えれば、電線株への資金集中が続く手掛かりになります。反対に3,931円を割り、フジクラや住友電気工業もそろって下落するなら、テーマ買いが一巡した可能性を考えます。信用取引は9月4日時点で売り残105万株、買い残1,793万株、信用倍率17.00倍。買い残の多さは、上昇時の利益確定売りにつながりやすい点に注意が必要です。
52週高値6,241円より約33.8%低く、長期高値の更新局面ではありません。9月4日終値比は約7.4%高でも、8月13日終値比は約0.4%高。短期急騰と数カ月の上昇再開は分けて見ます。
9月10日の注目2:JX金属、3,945円突破と買い残を確認
JX金属は3,909円、4.91%高。高値3,945円、安値3,836円、出来高2,141万株、売買代金834.7億円でした。当日を含む直近20営業日の平均出来高は約1,780万株で、約1.20倍です。AI・データセンター向け先端材料への期待に加え、9月4日に日経平均採用が公表されたことも需給面で意識されます。ただし、当日の上昇原因を一つの材料だけに決めつけません。
強さを確認する価格は3,945円です。ここを越えて非鉄金属の上昇銘柄数も保たれれば、個別株だけでなく業種への資金流入が続いたと判断しやすくなります。3,836円を割り、前日終値3,726円へ近づく場合は勢いの鈍化です。9月4日時点の信用倍率は32.97倍と買い残が大きく、上値では戻り売りが出やすい需給です。
52週高値5,828円より約32.9%低い位置です。9月4日終値比は約8.0%高、8月13日終値比は約1.2%高。月単位の上昇には、3,945円突破後も売買代金が急減しないことが必要です。
9月10日の注目3:出光興産、原油100ドル接近を追い風にできるか
出光興産は1,660円、7.58%高。高値は終値と同じ1,660円、安値1,597円、出来高841万株、売買代金138.2億円でした。当日を含む直近20営業日の平均出来高は約457万株で、約1.84倍です。高値引けで出来高も増え、石油株の中で勢いが目立ちました。
次の確認価格は52週高値1,671円です。終値との差は約0.7%しかなく、上抜ければ高値更新を意識しやすい一方、達成感による利益確定も出やすい位置です。下は当日安値1,597円、その次は前日終値1,543円を見ます。原油価格が反落し、石油・石炭製品が業種別でマイナスへ転じる場合は、個別株の形が良くても前提を見直します。
9月4日時点の信用倍率は6.45倍で、買い残が売り残を上回ります。8月13日終値1,283円から約29.4%上昇しており、高値圏の売りを吸収できる出来高が必要です。
今後の見通し
MARKET EYEの分析:9月10日から18日まで
対象期間:翌営業日の9月10日(木)から、日銀金融政策決定会合が終わる9月18日(金)までを見ます。
基本的な見方:日経平均は前場の上昇を維持できず、値下がり銘柄数も多いため、市場全体を強気とは判断しません。一方、非鉄金属と石油には業種単位の資金流入がありました。翌日は指数の方向より、この2業種で高値更新銘柄が増えるかを重視します。これは9月9日の価格と売買代金に基づくMARKET EYEの分析で、将来の値上がりを保証するものではありません。
好転する条件:古河電気工業が4,196円、JX金属が3,945円、出光興産が1,671円を上回り、各社の出来高が直近平均を大きく下回らないこと。加えて、値上がり銘柄数が増え、アドバンテストや東京エレクトロンなど売買代金上位の半導体株も安値を切り上げれば、資金の広がりを確認できます。
悪化・見方を変える条件:古河電気工業3,931円、JX金属3,836円、出光興産1,597円をそれぞれ出来高増で割ること。非鉄金属と石油・石炭製品がそろって下落へ転じ、値下がり銘柄数が再び900を超える場合も、一日限りのテーマ買いだった可能性を考えます。原油の急反落、または中東情勢の悪化で市場全体のリスク回避が強まる場合は、資源株にも単純な追い風とはなりません。
次に確認する指標・日程:9月10日の東証売買代金、業種別騰落率、3銘柄の高安と出来高を確認します。米国の8月生産者物価指数は9月10日21時30分、8月消費者物価指数は9月11日21時30分に公表予定です。日銀金融政策決定会合は9月17~18日に予定されています。予定時刻は公表済み日程に基づき、変更があれば公式情報を優先します。
明日の確認手順:価格、出来高、業種の順に見る
まず前日高値と安値、次に出来高、最後に同業他社への広がりを確認します。古河電気工業だけが上がる場合と、フジクラや住友電気工業もそろって上がる場合では継続性が違います。
出光興産は原油価格、ENEOS、INPEXの動きが伴うかを見ます。個別株だけの急騰なら慎重です。円高・原油高の影響は、全面安でも逆行高3業種、円高・原油高の個別5銘柄|9月9日朝刊も確認してください。
メジャーSQ前は先物主導で指数が振れやすい局面です。出来高、売買代金、終値位置、業種内の広がりを組み合わせて確認します。
確認範囲と出典
株価、騰落率、出来高、売買代金、当日高安は9月9日取引終了後の表示を照合しました。出来高急増倍率は前日比、注目3銘柄の20日平均比は当日を含む直近20営業日の単純平均です。信用残は9月4日時点の公表値を使用し、未取得の空売り内訳や材料は推測していません。
情報源・参考資料
- 一次情報 日本取引所グループ:東京証券取引所日報
- 一次情報 日本取引所グループ:信用取引残高等
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス:出来高ランキング
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス:売買代金ランキング
- 補足情報 ロイター:9月9日の東京株式市場大引け
- 補足情報 ロイター:ベライゾンとコーニングの光ファイバー契約
- 一次情報 JX金属:日経平均株価への採用に関するお知らせ
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス:古河電気工業の株価・信用残
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス:JX金属の株価・信用残
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス:出光興産の株価・信用残
- 一次情報 米労働統計局:2026年公表予定
- 一次情報 日本銀行:金融政策決定会合の日程
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