日経平均1,637円高、終値は7万円届かず|10月5日大引けと明日の注目3銘柄

対象日:2026年10月5日 | 情報確認:2026-10-05T17:27:02+09:00 JST
10月5日(月)の東京株式市場は、先週末の下落から大きく反発しました。日経平均株価は前営業日比1,637円40銭高の69,946円86銭。取引時間中には7万円を回復しましたが、大引けではこの節目をわずかに下回りました。TOPIXも上昇しており、反発は日経平均だけの動きではありません。
ただし、指数の上昇幅と、幅広い銘柄が買われたかどうかは、分けて見る必要があります。プライム市場の値上がり銘柄は約56%で、日経平均の上昇には半導体や一部の大型株の寄与が目立ちました。明日6日(火)は、7万円という数字に加え、今日買われた分野に資金が残るか、買いが他の業種へ広がるかを確かめる一日になります。
本稿では大引けの中身を整理したうえで、東京エレクトロン、TDK、ファーストリテイリングの3銘柄を確認候補として取り上げます。以下の価格は売買を指示するものではなく、上昇が続く場合と見方を変える場合を分けるための観察点です。
日経平均は1,637円高、7万円を巡る攻防は明日へ
日経平均の終値は69,946円86銭、前営業日比2.40%高でした。始値は69,113円74銭、安値は69,050円23銭、高値は10時44分の70,072円13銭です。前場終値の70,037円61銭からは90円75銭下げましたが、高値から大引けまでの下げは125円27銭にとどまります。大幅反発の多くを維持して取引を終えた点も見落とせません。
「7万円を維持できなかった」とだけ表現すると、午後に大きく崩れたように受け取られかねません。実際には、終値と7万円の差は53円14銭でした。節目を越えた事実と、越えた水準で引けられなかった事実の両方が残ったという整理が適切です。翌日に7万円を回復しても、寄り付きだけなのか、午前と午後を通して保てるのかで意味は変わります。
一方、TOPIXは4,145.22、54.22ポイント高の1.33%上昇でした。日経平均より上昇率が低いのは、構成銘柄や計算方法が異なるためです。株価水準の高い一部の銘柄に影響されやすい日経平均と、市場の時価総額を広く反映するTOPIXを並べると、今日の反発がどこに偏っていたかを読み取りやすくなります。
値上がりは約56%、大幅高でも全面高ではない
大引け後のSBI証券とみんかぶの市場集計では、東証プライムの売買高は22億5895万株、売買代金は7兆7509億円でした。値上がりは863銘柄、値下がりは633銘柄、変わらずは56銘柄です。この3区分の合計1,552銘柄に対する値上がりの割合は55.6%となります。
上昇銘柄が過半数を占めたのは前向きな変化です。ただ、指数が2%を超えて上がった割には、上昇の広がりは限定的でした。多くの銘柄を均等に持つ人と、半導体の大型株を中心に持つ人とでは、同じ一日の相場の印象がかなり違った可能性があります。指数の大幅高だけから、個々の企業の評価が一斉に改善したとは判断できません。
売買代金が大きいことも、その金額が丸ごと新しい資金として流入したという意味ではありません。売り手と買い手の取引が成立した合計額です。明日確認したいのは、取引が活発な状態で上昇銘柄が増えるか、それとも一部の銘柄だけに売買が集中するかです。ここが改善すれば、指数の反発を支える土台は広くなります。
大型5銘柄で約1,210円押し上げ、寄与度をどう読むか
日経平均へのプラス寄与は、アドバンテストが約360円、東京エレクトロンが約336円、ファーストリテイリングが約236円、ソフトバンクグループが約151円、TDKが約126円でした。公表された小数点以下の値で合計すると1,210円となり、指数全体の上昇幅の約74%に相当します。
これは「上がった理由の74%がこの5社の好材料だった」と示す数字ではありません。各銘柄の値動きが指数計算に与えた影響を表しています。それでも、少数の銘柄が反落すると、指数全体の見た目も変わりやすいことは分かります。明日は日経平均の数字だけでなく、これらの銘柄とTOPIXの動きを一緒に見る必要があります。
半導体関連も一様ではありませんでした。アドバンテストや東京エレクトロンが上昇する一方、キオクシアホールディングスは下落しました。電線のフジクラにも弱さが残りました。AIへの期待という共通のテーマがあっても、製造装置、検査装置、メモリー、電子部品では事業や株価の位置が異なります。同じ関連分野という理由だけで横並びに判断しないことが大切です。
業種の動きは電機・電子部品が優勢、資源株には温度差
東証33業種では22業種が上昇し、11業種が下落しました。上昇率は電気機器が2.59%、ガラス・土石製品が2.43%、化学が2.25%。機械、小売、精密機器、銀行なども上昇し、電気・ガス、鉱業、海運などは下落しました。今日は半導体装置に加え、電子部品や小売にも買いが向かった日と整理できます。
電子部品は、スマートフォン、自動車、データセンターなど幅広い製品に使われます。AI関連の設備投資への期待が強まると、その周辺にある電源や受動部品への関心も高まりやすくなります。ただし、需要期待がそのまま利益増加になるとは限りません。生産能力を増やす費用、原材料費、顧客からの値下げ要請なども利益に影響します。
資源関連の弱さを、景気全体の悪化と結び付けるのも早計です。原油の供給不安が和らぐ局面では、資源株への追い風が弱まる一方、燃料を使う企業には負担軽減の期待が生まれます。同じ原油価格の変化でも、収益への影響は業種によって逆になります。業種別の騰落は資金移動を考える手掛かりですが、投資家別の実際の資金流出入を直接測ったものではありません。
米雇用の減速が支え、金利・円安・原油には注意が残る
海外では、2日発表の米9月雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比2万9,000人増にとどまり、失業率は4.2%でした。時間当たり賃金の伸びは前月比0.1%、前年同月比3.0%です。雇用と賃金の勢いが落ち着けば、追加利上げへの警戒は和らぎやすくなります。2日の米国市場でダウ平均とナスダック総合指数が上昇したことも、東京市場の反発を考える背景になります。
ただし、雇用の減速は株価にとって常に良い材料ではありません。緩やかな減速なら金利負担の軽減を期待できますが、企業の受注や消費まで弱くなれば利益の下押し要因になります。「利上げを急がなくてよい」という見方と、「企業の売上も鈍るのではないか」という見方のどちらが強まるかは、次の経済指標次第です。
国内の為替市況では、15時時点のドル円は157円84銭付近と報じられました。米10年国債利回りはアジア時間に5.2%台で推移しており、金利が低い環境に戻ったわけではありません。円安は海外売上の円換算を支え得ますが、輸入原材料やエネルギーの負担を増やします。成長期待の高い銘柄には、米金利の再上昇が株価評価を抑える要因となり得ます。
ロイターのアジア市場報道では、原油はブレントが100ドル台、WTIが90ドル前後でした。備蓄放出や輸出動向による供給不安の緩和が意識される一方、中東情勢には引き続き不確実性があります。金現物は日本時間15時31分時点で1トロイオンス4,153.56ドルと報じられました。いずれも日本株の大引けと同じ時刻の確定終値ではなく、取引時間中の参考値です。
先物の上昇だけで決めず、今夜23時の米指標を確認
大阪取引所の日経225先物12月限は日中取引を70,090円で終え、前営業日比1,440円高でした。現物と先物では対象となる価格や取引時間が異なります。先物が7万円を超えているから、明日の現物もその水準を維持できるとは限りません。夜間の為替や海外株の変化を経て、翌朝の価格が決まります。
今夜5日23時(日本時間)は、米9月ISMサービス業景況指数の発表予定です。サービス業の活動を調べる指標で、総合指数だけでなく雇用や支払価格も確認したいところです。活動が底堅く価格上昇が落ち着く組み合わせなら、企業業績と金利の両面で支えになり得ます。反対に価格圧力が強まれば、雇用統計後に和らいだ利上げ警戒が再び高まる可能性があります。
確認の順番は、発表値、米金利、ドル円、米国株です。指標が市場予想を上回ったという見出しだけで日本株への影響を決めると、景気改善と利上げ警戒のどちらが重視されたかを見落とします。明日の寄り付きは、この夜間の反応を織り込んで始まる点に注意が必要です。
明日の3銘柄は、装置・部品・消費の違いを見る
今回の候補は、半導体製造装置の東京エレクトロン、電子部品のTDK、衣料品小売のファーストリテイリングです。指数寄与度だけで選ぶのではなく、出来高の増減、確認できる企業材料、関連業種への広がりを比較します。値上がり率や売買代金のランキングを再掲する構成にはしていません。
日足では今日の高値・安値と前営業日の終値を比較し、週の初日として反発を維持できるかを確認します。月初の位置を見るため9月30日の終値とも照合します。ただし、10月の月足も今週の週足もまだ完成していません。1日上がったことを、週や月単位の上昇転換と同じ意味で扱わないようにします。
半年・1年の全期間の値幅や調整済みチャート、最新の信用残・空売り残の詳細は今回確認できていません。このため、それらを根拠にした底打ちや需給改善は判断を保留します。出来高が増えても、新規の買いなのか売り方の買い戻しなのかを、取引量だけで断定することはできません。
注目① 東京エレクトロン、12,820円を越えて保てるか
東京エレクトロン株式会社(8035)の終値は12,765円、665円高の5.50%上昇でした。高値は12,820円、安値は12,295円、始値は12,400円。出来高は1,663万9,700株、売買代金は約2,110億円です。9月30日の終値11,815円、2日の12,100円を上回り、直近の下落から反発しました。
一方、出来高は2日の1,910万2,700株を下回っています。株価の強さは確認できますが、前営業日より多くの売買を伴った上昇ではありません。半導体設備投資への期待が続くかを見る代表銘柄として選びつつ、この点は上昇の持続性を判断する際に残しておきたい条件です。
好転の確認点は、12,820円を上回った後もその近辺を維持し、アドバンテストなど周辺銘柄にも買いが続くことです。出来高は一日が終わった時点の比較か、同じ時間帯同士で比べます。朝の出来高を今日一日分と直接比べて「少ない」と判断しないようにします。
反対に、12,765円を下回る時間が長くなり、12,400円、さらに12,295円を割る場合は反発の維持を見直します。前営業日終値12,100円まで戻れば、今日の上昇分を失うことになります。これらは今日と直近の実際の価格であり、将来の下値や売却価格を保証する線ではありません。
注目② TDK、出来高増を伴う上昇が続くか
TDK株式会社(6762)は3,447円、249円高の7.79%上昇でした。高値3,499円、安値3,336円、始値3,367円。出来高は2,243万1,900株、売買代金は約768億円です。出来高は2日の1,149万2,100株に対して約1.95倍となり、今回の3候補の中では取引量の増加が明確でした。
当日はAI関連売上が計画を上回るとの日経報道が材料として紹介されています。ただし、報道内容と会社が正式に公表する業績予想の修正は区別が必要です。会社の新たな上方修正を確認したという意味ではありません。電子部品への期待が、今後の会社説明や実績でどこまで裏付けられるかが重要になります。
9月30日の終値2,981円、2日の3,198円から株価は上昇しました。短期間に水準が変わったため、明日は高値3,499円を上回るかに加え、上回った後の売買を確認します。村田製作所や太陽誘電などにも上昇が広がれば、個別報道だけでなく電子部品全体への関心が続いていると考える材料になります。
失速の確認点は、始値3,367円や安値3,336円を割り、戻りが続かなくなることです。出来高が多いまま株価が下がる場合は、活発な取引が必ずしも買いの強さを表さない点に注意します。前営業日終値3,198円に近づけば、報道を受けた上昇の持続性をあらためて見直す必要があります。
注目③ ファーストリテイリング、月次好調の中身と8日の決算
株式会社ファーストリテイリング(9983)は74,690円、2,920円高の4.07%上昇で、高値引けでした。始値は73,010円、安値は72,580円。出来高は113万4,400株、売買代金は約841億円です。出来高は2日の118万8,700株を下回りましたが、終値は9月30日の70,860円、2日の71,770円より高い水準にあります。
確認できる企業材料は、2日公表の国内ユニクロ9月売上です。既存店とEコマースの合計売上は前年同月比10.8%増でした。その内訳では客数が0.5%減、客単価が11.3%増です。売上増を「来店客が大幅に増えた」と説明するのは正確ではなく、1人当たりの購入金額の増加が支えました。
会社は気温の低下による秋冬商品の販売好調を説明しています。衣料品では季節商品の売れる時期が売上を左右しますが、利益は値引き率、仕入れ費用、為替などにも影響されます。月次の好調だけから通期利益の上振れを決め付けず、8日(木)に予定される2026年8月期決算発表で会社の説明を確認する必要があります。
明日は74,690円を越えて保てるかが第一の確認点です。小売の他銘柄にも買いが広がれば、消費関連への資金移動を考える材料になります。反対に73,010円を下回り、72,580円も割る場合は高値引け後の継続性を見直します。決算を目前に控えるため、明日の値動きと決算発表後の評価は分けて考えます。
今後の見通し
以下はMARKET EYEの分析です。対象は10月6日(火)を中心に、8日(木)の主要決算までです。確認済みの事実は、日経平均とTOPIXがそろって反発したこと、日経平均は終値で7万円を下回ったこと、プライムの上昇銘柄は約56%だったことです。現時点の基本的な見方は、反発の継続余地を残す一方、市場全体の上昇転換を判断するには買いの広がりをもう一段確認したい、というものです。
好転する条件:日経平均が7万円を回復して維持し、今日の高値70,072円13銭を越える場面でもTOPIXや上昇銘柄数が追い付くことです。半導体装置だけでなく電子部品、小売、その他の業種にも上昇が広がり、米金利が急上昇しなければ、反発の継続を考える根拠が増えます。
横ばいを想定する条件:7万円付近で売り買いが交錯しても、今日の上昇を大きく失わず、業種ごとに買いが入る状態です。この場合、指数が一気に上へ進まなくても、上昇を消化している可能性があります。寄り付きの方向だけで結論を出さず、前場と大引けで市場の広がりを比べます。
悪化・見直しの条件:指数寄与の大きい銘柄がそろって反落し、TOPIXと値上がり銘柄数も悪化する場合です。日経平均が今日の安値69,050円23銭を下回れば、反発の維持という基本的な見方を見直します。ISM発表後の米金利上昇、急な円高、原油の再上昇は、それぞれ株価評価、輸出採算、企業の費用を通じて逆風となり得ます。
次の確認点:5日23時の米ISMサービス業景況指数と発表後の市場反応、6日の寄り付き後の7万円の維持、3候補の出来高と同業株の動き、8日のファーストリテイリング決算です。発表結果や会社見通しを確認してから判断を更新し、現時点で目標価格や実現確率は置きません。
明日の確認手順と関連記事
朝は海外指標後の金利・為替と先物を確認し、寄り付き後は日経平均とTOPIXの方向を比べます。そのうえで3銘柄の価格と出来高、同業株への広がりを見ると、指数の数字に振り回されにくくなります。昼と大引けにも同じ順番で確認すれば、朝の勢いが残ったのか、途中で資金の向かう先が変わったのかを整理できます。
前場との比較には、日経平均7万円回復、前場1,728円高|上昇の理由と底打ちを見極める3条件をご覧ください。今日の終値は前場から90円75銭下げており、前場時点の確認条件を大引けでどう評価するかをつなげて読めます。
反発前の状況は、日経平均647円安、値下がり84%|10月2日大引けと月曜注目3銘柄に整理しています。MARKET EYEは、日々の値動きと次の重要予定をつなげて確認するマーケットカレンダーとしても活用できます。
主な一次資料:日経平均の公式四本値、米雇用統計、国内ユニクロ月次売上、ISM発表日程。市況・株価の配信資料は出典一覧を参照してください。
情報源・参考資料
- 一次情報 日本経済新聞社|日経平均プロフィル・日次四本値
- 一次情報 JPX|株式・債券市況と更新時刻
- 一次情報 JPX|休業日
- 一次情報 米労働統計局|2026年9月雇用統計
- 一次情報 ファーストリテイリング|国内ユニクロ月次売上
- 一次情報 ファーストリテイリング|IRカレンダー
- 一次情報 ISM|2026年景況指数発表日程
- 一次情報 TDK|決算説明会資料
- 補足情報 みんかぶ|10月5日の東京株式市場
- 補足情報 SBI証券|マーケット概況・10月5日大引け
- 補足情報 株探・フィスコ|日経平均寄与度と大引け
- 補足情報 株探|東証業種別ランキング
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス|TOPIX
- 補足情報 みんかぶ|東京外国為替市場15時概況
- 補足情報 みんかぶ|日経225先物の日中清算値
- 補足情報 ロイター|10月5日のアジア・世界市場
- 補足情報 ロイター|10月5日の金市場
- 補足情報 FOREX.com|10月5日朝の市場概況と米雇用統計
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス|東京エレクトロン株価
- 補足情報 株探|東京エレクトロン株価
- 補足情報 トレーダーズ・ウェブ|東京エレクトロン株価推移
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス|TDK株価
- 補足情報 トレーダーズ・ウェブ|TDK株価推移
- 補足情報 トレーダーズ・ウェブ|TDKのAI関連売上に関する報道
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス|ファーストリテイリング株価
- 補足情報 トレーダーズ・ウェブ|ファーストリテイリング株価推移
- 補足情報 みんかぶ|国内ユニクロ9月売上の報道
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