本文へ移動
MARKET EYE MEDIA
世界の市場を、シンプルに、深く。
新着・定番を自動選定PICK UP 5 →
ホーム›株式›キオクシア7222億円・アドバンテスト6230億円|10月5日の出来高・ストップ高安・重要IR
株式

キオクシア7222億円・アドバンテスト6230億円|10月5日の出来高・ストップ高安・重要IR

MARKET EYE 編集部 2026.10.05 18:00 株式の記事一覧を見る →
キオクシア7222億円・アドバンテスト6230億円|10月5日の出来高・ストップ高安・重要IR

先に要点

  • 売買代金首位はキオクシアホールディングス株式会社(285A)の7221億9900万円、2位は株式会社アドバンテスト(6857)の6229億6400万円。2銘柄だけで約1兆3452億円が動いた。
  • アドバンテスト、東京エレクトロン株式会社(8035)、株式会社ディスコ(6146)は上昇した一方、キオクシアとフジクラ株式会社(5803)は下落。同じAI・半導体関連でも値動きはそろわなかった。
  • 出来高上位は株式会社ランド(8918)2億9512万8500株など低位株が中心。株数の多さをそのまま市場の中心と見なさず、売買代金と値幅を合わせて読む必要がある。
  • ストップ高到達は普通株4銘柄、ストップ安は0銘柄。終値で上限に張り付いたのはクリングルファーマ株式会社(4884)だけで、ほか3銘柄は高値到達後に押し戻された。
  • 引け後は株式会社日本M&Aセンターホールディングス(2127)の配当手続き、宝ホールディングス株式会社(2531)の物流子会社株式譲渡、株式会社リプロセル(4978)の資金調達を重要開示として確認した。

2026年10月5日の東京市場では、日経平均株価が6万9946円86銭、前営業日比1637円40銭高となりました。ただ、この記事で確認するのは指数の大幅高そのものではありません。どの銘柄へ実際の売買が集まり、その大商いのあとに株価が高値圏へ残ったのか、それとも売りに押されたのかです。

前営業日の資金移動は10月2日の出来高・ストップ高安・重要IRで整理しました。5日は半導体・電気機器へ買いが戻りましたが、前回の大商いをそのまま延長したわけではありません。売買代金首位のキオクシアは下落し、2位のアドバンテストは上昇しました。市場全体の広がりを振り返る場合は、10月2日の日経平均647円安と大引け総合も比較材料になります。

📊 売買代金首位のキオクシアは下落

キオクシアホールディングス株式会社(285A)は終値1万9120円、前営業日比180円安、0.93%安でした。始値1万9620円、高値1万9750円、安値1万9085円、出来高3732万株、売買代金は7221億9900万円です。売買代金は全市場で首位でしたが、終値は安値より35円高いだけで、高値から630円下に位置しました。

ここで大切なのは、売買代金の大きさを「買い資金が7222億円流入した」と読まないことです。売買代金は買い手と売り手が成立させた取引金額の合計で、純流入額ではありません。5日のキオクシアは非常に多くの資金が交換されたものの、最終的には前営業日終値を下回り、日中の戻りも限られました。大商いは関心の高さを示しますが、終値の位置は売り圧力も強かったことを示します。

2位の株式会社アドバンテスト(6857)は4万300円、1670円高、4.32%高。始値4万円、高値4万700円、安値3万9730円、出来高1546万4300株、売買代金6229億6400万円でした。終値は高値から400円下ですが、安値から570円上で、4万円台を維持しました。キオクシアとアドバンテストの売買代金合計は約1兆3452億円です。同じ半導体関連でも、一方は安値圏、一方は高値圏で引けた点に選別の強さが表れています。

3位のソフトバンクグループ株式会社(9984)は6497円、187円高、2.96%高。高値6570円、安値6400円、出来高5620万5300株、売買代金3650億5900万円でした。値幅は170円ありましたが、終値は高値から73円下にとどまり、指数を押し上げる側に回りました。大型AI関連へ買いが戻った日でも、銘柄ごとの終値位置は同じではありません。

⚡ 電気機器が上昇、半導体内では選別が継続

東京エレクトロン株式会社(8035)は1万2765円、665円高、5.50%高。始値1万2400円、高値1万2820円、安値1万2295円、出来高1663万9700株、売買代金2109億8100万円でした。株式会社ディスコ(6146)も6万3730円、3440円高、5.71%高で、売買代金は1379億1700万円。ルネサスエレクトロニクス株式会社(6723)は8.03%高、TDK株式会社(6762)は7.79%高となり、電気機器が業種別上昇率の上位に入りました。

一方、レーザーテック株式会社(6920)は4万6190円、60円高、0.13%高にとどまりました。高値4万7430円から終値まで1240円下げ、売買代金は2476億1000万円です。フジクラ株式会社(5803)は5566円、32円安、0.57%安、古河電気工業株式会社(5801)は4378円、51円安、1.15%安でした。指数が大きく上がり、電気機器が買われた日でも、直前まで上昇していた電線株には利益確定売りが出ています。

業種全体と個別銘柄を分けて見る

電気機器が上昇率上位でも、その業種に属する全銘柄が上がるわけではありません。半導体製造装置、メモリー、検査装置、電子部品、電線では受注の時期、利益率、株価位置が異なります。業種上昇を入口にしつつ、売買代金、日中高安、終値の位置まで確認すると、実際に資金が残った銘柄を見分けやすくなります。

売買代金上位には太陽誘電株式会社(6976)2040億3600万円、株式会社村田製作所(6981)1817億5500万円、イビデン株式会社(4062)1725億7500万円も入りました。太陽誘電は3.91%高、村田製作所は3.28%高、イビデンは1.36%高です。大手銀行では株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が2.00%高、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(8316)が1.60%高、株式会社みずほフィナンシャルグループ(8411)が2.63%高でした。資金は半導体だけに閉じず、金利上昇の恩恵を受けやすい銀行株にも向かいました。

🔍 出来高上位は低位株、株数と金額は別物

出来高首位は株式会社ランド(8918)の2億9512万8500株で、終値は11円、前営業日と変わらずでした。オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564)は2億4954万9700株、終値20円、4.76%安。ソレイジア・ファーマ株式会社(4597)は7246万4000株、終値31円、3.13%安でした。株価が数十円以下の銘柄は、同じ資金でも売買株数が膨らみます。

オンコセラピー・サイエンスの売買代金は50億1200万円、ソレイジア・ファーマは22億1700万円です。これに対し、出来高3732万株のキオクシアは7222億円近く、1546万株のアドバンテストは6230億円近くが動きました。出来高だけなら低位株が上位でも、機関投資家を含む大きな資金の交換は高株価の大型株で起きています。

NTT株式会社(9432)は1億6699万100株、終値170円、0.06%高、売買代金281億8100万円でした。東京海上ホールディングス株式会社(8766)は1億837万4100株、終値509円50銭、0.41%高、売買代金550億600万円です。いずれも株式分割後で1株当たり価格が低く、日常的な流動性も高い大型株です。同じ出来高上位でも、小型低位株と大型株を同じ過熱基準で比べることはできません。

出来高が多いだけでは方向は分からない

ランドは横ばい、オンコセラピー・サイエンスとソレイジア・ファーマは下落しました。出来高の増加は参加者が増えた事実を示しますが、買い優勢とは限りません。値動きの継続性を考えるときは、翌営業日に売買代金が縮小しても終値を保てるかを確認します。

🚘 ティアフォーは898億円をこなし15.36%高

出来高と値幅の両方で目立ったのが株式会社ティアフォー(478A)です。終値は2193円、前営業日比292円高、15.36%高。始値1896円、高値2283円、安値1862円、出来高4128万7500株、売買代金897億8400万円でした。始値を下回る場面から切り返し、終値は高値より90円下の水準まで上昇しています。

ティアフォーは自動運転向けソフトウエアのテーマ性から短期資金が集まりやすい銘柄です。ただし、5日当日の値上がりを一つの新規開示だけで説明できる材料は確認できませんでした。市場で自動運転関連への関心が高まった可能性はありますが、それを特定の受注や提携と結び付けるのは避けます。

需給面では、直近公表分の信用買い残が521万5000株、信用売り残が2500株で、信用倍率は2086倍でした。公表時点が当日と一致するとは限りませんが、買い建玉に大きく偏っていることは確認できます。上昇時には買いが買いを呼びやすい一方、反転時には利益確定や損失限定の売りが重なる可能性があります。15%を超える上昇だけでなく、高値2283円を再び試せるか、安値1862円との大きな値幅が縮まるかを見る必要があります。

なお、20日平均出来高に対する倍率は、同一条件の確定データを再計算できなかったため掲載しません。出来高ランキングの順位を平均比の代わりにはせず、取得できた出来高、売買代金、値幅、信用残で評価しています。

🚨 ストップ高4銘柄、ストップ安はゼロ

ETF、ETN、REITを除く普通株では、ストップ高に到達した銘柄は4銘柄、ストップ安は0銘柄でした。4銘柄すべてが終値で上限価格に張り付いたわけではありません。途中で値幅上限へ達したあとに売買が成立し、終値で押し戻された銘柄が3つあります。

株式会社ソケッツ(3634)は高値798円まで買われたあと、終値738円、40円高、5.73%高。出来高36万7200株、売買代金2億7700万円でした。前週には知的財産ライセンス事業の取得を発表しており、材料を引き継いだ売買とみられますが、終値では値幅上限を維持できませんでした。

株式会社ジィ・シィ企画(4073)は高値783円、終値780円、97円高、14.20%高。安値は641円、出来高91万7500株、売買代金6億8400万円です。高値と終値の差は3円と小さい一方、安値からは139円上昇しており、日中の振れが大きい銘柄でした。当日までに値上がり理由を一つに特定できる新規開示は確認できませんでした。

辻・本郷ITコンサルティング株式会社(476A)は高値3060円でストップ高に到達しましたが、終値は2520円、40円安、1.56%安。高値から540円押し戻され、出来高93万5800株、売買代金25億9400万円でした。ストップ高到達という見出しだけなら強く見えますが、終値が前営業日を下回ったことは、上値で売りが増えたことを示します。

クリングルファーマ株式会社(4884)は564円、80円高、16.53%高で終値もストップ高でした。出来高68万8600株、売買代金3億7400万円です。提携先が眼科学会で研究成果を発表したとの開示が材料になりました。ただし、学会発表は将来の承認や売上を保証するものではありません。研究結果が事業価値へ届くまでには、追加試験、承認手続き、販売体制など複数の段階があります。

4銘柄を比べると、終値で上限を維持したのはクリングルファーマだけです。ソケッツと辻・本郷ITコンサルティングは高値から明確に押し戻されました。翌営業日に見るべきなのはストップ高の回数ではなく、寄り付き後も出来高を伴う買いが続くか、前日の高値圏を維持できるかです。

📝 重要IRは配当手続き、事業売却、希薄化を分ける

株式会社日本M&Aセンターホールディングス(2127)は、2024年12月と2025年12月に実施した中間配当が会社法上の分配可能額を超えていたと発表しました。いずれも1株14円で、配当総額はそれぞれ44億4115万2338円、44億4253万5118円。分配可能額を超えた金額は7172万8211円と8億3323万8407円です。

会社は第三者委員会を速やかに設置し、原因や責任の所在を調査するとしています。株主に配当金の返還を求めない方針で、過年度決算への影響は軽微と説明しました。一方、2027年3月期の中間配当や株主還元策は分配可能額の範囲内で改めて検討するとしています。これは直ちに本業の収益力が失われたという開示ではありませんが、配当手続きとガバナンスへの信頼に関わるため、翌営業日の需給へ影響しやすい材料です。

宝ホールディングス株式会社(2531)は、連結子会社であるタカラ物流システム株式会社の株式70%を株式会社中央倉庫へ譲渡すると発表しました。譲渡価格は59億8500万円、実行予定日は2027年4月1日です。譲渡対象会社の2026年3月期売上高は126億4900万円、営業利益は6億7600万円でした。

同社は2028年3月期に約36億2500万円の特別利益を見込んでいます。売却益は利益を押し上げますが、一度限りの損益です。事業の選択と集中として評価する場合も、物流機能を外部化した後の費用、酒類・バイオなど中核事業への資金配分、連結売上高から外れる事業規模を合わせて見る必要があります。

株式会社リプロセル(4978)は、第三者割当による新株式293万2000株を1株119円で発行し、29万3200個ではなく2万9320個の新株予約権も発行すると発表しました。新株予約権は1個当たり100株で、潜在株式数は293万2000株、行使価額は159円です。今回分の理論上の調達総額は約8億1853万円、諸費用控除後の見込みは約8億1053万円ですが、新株予約権が行使されなければ予定額を確保できません。

増資は研究開発や事業運営の資金を確保する一方、既存株主にとっては1株当たり価値の希薄化と将来の売り圧力を生みます。会社は4回に分けた資金調達を進めており、全体では新株式1172万8000株と同数の潜在株式が予定されています。翌営業日は調達目的だけでなく、発行規模、割当先、行使状況を確認する必要があります。

株式会社不二越(6474)は11月30日を基準日として1株を5株へ分割すると発表しました。株式分割は最低投資金額を下げ、売買しやすくする効果が期待されますが、企業価値そのものを5倍にするものではありません。IRを読むときは、配当、事業売却、資金調達、株式分割がそれぞれ利益と需給へどう作用するかを分けることが重要です。

💰 IRが翌日の需給へ与える影響

日本M&Aセンターホールディングスの開示は、過年度の配当額そのものより、内部管理と今後の株主還元に不確実性を生む点が焦点です。会社が決算影響を軽微と説明しても、第三者委員会の調査範囲、再発防止策、2027年3月期中間配当の扱いが分かるまでは、投資家の評価が割れやすくなります。

宝ホールディングスの株式譲渡は、将来の特別利益と現金回収がプラス材料になり得ます。ただし、譲渡実行は半年先で、対象会社の売上と利益が連結から外れる影響もあります。発表直後の株価だけで成功を判断せず、資金の使途と来期以降の収益構成を確認したいところです。

リプロセルは調達資金が成長投資へ回れば事業基盤を支えますが、普通株と新株予約権の両方が発行されます。短期の株価には、事業計画より先に希薄化と潜在的な売り圧力が反映されることがあります。出来高が増えても終値が安値に近い場合は、資金調達を受けた売りを買いが吸収し切れていない可能性を考えます。

このように重要IRは、見出しの「特別利益」「資金調達」「株式分割」だけで強弱を決められません。利益の一時性、実行までの期間、発行株式数、将来の希薄化、ガバナンス上の追加調査といった条件を整理すると、翌日の出来高が増えた理由と値動きの意味を読みやすくなります。

今後の見通し

ここからはMARKET EYEの分析です

対象期間:2026年10月6日の寄り付きから10月9日の大引けまで。

基本的な見方:大型半導体・AI関連への資金は継続しやすいものの、指数上昇だけで一括して強気と見る段階ではありません。根拠は、アドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコが上昇した一方、売買代金首位のキオクシアが安値圏、電線株の一部が下落したためです。短期的には売買代金の集中が続く銘柄と、直前の上昇を吐き出す銘柄の差が広がると見ます。

好転条件:キオクシアが5日高値1万9750円を回復し、アドバンテストが4万700円近辺で売買をこなしながら4万円台を保つことです。東京エレクトロン、ディスコだけでなく、レーザーテックや電線株へ買いが広がり、業種上昇と個別銘柄の上昇が一致すれば、物色の裾野が広がったと判断しやすくなります。

悪化・見直し条件:キオクシアが5日安値1万9085円を明確に下回り、アドバンテストも安値3万9730円を割り込む場合です。ティアフォーが大商いを続けても終値で5日安値1862円へ接近する、ストップ高到達銘柄が寄り付き後に前日終値を維持できない場合も、短期需給の反動を警戒して見方を改めます。

次に確認すること:10月6日9時の寄り付きで、日本M&Aセンターホールディングス、宝ホールディングス、リプロセル、不二越の注文状況を確認します。取引時間中はキオクシアとアドバンテストの売買代金順位、ティアフォーの高安と出来高、ストップ高4銘柄の売買成立量を追います。引け後はTDnetの新規開示と、翌日に持ち越された材料の有無を確認します。現時点で日時を確認できない追加調査結果や企業発表は予定を作らず、開示後に更新します。

この見通しは確認できた価格、出来高、売買代金、企業開示をもとにした条件整理です。値上がりや値下がりを保証するものではありません。大商いの翌日は、売買代金がさらに増えるかより、売買代金が減ったときに終値を保てるかが重要です。

まとめ

10月5日は、キオクシア7222億円、アドバンテスト6230億円という巨額売買が市場の中心でした。しかし、首位のキオクシアは0.93%安、2位のアドバンテストは4.32%高です。半導体・AI関連へ資金が戻ったことと、すべての関連株が強かったことは同じではありません。

出来高上位では10円台、20円台の低位株が数億株をこなしましたが、売買代金まで見ると大型半導体株との差は大きくなります。ティアフォーは15.36%高と活況でしたが、当日の新規材料を確認できないため、値動きから理由を作らず需給の偏りとして扱いました。

ストップ高到達は4銘柄、ストップ安は0銘柄。終値で上限を維持したのはクリングルファーマだけでした。重要IRでは、配当手続きの問題、物流子会社売却、第三者割当増資と新株予約権、株式分割という性質の異なる材料が出ています。ランキングの順位だけでなく、終値の位置、売買代金、開示の一時性と継続性をつなげて読むことが、翌日の需給を考える手がかりになります。

本記事は公開情報をもとにした市場解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。株価、出来高、売買代金は2026年10月5日大引け時点で確認した値です。

情報源・参考資料

  1. 補足情報 株探 全市場・売買代金ランキング(2026年10月5日)
  2. 補足情報 株探 全市場・出来高ランキング(2026年10月5日)
  3. 補足情報 株探 ストップ高銘柄(2026年10月5日)
  4. 補足情報 株探 ストップ安銘柄(2026年10月5日)
  5. 一次情報 日本M&Aセンターホールディングス 分配可能額を超えた剰余金の配当に関するお知らせ
  6. 一次情報 宝ホールディングス 連結子会社の株式譲渡に関するお知らせ
  7. 一次情報 リプロセル 第三者割当による新株式及び新株予約権の発行
  8. 一次情報 日本取引所グループ 株式関連の統計資料

リンク先の更新・訂正により、閲覧時点の内容が記事作成時点と異なる場合があります。