キオクシア7809億円・アドバンテスト6541億円|10月2日の出来高・ストップ高安・重要IR

対象日:2026年10月2日 | 情報確認:2026-10-02T16:50:01+09:00 JST
先に要点
- キオクシアホールディングス株式会社(285A)の売買代金は7809億1089万円、株式会社アドバンテスト(6857)は6541億3423万円。2銘柄だけで約1兆4350億円が動いた。
- キオクシアは1.05%高、アドバンテストは2.71%高だった一方、東京エレクトロン株式会社(8035)は3.82%安。半導体関連でも資金の向きはそろっていない。
- 出来高上位には低位株が並んだが、株数の多さと市場で動いた金額は別物。ランドとオンコセラピー・サイエンスを売買代金まで含めて比較する。
- 普通株のストップ高到達は9銘柄、ストップ安は0銘柄。決算や資本業務提携が確認できる銘柄と、当日の新規材料を確認できない銘柄を分けて扱う。
- 大引け後は株式会社ハイデイ日高(7611)の中間決算と増配、ミタチ産業株式会社(3321)や象印マホービン株式会社(7965)の決算を確認した。
2026年10月2日の東京市場は、前日に大きく上昇した反動もあり、日経平均株価が6万8309円46銭、前日比647円26銭安で終了しました。ただ、この記事で重視するのは指数の上下そのものではありません。どの銘柄に、どれだけの株数と資金が集まり、その売買のあとに株価がどこへ残ったのかです。
この視点で見ると、2日は単純な「半導体株が強い日」ではありませんでした。キオクシアとアドバンテストには巨額の売買が集中した一方、ソフトバンクグループ株式会社(9984)と東京エレクトロンは大きく下落。さらに電線や非鉄金属へ資金が広がりました。前日の大幅高を受けて、AI関連の中でも利益確定売りと継続買いが交差した一日です。
売買代金はキオクシアとアドバンテストが突出
売買代金首位はキオクシアホールディングス株式会社(285A)でした。終値は1万9300円、前日比200円高、1.05%高。始値1万9145円、安値1万8590円、高値1万9300円で、出来高4108万2900株、売買代金は7809億1089万円です。安値から切り返し、その日の高値で終えたことは、取引時間中に出た売りを買いが吸収した形として読めます。
前日の売買代金は約9997億円だったため、金額は縮小しました。それでも首位を維持し、終値が高値と一致しています。大商いの翌日は売買代金が減ること自体よりも、金額が減ったときに株価が崩れるかどうかが重要です。2日は少なくとも終値の位置だけを見れば、前日の急伸後にも買い需要が残りました。
2位の株式会社アドバンテスト(6857)は3万8630円、1020円高、2.71%高。高値3万9580円、安値3万7310円、出来高1685万6700株、売買代金6541億3423万円でした。高値からは950円押し戻されたものの、前日終値3万7610円を上回って終了しています。キオクシアと合わせた売買代金は約1兆4350億円で、株数ではなく金額で見た市場の中心がこの2銘柄だったことが分かります。
3位のソフトバンクグループ株式会社(9984)は6310円、391円安、5.83%安。出来高5983万5800株、売買代金3811億4567万円で、高値6695円に対して安値6247円でした。売買代金が大きくても株価が下落しているため、これは「資金流入が強い」と同義ではありません。大きな金額を伴う売りと買いの衝突の結果、売り優勢で終えたと読むべきです。
半導体の中でも上昇と下落が分かれた
売買代金4位の太陽誘電株式会社(6976)は1万95円、5円安、0.05%安でした。高値1万120円、安値9564円、出来高3523万9300株、売買代金3467億2366万円です。安値から大きく戻し、前日終値1万100円にほぼ並んだため、値幅の大きさに対して終値は方向感を欠きました。大量の売買をこなしながら前日比がほぼゼロという形は、売り買いの力が拮抗したことを示します。
レーザーテック株式会社(6920)は4万6130円、420円高、0.92%高。高値4万8950円、安値4万5730円、出来高680万2900株、売買代金3186億8101万円でした。一方、東京エレクトロン株式会社(8035)は1万2100円、480円安、3.82%安で、売買代金2319億3600万円。キオクシア、アドバンテスト、レーザーテックが上昇しても、主要装置株すべてが同じ方向を向いたわけではありません。
さらに、フジクラ株式会社(5803)は5598円、4.28%高、売買代金3055億3632万円、古河電気工業株式会社(5801)は4429円、7.68%高、売買代金1808億4533万円でした。業種別では非鉄金属が2.99%高、鉱業が2.03%高、石油・石炭製品が1.28%高。対して電気機器は0.35%安、情報・通信業は2.17%安でした。AI関連への関心は続いていても、完成した半導体装置だけでなく、データセンターを支える電線、配線、素材へ資金が移る動きが目立ちます。
売買代金は「買い資金の純流入額」ではありません。買い手と売り手が約定した金額の合計です。したがって、売買代金が大きい銘柄ほど強いとは限らず、終値が高値に近いか、安値に近いか、前日比がプラスかマイナスかを一緒に確認する必要があります。
出来高上位は低位株、株数だけでは中心を見誤る
全市場の普通株では、株式会社ランド(8918)が2億8911万500株、オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564)が2億2694万9300株と、株数で目立ちました。ランドは終値11円、10.00%高、売買代金30億9024万円。オンコセラピー・サイエンスは終値21円、5.00%高、売買代金46億291万円でした。
この2社の出来高を合計すると5億株を超えます。しかし売買代金は合計約77億円です。キオクシア1社の7809億円と比べると約100分の1にとどまります。株価が10円台や20円台なら、同じ資金でも非常に多くの株数を売買できます。出来高ランキングの上位を見て「市場の中心」と判断する前に、売買代金と株価水準を確認する理由がここにあります。
NTT株式会社(9432)は終値169円90銭、0.23%安、高値170円20銭、安値168円50銭、出来高1億6276万2500株、売買代金275億9959万円でした。こちらも株数は多いものの、キオクシアやアドバンテストの売買代金とは桁が違います。ただしNTTは大型株で流動性が高く、低位の小型株と同じ基準で過熱を判断するのも適切ではありません。時価総額、日常的な出来高、値幅の狭さを合わせて見る必要があります。
出来高急増は材料と値動きをセットで確認
東証プライムの出来高急増ランキングでは、株式会社メンバーズ(2130)が88万7300株で首位となり、終値691円、10.26%安でした。2位の株式会社セレス(3696)は55万2600株、終値2284円、8.25%高。3位のナガイレーベン株式会社(7447)は52万7900株、終値1704円、4.22%高でした。
同じ「出来高急増」でも、メンバーズは下落、セレスとナガイレーベンは上昇しています。出来高が増えたという事実は、参加者が増えたことを示しますが、買い優勢か売り優勢かまでは示しません。セレスは発行済み株式数の10.83%に当たる125万株、25億円を上限とする自己株式取得を発表しており、将来の市場買い付けによる需給改善が意識されました。取得期間は2026年10月2日から2027年9月30日です。
株式会社ハイデイ日高(7611)も出来高急増上位に入り、終値2971円、1.36%高、出来高52万4200株、売買代金15億5789万円でした。決算発表日を前に売買が増え、高値3055円からは押し戻されています。なお、20日平均出来高に対する倍率は、同一条件で再計算できる確定データを取得できなかったため掲載しません。順位だけを倍率の代わりに使わず、取得できた実数と材料で評価しています。
ストップ高は9銘柄、ストップ安はゼロ
ETF、ETN、REITを除く普通株では、ストップ高到達が9銘柄、ストップ安は0銘柄でした。終値で値幅上限まで買われたのは、株式会社プラップジャパン(2449)1348円、クスリのアオキホールディングス株式会社(3549)4411円、株式会社ソケッツ(3634)698円、株式会社エルテス(3967)773円、辻・本郷ITコンサルティング株式会社(476A)2560円、株式会社グラファイトデザイン(7847)777円、株式会社マツモト(7901)1118円です。
株式会社アズジェント(4288)は高値616円まで上昇したあと581円、株式会社いつも(7694)は高値646円から640円で終了し、いずれも一時ストップ高でした。アズジェントの出来高は950万9600株で、ストップ高銘柄群の中では突出しています。上限価格に触れたあと売買が続き、終値では上限を維持できなかったため、買い一辺倒ではなく利食い売りも相応に出た形です。
プラップジャパンは、世界最大の独立系PR会社とされるDaniel J. Edelman, Inc.との資本業務提携が明確な材料です。筆頭株主が保有する議決権比率21.03%相当の株式をEdelmanが取得し、顧客基盤やグローバルサービスの拡充を目指します。クスリのアオキホールディングスは第1四半期の営業利益が前年同期比16.0%増の84億2000万円となったことが評価されました。
一方、ソケッツ、エルテス、辻・本郷ITコンサルティング、グラファイトデザイン、マツモトなどについては、当日までの企業開示だけでストップ高の理由を一つに特定できない銘柄があります。短期資金の集中や需給の偏りは考えられますが、それを事業材料と混同してはいけません。本記事では、確認できない理由を値動きから推測しません。
プラップジャパンの出来高は2万3200株、エルテスは4万2700株で、引け時点に買い注文が残りました。売買成立が少ないまま値幅上限に達した銘柄は、翌営業日に注文の偏りが解消すると値動きが急変することがあります。ストップ高という結果だけでなく、出来高と買い残の有無が重要です。
重要IRは増配と決算の中身を分けて読む
大引け後の重要IRでは、株式会社ハイデイ日高(7611)が2027年2月期中間決算を発表しました。売上高は340億6300万円で前年同期比10.8%増、営業利益は40億6700万円で11.0%増、経常利益は40億9900万円で11.4%増、中間純利益は27億7400万円で11.4%増です。年間配当予想は52円から56円へ4円増額しました。
増収効果が人件費や光熱費などの増加を吸収した一方、米、豚肉、小麦粉、野菜などの価格上昇により原価率は前年同期の30.3%から31.2%へ上がりました。飲食企業を見るときは、売上が伸びているかだけでなく、客数増と値上げ、食材費、人件費のどれが利益を動かしたかを分けて確認する必要があります。通期業績予想は据え置きです。
ミタチ産業株式会社(3321)の2027年5月期第1四半期は、連結経常利益が前年同期比6.9%増の7億7800万円となりました。上期計画16億円に対する進捗率は48.6%です。ただし純利益は前年同期比で減少しており、経常増益だけで全項目が改善したと捉えるのは適切ではありません。
象印マホービン株式会社(7965)の2026年11月期第3四半期累計は、連結経常利益が前年同期比3.9%増の63億4000万円となり、通期計画71億円に対する進捗率は89.4%でした。一方、直近3カ月の経常利益は前年同期比18.1%減です。累計の進捗が高くても、足元の伸びが鈍っている場合は評価が分かれやすくなります。
これらは大引け後の開示であり、2日の終値には十分に織り込まれていません。翌営業日の寄り付きでは、見出しの増益率だけでなく、通期予想の変更有無、配当、直近3カ月の利益率、会社計画に対する進捗が注文の偏りを生む可能性があります。
資金は半導体一辺倒から電線・非鉄へ広がった
2日の特徴は、半導体の大商いが続きながら、業種全体では電気機器が下落したことです。アドバンテストやキオクシアが上昇しても、東京エレクトロン、村田製作所、KOKUSAI ELECTRICなどは下落しました。これに対してフジクラ、古河電気工業、住友電気工業株式会社(5802)は上昇し、非鉄金属が業種別首位になりました。
これはAI投資への期待が消えたというより、資金が恩恵の受け手を選び直している状態と考えられます。演算半導体、製造装置、メモリー、基板、光通信、電線は同じAI関連でも収益が増える時期と需給が異なります。前日に大きく上がった銘柄では利益確定売りが出やすく、出遅れていた周辺銘柄へ資金が移ることがあります。
ストップ高銘柄では、企業固有の開示が小型株の需給を一気に変えました。大型株の数千億円規模の売買と、小型株の数万株で成立するストップ高は、同じ「上昇」でも市場への意味が異なります。前者は機関投資家を含む大きな資金の交換、後者は注文の偏りが価格へ直結しやすい動きです。この違いを分けると、ランキングの数字を過大評価しにくくなります。
今後の見通し
ここからはMARKET EYEの分析です
対象期間:翌営業日から2026年10月9日までの1週間。
基本的な見方:半導体・AI関連への資金は続いていますが、銘柄間の差が広がる局面と見ます。根拠は、キオクシアとアドバンテストが合計約1兆4350億円をこなし上昇した一方、東京エレクトロンが下落し、電線・非鉄へ資金が広がったためです。指数の方向だけで関連銘柄を一括して判断しにくい状態です。
好転条件:キオクシアが売買代金の縮小後も1万9000円台を維持し、アドバンテストが高値3万9580円付近への再接近を試すこと。加えて東京エレクトロンなど下落した装置株にも買いが戻り、電気機器全体がプラスへ転じれば、物色の裾野が広がったと判断しやすくなります。
悪化・見直し条件:大商いが続くのにキオクシアが2日の安値1万8590円を下回る、アドバンテストが安値3万7310円を割り込む、または電線・非鉄の上昇が短期間で反転する場合です。ストップ高銘柄では、寄り付き後に出来高を伴って上限価格を維持できない場合、需給主導の上昇が一巡した可能性を考える必要があります。
次に確認すること:10月5日の寄り付きで大引け後決算銘柄の注文状況、半導体上位銘柄の売買代金と終値の位置、プラップジャパンの売買成立量、クスリのアオキホールディングスのストップ高後の出来高を確認します。10月2日21時30分発表予定の米国9月雇用統計は米金利と為替を通じて翌週の大型成長株の評価に影響するため、結果を確認してから見方を更新します。
予測部分は確認済みの価格帯と需給を基準にした条件整理であり、将来の値上がりを保証するものではありません。出来高や売買代金が大きいほど値動きが続くとも限らないため、翌営業日の売買代金が減ったあとに価格を保てるかを重視します。
まとめ
10月2日は、キオクシア7809億円、アドバンテスト6541億円という巨額売買が続きました。ただし、ソフトバンクグループは5.83%安、東京エレクトロンは3.82%安で、前日の上昇をそのまま延長する相場ではありません。資金は半導体の一部を残しながら、電線・非鉄にも移りました。
出来高では10円台、20円台の銘柄が上位に入りましたが、株数と売買代金を分けると市場の中心は別にあります。ストップ高9銘柄も、決算や資本業務提携がある銘柄と、理由を特定できない銘柄が混在しています。ランキング、材料、終値の位置、売買代金を一緒に見ることが、当日の資金の流れを読み違えないための基本です。
本記事は公開情報をもとにした市場解説であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
情報源・参考資料
- 補足情報 SBI証券 売買代金上位ランキング(2026年10月2日)
- 補足情報 SBI証券 出来高急増ランキング(2026年10月2日)
- 補足情報 トレーダーズ・ウェブ ストップ高安銘柄(2026年10月2日)
- 一次情報 プラップジャパン 世界最大の独立系PR会社Edelmanと資本業務提携を締結
- 一次情報 ハイデイ日高 2027年2月期第2四半期(中間期)決算短信
- 一次情報 日本取引所グループ マーケット情報
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