売買代金上位5社が全て上昇、ストップ高17・安0|10月27日の出来高・重要IR

対象日:2026年10月27日 | 情報確認:2026-10-27T16:42:59+09:00 JST
日経平均が1,000円を超えて上がる一方、値下がり銘柄は値上がり銘柄より多く、どちらを信じればよいか迷うこともあるよね。10月27日は、実際にどこへ大きなお金が動いたのか、出来高、ストップ高安、引け後の重要IRをつないで読み解きます。
先に要点
- 売買代金上位5銘柄はすべて上昇し、合計は約2兆692億円。東証プライム全体の売買代金約6兆9,300億円に対して約29.9%を占め、半導体・AI周辺へ資金が集中しました。
- ただし、キオクシアホールディングス株式会社(285A)、太陽誘電株式会社(6976)、ソフトバンクグループ株式会社(9984)、イビデン株式会社(4062)は始値を下回って終了。高く始まった後も買いが一方向に続いたわけではありません。
- 出来高首位は株式会社ランド(8918)の2億7,895万8,800株です。終値9円を掛けた比較用の概算は約25億円で、キオクシアの実売買代金9,414億円とは約375倍の差があります。株数だけでは資金の大きさを測れません。
- ストップ高到達は17銘柄、うち14銘柄が値幅上限で終了しました。ストップ安は0銘柄です。セキュリティ・AI関連へ短期資金が続く一方、Retty株式会社(7356)は一時ストップ高から16.56%安で引け、短期需給の不安定さも示しました。
- 重要IRでは、株式会社カプコン(9697)の中間期大幅増益、株式会社オービック(4684)と株式会社オービックビジネスコンサルタント(4733)、株式会社MARUWA(5344)の通期上方修正、株式会社マクアケ(4479)の初配当方針と条件付き自社株買いを確認しました。
売買代金上位5社はすべて上昇、合計2.07兆円
売買代金首位はキオクシアホールディングス株式会社(285A)で、9,413億7,222万3,500円でした。終値は1万2,605円、0.44%高。始値1万3,450円、高値1万3,625円、安値1万2,450円、出来高7,360万8,800株です。終値は始値を845円、高値を1,020円下回り、大商いでも寄り付き後は売りが厚かった形です。
2位の株式会社アドバンテスト(6857)は終値3万3,860円、8.98%高。始値3万3,330円、高値3万4,320円、安値3万3,020円、出来高1,312万7,700株、売買代金4,440億7,083万円でした。終値は始値を上回り、上位5社では寄り付き後の買い継続が最も明確です。10月28日に決算発表を控えます。
3位は太陽誘電株式会社(6976)で、売買代金2,531億1,492万3,400円。終値8,587円は0.17%高でしたが、始値8,799円、高値8,973円からは押し戻されました。4位のソフトバンクグループ株式会社(9984)は4,474円、4.95%高、売買代金2,305億6,447万600円。5位のイビデン株式会社(4062)は8,952円、8.54%高、売買代金2,001億4,371万6,700円でした。イビデンも始値8,998円、高値9,255円に対して終値は8,952円です。
5社合計は2兆692億6,616万4,200円。前日の約1兆7,348億円から約3,344億円増え、前日は5社中4社が下落、きょうは全社上昇しました。ただしアドバンテスト以外の多くは上昇幅を日中に縮めており、反発と引けまでの買い継続は分けて考える必要があります。
同じ半導体・AI周辺でも、値動きの質は違う
業種別では非鉄金属が2.64%高、電気機器が2.27%高、銀行業が2.26%高、ガラス・土石製品が2.08%高となりました。半導体、データセンター、電力インフラに近い銘柄へ大きなお金が戻った一方、同じ業種内でも強さには差があります。電気機器のアドバンテストは8.98%高で業種上昇率を大きく上回りました。キオクシアは0.44%高、太陽誘電は0.17%高にとどまり、電気機器全体に対して相対的には弱い動きです。ガラス・土石製品に分類されるイビデンは8.54%高で、業種平均を大きく上回りました。
レーザーテック株式会社(6920)、東京エレクトロン株式会社(8035)、株式会社フジクラ(5803)、株式会社ディスコ(6146)にも1,000億円を超える売買代金が並び、資金集中は一社だけの特殊事情ではありません。
東証プライムは704銘柄上昇に対し798銘柄下落、33業種では15業種上昇、18業種下落です。不動産業は3.09%安、医薬品は2.11%安、陸運業は2.05%安。全面高ではなく、成長株と銀行・素材へ資金が濃く集まった選別相場でした。
出来高首位2.79億株でも、資金規模は25億円の概算
出来高首位は株式会社ランド(8918)の2億7,895万8,800株で、終値は9円、前日比変わらずでした。2位はNTT株式会社(9432)の2億2,210万700株、終値174円、1.36%安。3位はオンコセラピー・サイエンス株式会社(4564)の1億7,385万5,900株、終値17円、前日比変わらずです。ソフトバンク株式会社(9434)は1億176万8,100株、終値233.3円、1.73%安。ソレイジア・ファーマ株式会社(4597)は9,678万5,600株、終値28円、3.70%高でした。
出来高は株数、売買代金は動いたお金です。ランドの出来高に終値9円を掛けると約25億1,063万円、オンコセラピー・サイエンスは約29億5,555万円。これは正式な売買代金ではなく比較用の終値ベース概算ですが、キオクシアの実売買代金はランドの約375倍です。
NTTは同じ方法で約386億4,552万円です。低位株は少額で多くの株数を売買でき、順位が上がりやすい一方、終値が変わらなければ評価が切り上がったとは言えません。株数、金額、終値の位置、材料を重ねて判断します。
出来高急増は196倍でも、絶対株数で見え方が変わる
前日出来高との比較では、サークレイス株式会社(5029)が70万6,100株と前日の3,600株に対して約196.1倍。終値は2,014円でした。公開買付け価格2,020円を意識する水準で商いが急増しており、企業価値を新たに自由に評価する局面というより、提示価格に近づく裁定的な需給の影響を分けて見る必要があります。株式会社BeeX(4270)は1万3,300株で前日の100株から133倍、株式会社和井田製作所(6158)は8万6,200株で約107.8倍、株式会社エヌ・シー・エヌ(7057)は11万1,600株で93倍でした。
BeeXは133倍でも絶対株数は1万3,300株です。前日の100株が基準のため倍率が跳ねました。株式会社HODL1(2345)は213万800株で約41.5倍、終値105円のストップ高。株式会社クラウドワークス(3900)は98万400株で約33.0倍でした。倍率と絶対株数をセットで見ます。
同じ定義の20日平均出来高を全銘柄で取得できなかったため、20日平均比は推測せず、当日と前日の確定値を使いました。翌日に出来高が減っても価格を維持できるかが継続性の確認点です。公式材料を確認できない銘柄は、値動きから理由を作りません。
ストップ高17、終値まで張り付いたのは14銘柄
10月27日にストップ高へ到達した普通株は17銘柄でした。株式会社HODL1(2345)、株式会社VLCセキュリティ(2467)、株式会社セキュアヴェイル(3042)、株式会社インタートレード(3747)、株式会社ユビキタスAI(3858)、データセクション株式会社(3905)、株式会社ショーケース(3909)、ソーシャルワイヤー株式会社(3929)、株式会社ジィ・シィ企画(4073)、株式会社ハイブリッドテクノロジーズ(4260)、株式会社アズジェント(4288)、株式会社アクリート(4395)、株式会社ブロードバンドセキュリティ(4398)、サイバートラスト株式会社(4498)、S&J株式会社(5599)、Retty株式会社(7356)、ムラキ株式会社(7477)です。
ハイブリッドテクノロジーズ、サイバートラスト、Rettyの3社は一時ストップ高、残る14社は上限で終了しました。VLCセキュリティ、セキュアヴェイル、アズジェント、ブロードバンドセキュリティ、サイバートラスト、S&Jなどセキュリティ関連が複数含まれましたが、個々の業績改善を一括して示すものではありません。
Rettyは高値201円から終値126円、16.56%安まで反落しました。ストップ高到達だけでなく、終値が上限に残ったかを見る重要性が分かります。ストップ安は0銘柄で、短期資金のリスク選好は残りました。
カプコンは中間期大幅増益、ただし通期予想は据え置き
株式会社カプコン(9697)は2027年3月期中間期の売上高1,208億8,700万円、前年同期比49.0%増、営業利益607億6,900万円、同54.5%増、経常利益612億1,200万円、同67.5%増、親会社株主に帰属する中間純利益430億8,300万円、同56.6%増を発表しました。主力のデジタルコンテンツ事業で販売本数が3,686万本と前年同期の2,385万本を上回り、新作と過去作品の継続販売が利益を押し上げました。
通期予想は売上高2,100億円、営業利益830億円、純利益580億円で据え置きです。翌日は好調な中間実績と、上方修正がなかった点のどちらを市場が重く見るかが焦点です。好決算と株価上昇は同義ではありません。
オービック、OBC、MARUWAは通期計画を引き上げ
株式会社オービック(4684)は2027年3月期の通期予想を上方修正しました。売上高は1,487億円から1,512億円へ1.7%、営業利益は980億円から1,005億円へ2.6%、経常利益は1,145億円から1,200億円へ4.8%、純利益は820億円から850億円へ3.7%引き上げています。年間配当予想も94円から100円へ増額しました。業績修正と株主還元が同時に示されたため、翌日は増額幅を市場がどこまで事前に織り込んでいたかが値動きを左右します。
株式会社オービックビジネスコンサルタント(4733)は、売上高予想を575億円から585億円へ、営業利益を265億円から276億円へ、純利益を193億5,000万円から204億円へ引き上げました。セキュリティやAIを組み込んだクラウドサービスが背景で、企業のデジタル投資需要を確認する材料です。
株式会社MARUWA(5344)は売上高予想を933億円から1,015億円へ8.8%、営業利益を337億円から383億円へ13.6%引き上げました。高速通信、車載、メモリー需要と新工場稼働を反映し、想定為替は1ドル158円です。今後は量産進捗と需要の継続性を確認します。
マクアケは初配当と自社株買い、実施条件を確認
株式会社マクアケ(4479)は、2026年9月期の期末配当として1株14円を予定し、同社として初めての配当を実施する方針を公表しました。あわせて上限51万739株、自己株式を除く発行済み株式の4.0%、取得総額上限6億円の自社株買いを決議しています。取得期間は2026年11月9日から2027年3月31日までです。配当と自社株買いは株主還元の強化であり、株式需給にも影響する可能性があります。
ただし自社株買いは、11月6日公表予定の決算で分配可能額などの条件を満たすことが前提です。上限まで必ず取得するわけでもなく、条件成立と取得実績を順に確かめます。
北興化学工業株式会社(4992)は年間配当予想を54円から64円へ、期末配当を27円から37円へ増額しました。持続性は利益、配当方針、投資計画を合わせて確認します。翌日は寄り付きだけでなく出来高と終値の位置が大切です。
出来高・ストップ高・IRを一続きで読む
資金の動きは三つです。半導体・AI周辺には数千億円単位の商いが入りましたが、日中の強さは銘柄ごとに違いました。低価格銘柄は大出来高でも資金規模が小さく、同じ尺度で主役とは判断できません。
第三はセキュリティ・AIを中心とする短期需給です。値幅上限では売買が限られる場合があり、翌日に買い注文が減れば不安定になります。14社が上限で終えた強さとRettyの急反落を両方見ます。
上方修正は利益見通し、増配は還元、自社株買いは需給を変えますが、寄り付きで織り込めば上値は続かないこともあります。前日との比較は10月26日の出来高・ストップ高安・重要IR、大商いの日との比較は10月23日の出来高・ストップ高安・重要IRで確認できます。
今後の見通し
MARKET EYEの分析
対象期間:10月28日の取引から10月29日の主要決算まで。
確認できた事実:10月27日は売買代金上位5社がすべて上昇し、その合計は約2.07兆円でした。一方、キオクシアなど複数銘柄は始値を下回って終了し、東証プライムでは値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回りました。ストップ高は17銘柄、ストップ安は0銘柄です。
基本的な見方:翌営業日は、半導体・AI関連への資金集中が「寄り付き主導の反発」から「引けまで続く買い」へ変わるかを確認する局面です。指数だけなら強く見えますが、上昇の裾野は狭く、銘柄選別が続くと考えます。アドバンテストの決算と会社見通しが半導体関連全体の評価に影響し、引け後に上方修正・増配を発表した企業には個別の資金が向かう可能性があります。
好転する条件:アドバンテストの決算後も売買代金を保ちながら終値が日中高値側に残ること、キオクシア、太陽誘電、イビデンなどへ上昇が広がること、東証プライムの値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回ることです。銀行・非鉄だけでなく内需業種にも買いが戻れば、市場の広がりを確認しやすくなります。
悪化・見直し条件:半導体関連が高く始まっても大商いのまま安値圏で終わること、ストップ高で引けた銘柄が翌日に出来高を伴って急反落すること、ストップ安銘柄が増えることです。引け後の好決算銘柄まで寄り付き後に売られる場合は、好材料を吸収する力が弱いとして見方を慎重にします。
次に確認するもの:10月28日は株式会社アドバンテスト(6857)の決算、株式会社カプコン(9697)、株式会社オービック(4684)、株式会社オービックビジネスコンサルタント(4733)、株式会社MARUWA(5344)の寄り付き後の出来高と終値位置を確認します。10月29日はイビデン株式会社(4062)の決算予定です。あわせて、米国半導体株、ドル円、東証33業種の騰落、ストップ高銘柄の初値と終値、TDnetの追加開示を追います。
まとめ
10月27日は売買代金上位5社がすべて上昇し、約2.07兆円が半導体・AI周辺へ集まりました。ただし複数銘柄が始値を下回り、プライムは値下がり銘柄数が上回りました。
株数と資金規模は別です。ストップ高17銘柄のうち14銘柄が上限で終えた一方、急反落例もありました。翌日はIRの見出しだけでなく、売買代金の継続と終値の位置を見てみよう。材料が次の評価につながったかが表れます。
情報源・参考資料
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス 売買代金ランキング(2026年10月27日)
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス 出来高ランキング(2026年10月27日)
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス 出来高増加率ランキング(2026年10月27日)
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス ストップ高ランキング(2026年10月27日)
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス ストップ安ランキング(2026年10月27日)
- 補足情報 トレーダーズ・ウェブ 東京市場大引け(2026年10月27日)
- 補足情報 株探 ストップ高安銘柄一覧(2026年10月27日)
- 一次情報 サークレイス株式会社 公開買付け開始のお知らせ
- 一次情報 株式会社カプコン 2027年3月期第2四半期決算短信
- 一次情報 株式会社オービック 業績予想・配当予想の修正
- 一次情報 株式会社オービックビジネスコンサルタント 業績予想の修正
- 一次情報 株式会社MARUWA 業績予想の修正
- 一次情報 株式会社マクアケ 初配当・自己株式取得
- 一次情報 北興化学工業株式会社 配当予想の修正
- 一次情報 TDnet 2026年10月27日適時開示一覧
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