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Bitcoinが8万ドル突破、3カ月超ぶり高値|米国債買い戻しと「通貨価値希薄化」取引、日本株への影響

MARKET EYE 編集部 2026.08.25 16:20 世界情勢の記事一覧を見る →
Bitcoinが8万ドル突破、3カ月超ぶり高値|米国債買い戻しと「通貨価値希薄化」取引、日本株への影響

対象市場日:2026年8月25日/最終確認:2026年8月25日 15時54分(日本時間)

結論:Bitcoinが8月25日のアジア時間に8万ドルを突破し、5月中旬以来となる3カ月超ぶりの高値を付けました。Reutersによると、一時81,237.94ドルまで上昇し、その後も80,323.24ドル前後で推移。8月の上昇率は約28%に達し、2024年11月以来の大きな月間上昇ペースになっています。単なる暗号資産固有の材料ではなく、米財務省が長期国債の流動性支援型買い戻しを少なくとも倍増すると発表した後、米ドルや長期金利への見方が変化し、「法定通貨の価値希薄化に備えて金やBitcoinを持つ」というdebasement tradeが再び意識されたことが今回のポイントです。

この動きは日本株とも無関係ではありません。Bitcoinを大量保有し、Bitcoin Treasury事業を前面に出すMetaplanet、暗号資産交換業を強化するSBIホールディングス、さらに米国市場ではStrategyやRobinhoodなど、暗号資産価格や取引量の影響を受けやすい企業への投資家心理に直結します。一方で、Bitcoinが短期間で大きく上昇しているため、上昇が続く場合だけでなく、8万ドル割れから急反落する場合の逆回転も同時に考える必要があります。

【事実】Bitcoinは8万ドルを突破、3カ月超ぶり高値

Reutersが8月25日5時19分UTC、日本時間14時19分に配信した記事によると、Bitcoinは8万ドルを超え、一時81,237.94ドルまで上昇しました。これは5月中旬以来の高値です。記事時点の価格は80,323.24ドルで、8月だけで約28%上昇。8月の月間上昇率は2024年11月以来の大きさになるペースとされています。

同記事では、トランプ大統領が前週に議会へ暗号資産の法的定義を明確化する法案の成立を促して以降、Bitcoinが約16%上昇したことも指摘されています。ただし、政治的な発言だけが上昇理由ではありません。Reutersが今回の中心材料として挙げているのは、米財務省の長期国債買い戻し拡大を受けて米ドルへの懸念が強まり、Bitcoinと金に資金が向かったことです。

このため、今回の8万ドル突破は「暗号資産市場だけの祭り」と見るより、米国の財政・国債市場・ドルの信認という大きなテーマの一部として理解する方が重要です。Bitcoin価格が上昇し、同時に金も3カ月ぶり高値圏へ上昇している点は、投資家が株式とは違う価値保存手段へ資金を分散している可能性を示します。

【事実】米財務省は長期国債買い戻しを少なくとも倍増

一次情報である米財務省の8月19日発表では、10年〜20年、20年〜30年の長期国債について、流動性支援型の買い戻し1回当たり上限を従来の20億ドルから少なくとも40億ドルへ引き上げるとしています。変更は9月9日から有効で、11月4日の次回四半期資金調達計画まで継続される予定です。

財務省の説明では、目的は「長期国債市場の流動性支援」です。古い国債は新しく発行された国債より売買が少なくなり、買値と売値の差が広がることがあります。財務省が買い手となって市場から古い債券を買い戻すことで、投資家が売買しやすい環境を作る狙いです。

重要なのは、この政策をFRBの量的緩和、いわゆるQEと同じものとして理解しないことです。財務省は中央銀行ではなく、通貨を新たに発行して国債を買う主体ではありません。政府の現金や資金調達を使って買い戻しを行います。したがって「国債買い戻し=無条件に金融緩和=Bitcoin上昇」という一方向の因果関係ではなく、市場参加者が政策をどう解釈したかが価格に反映されています。

【MARKET EYE分析】なぜ国債買い戻しがBitcoinに効いたのか

Bitcoin上昇の背景にあるキーワードが「debasement trade」です。日本語では「通貨価値の希薄化を警戒する取引」と考えると分かりやすいです。政府債務が大きく、長期金利が上がると経済や株式市場に負担がかかる状況で、政府が国債市場を安定させる政策を強めると、一部の投資家は「金利上昇を抑える代わりに通貨価値へ負担が移るのではないか」と考えます。

このとき候補になりやすいのが、供給量が限られる資産です。金は長い歴史を持つ価値保存資産であり、Bitcoinも発行上限が2,100万枚と決まっているため「デジタル版の希少資産」として扱われることがあります。Reutersが紹介した市場関係者のコメントでも、財務省の買い戻し拡大が金とBitcoinに相対的に支援的な環境を作ったとの見方が示されています。

ただし、これは市場参加者の解釈であって、米財務省がBitcoin価格を上げる目的で政策を実施しているわけではありません。財務省の公式目的は長期国債市場の流動性改善です。MARKET EYEでは「政策の公式目的」と「市場が政策をどう受け止めて価格を動かしたか」を分けて考えます。

【事実】金も高値圏、Bitcoinだけが上がっているわけではない

Reutersのグローバル市場記事では、25日のアジア時間にBitcoinが8万ドルを上回る一方、金も3カ月ぶりの高値圏へ上昇したことが確認されています。米国株はNVIDIA決算を控えて方向感が限定され、原油も対イラン制裁後に大きく上がらず、資産ごとの値動きが分かれています。

ここは初心者が相場を見るうえで重要です。Bitcoinだけが急騰している場合は暗号資産固有の材料を疑います。しかし金も同時に強く、米長期債買い戻しとドルへの懸念が話題になっている場合、背景に共通のマクロ要因がある可能性が高まります。

反対に、米ドルが再び大きく上昇し、長期金利も上昇、金が下落するのにBitcoinだけが上がるようなら、暗号資産固有の規制・ETF・需給要因へ主役が移ったと考える必要があります。今後はBitcoin単独ではなく、金、ドル指数、米10年・30年債利回りをセットで追うことが重要です。

【MARKET EYE分析】日本株ではMetaplanetなどBitcoin関連に注目

日本株で直接的に意識されやすいのがMetaplanetです。同社の公式開示ではBitcoin Treasury戦略を事業の重要な柱としており、8月18日には米Nasdaq上場企業Super Leagueを通じた米国Bitcoin Treasuryプラットフォームへの2,100 Bitcoin規模の戦略投資を公表しています。また8月13日の決算資料ではBitcoin評価損益を含む財務情報も開示しています。

つまりBitcoin価格が上がれば、投資家は同社が保有・活用するBitcoinの価値や資金調達力を再評価しやすくなります。ただし株価はBitcoin価格だけで決まりません。新株予約権、資金調達、希薄化、保有Bitcoin一枚当たりの企業価値、借入条件など複数の要素があります。Bitcoinが5%上がったから株価も5%上がるという単純な関係ではありません。

SBIホールディングスも暗号資産関連として注目されやすい企業です。SBIは6月25日、ビットバンクの完全子会社化を目指す取引を発表し、取得価額等の合計を467億円としています。SBI VCトレードとビットバンクを組み合わせた国内暗号資産事業の規模拡大を進めているため、Bitcoin価格上昇や取引量増加は市場の関心材料になり得ます。

ただし、取引所ビジネスはBitcoin価格そのものより「売買量」が重要になる場合があります。価格が上がっても取引量が少なければ手数料収益への波及は限定的です。逆に価格が大きく上下して売買が活発になれば、取引関連収益が増える可能性があります。

【MARKET EYE分析】米国株ではStrategyとRobinhoodに波及しやすい

米国では、Bitcoinを大量保有するStrategyと、暗号資産取引を提供するRobinhoodが代表的な関連銘柄です。MARKET EYEでは既存のStrategy株価分析とRobinhood Markets株価分析で個別企業のリスクを整理しています。

Strategyの場合、Bitcoin価格が上昇すると保有資産価値への期待が高まりやすい一方、株価がBitcoinより大きく動く「高ベータ」銘柄として扱われる傾向があります。Bitcoin上昇局面では資金が集まりやすい反面、反落局面では下落率も大きくなる可能性があります。

Robinhoodは性質が違います。Bitcoinそのものの保有価値より、暗号資産取引の活発化や顧客資産の増加が重要です。8万ドル突破によって個人投資家の売買参加が増えればプラス材料になり得ますが、暗号資産取引収益への依存度、株式やオプション取引とのバランス、規制コストも確認する必要があります。

今回の上昇のマクロ背景は米財務省の国債買い戻しと長期金利への影響ともつながっています。Bitcoinだけを見るより、米国債とドルの動きを併せて読む方が今回の値動きを理解しやすくなります。

【事実】8万ドル突破後に見るべき価格は「高値」と「節目」

Reutersが確認した25日の高値は81,237.94ドルです。まずこの高値を更新できるかが短期の勢いを見る最初の観測点です。次に8万ドルという大きな心理的節目を終値ベースで維持できるかを見ます。相場では整数の節目を超えると新しい買いが入りやすい一方、短期筋が利益確定を行う場所にもなりやすいためです。

Reuters記事では市場関係者が、8万ドルを明確に上回る状態が続けば95,000〜100,000ドル方向が視野に入るとの見方を示しています。しかしこれはReutersが紹介した外部アナリストのシナリオであり、MARKET EYEの価格予想ではありません。8万ドルを割り込み、直前の上昇が急速に巻き戻る可能性もあります。

短期上昇率が大きいほど、レバレッジ取引の影響にも注意が必要です。先物や無期限契約で買いポジションが増えすぎると、小さな下落が強制清算を呼び、それがさらに価格を押し下げる連鎖につながることがあります。上昇トレンドの強さだけでなく、急落時の値幅も大きくなり得る市場です。

【MARKET EYE分析】強気シナリオ

強気シナリオは、Bitcoinが8万ドル台を維持し、81,237ドル付近の高値を明確に更新する展開です。そのうえで米ドルが急反発せず、米長期金利が再び大きく上昇せず、金も高値圏を維持するなら、「希少資産へ資金を逃がす」というマクロテーマが継続していると判断しやすくなります。

さらに暗号資産の規制明確化を巡る政策が前進し、米国の現物Bitcoin ETFへの資金流入や取引量が増える場合、上昇の持続性は高まりやすくなります。日本株ではBitcoin Treasury企業、暗号資産交換業、金融プラットフォームなどへの関心が続く可能性があります。

ただし、関連株はBitcoin現物より値動きが大きくなりやすいため、Bitcoinが上昇していても増資・新株予約権・決算など個別材料で下落することがあります。「Bitcoinが上がっているから関連株も必ず上がる」とは考えない方が安全です。

【MARKET EYE分析】弱気シナリオ

弱気シナリオは、8万ドル突破が短期的なショートカバー中心で、8万ドルを維持できずに反落するケースです。特に米ドルが上昇へ転じ、米長期金利も上昇し、金が下落するようなら、今回のdebasement tradeが一服した可能性があります。

もう一つの注意点は米財務省の買い戻し政策に対する市場評価が変わることです。財務省の公式目的は国債市場の流動性支援であり、通常の国債入札も続きます。新発債の需要が弱く長期金利が再上昇すれば、「政策が金利を抑える」という期待が後退し、ドル・金・Bitcoinの関係も変わる可能性があります。

暗号資産規制も両方向に働きます。法整備が明確になれば機関投資家には安心材料ですが、取引所・ステーブルコイン・課税・マネーロンダリング対策が厳格化すれば、短期的にコスト増や売り材料になる場合があります。

【事実】次に確認するイベント

第一に、Bitcoinが8万ドルを維持できるか、81,237.94ドルの高値を更新するかを確認します。第二に、米長期国債利回りとドル指数です。今回の上昇は財務省の国債買い戻しとドルへの懸念が背景にあるため、この二つが逆方向へ動けばBitcoinの追い風が弱まる可能性があります。

第三に、金の値動きです。金とBitcoinが同時に上昇する状態が続けば、希少資産への分散という共通テーマが確認しやすくなります。第四に、米国の暗号資産関連株です。Strategy、Robinhood、Coinbaseなどの出来高が増えるかを見ることで、Bitcoin現物だけでなく株式市場にも資金が広がっているかを確認できます。

第五に、日本株の関連銘柄です。Metaplanetや暗号資産事業を持つ金融企業がBitcoin上昇をどの程度織り込むか、そして上昇しても出来高が伴っているかを見ます。Bitcoin価格だけでなく、株価・出来高・企業開示の三つを揃えて確認することが重要です。

【MARKET EYE分析】今回の8万ドル突破をどう読むか

今回のBitcoin上昇は、単なる暗号資産ブームの再燃というより、米国の財政・国債・ドルを巡る不安が「代替的な価値保存資産」へ資金を動かした側面があります。米財務省が長期国債買い戻しを倍増するという一次情報があり、その後にドル軟化とBitcoin・金の上昇が確認されたため、背景に共通したマクロテーマがあると考えるのが自然です。

一方で、Bitcoinは8月だけで約28%上昇しています。短期的には期待が急速に織り込まれており、上昇率が大きいほど利益確定やレバレッジ解消による反落も大きくなる可能性があります。初心者は「8万ドルを超えた=次は必ず10万ドル」と結論づけず、8万ドルを維持できるか、ドル・長期金利・金が同じテーマを示し続けるかを確認することが重要です。

日本株ではBitcoin関連株を一括りにせず、Bitcoinを保有する会社、交換業で取引手数料を得る会社、ブロックチェーン関連サービスを提供する会社に分けて見る必要があります。同じBitcoin高でも、企業利益への伝わり方は全く違います。MARKET EYEでは今後も価格そのものだけでなく、企業の一次情報と市場データを分けて追います。

ご注意

本記事は公開情報を整理した市場解説であり、Bitcoin、暗号資産、関連株式の購入や売却を推奨するものではありません。暗号資産は24時間取引され、株式市場の取引時間外にも価格が大きく変動します。レバレッジ取引では損失が急拡大する場合があります。企業のBitcoin保有量、資金調達、暗号資産事業については各社の最新IRを優先し、価格データは取引時点で再確認してください。

情報源・参考資料

  1. 一次情報 米財務省:長期国債の流動性支援買い戻し拡大
  2. 一次情報 Metaplanet:公式開示一覧
  3. 一次情報 SBIホールディングス:ビットバンク完全子会社化に関する発表
  4. 補足情報 Reuters:Bitcoinが8万ドル突破、3カ月超ぶり高値
  5. 補足情報 Reuters:8月25日の世界市場・金・ドル・Bitcoin

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