MARKET EYE朝刊|NVIDIA好決算と米PCE高止まり、本日のトレンドセクター3選【2026年8月27日】

対象日:2026年8月27日 | 情報確認:2026-08-27 07:56 JST
対象市場日:2026年8月27日(木)/最終確認:2026年8月27日07時56分(日本時間)
今朝の結論は、「米インフレの粘着性で金利は高止まりしたが、NVIDIAの決算はAI投資の失速を示さなかった。日本株では指数全体より、前日に資金が広がった金融・サービスと、決算を受ける半導体の寄り後の強弱を分けて見る」というものです。米国株の主要3指数は小幅安でしたが、下落率は0.2%未満にとどまりました。一方、米10年債利回りは4.647%、ドル円は159.35円付近へドル高・円安となり、金・銀・銅は反落、原油も小幅安でした。日本時間の取引開始前に出たNVIDIA決算は売上高962億ドル、データセンター売上高890億ドルと高い伸びを維持しました。
重要なのは、すべての資産が同じ方向を向いていないことです。米国の物価は高く、金利は株価の重石です。しかし企業業績、とりわけAIインフラ需要はなお強く、景気も急失速していません。原油はホルムズ海峡を巡る協議で供給不安がやや緩みましたが、海峡再開は確定していません。したがって本日は、寄り付きの反応だけで強弱を決めず、前場中盤までの売買代金と値上がり銘柄の広がりを確認する必要があります。
編集部更新(8月27日16時36分):注目セクター欄の専門用語と内部管理表記を削除し、順位基準、企業紹介、当日の確認点がスマートフォンでも読みやすい構成に改めました。市場データと記事の主要な結論は変更していません。
- 【事実】前営業日の日本株は日経平均・TOPIXとも続伸、ただし薄商い
- 【事実】米国株は小幅安、PCEの粘着性とNVIDIA待ちが上値を抑えた
- 【事実】米PCEは前年比3.7%、コア3.3%でFRBの2%目標から遠い
- 【事実】NVIDIA決算はAI需要の強さを確認、日本株は寄り天リスクも
- 【事実】ドル円159.35円、米10年4.647%――円安は一律の追い風ではない
- 【事実】金・銀・銅は反落、原油はホルムズ協議で小幅安
- 【事実】Bitcoinは7.8万ドル台、Ethereumは2,470ドル前後で高値圏の持ち合い
- 【事実】地政学は「緩和期待」と「再悪化リスク」が同居
- 本日の注目セクター3選|前日の強さと今日の確認点
- 【第1位】証券・商品先物|売買活況が続くか
- 【第2位】サービス|一部大型株だけの上昇かを確認
- 【第3位】保険|金利上昇と個別材料の両方が追い風
- 3セクターの読み方|順位より「買いの広がり」を見る
- 本日の重要予定と価格ライン
- MARKET EYE分析|強気・中立・弱気の3シナリオ
- 投資判断上の注意事項
- 情報源・参考資料
【事実】前営業日の日本株は日経平均・TOPIXとも続伸、ただし薄商い
8月26日(水)の日経平均株価は前日比405円73銭高、0.62%上昇の66,262円16銭で終了しました。TOPIXは17.35ポイント高、0.42%上昇の4,111.02でした。東証プライムの売買高は18億5,350万株、売買代金は約6兆7,057億円。値上がり978銘柄、値下がり518銘柄、変わらず60銘柄で、値上がりは全体の6割強に広がりました。指数だけでなく騰落銘柄数にも買いの広がりが見えたことは前向きです。
ただし、売買代金が最近の高水準から低下していた点は無視できません。薄い商いの中では、大口の注文が指数や業種別指数を動かしやすくなります。日経平均が上がったから市場全体に強い確信が生まれた、とまでは言えません。実際、東証33業種は18業種上昇、15業種下落で、全面高ではありませんでした。上位は証券・商品先物取引業が2.05%高、サービス業が1.85%高、保険業が1.68%高。反対に海運業は2.37%安、石油・石炭製品は1.84%安となり、原油下落と利益確定の影響が表れました。
初心者向けに整理すると、日経平均は値がさ株の影響が大きく、TOPIXは時価総額の大きい企業を幅広く反映します。さらに騰落銘柄数を見ることで「一部の大型株だけが上がったのか、多くの株に買いが広がったのか」を判断できます。8月26日は三つとも上向きでしたが、売買代金が縮小したため、強さの信頼度は満点ではありません。前日の詳しい前提は 8月26日のMARKET EYE朝刊 で確認できます。
【事実】米国株は小幅安、PCEの粘着性とNVIDIA待ちが上値を抑えた
8月26日(水)の米国市場では、ダウ工業株30種平均が113.52ドル安、0.21%下落の53,463.88ドル、S&P500が1.58ポイント安、0.02%下落の7,675.70、ナスダック総合が21.10ポイント安、0.08%下落の26,130.20で終えました。主要指数はそろって下落しましたが、値幅は小さく、投資家が一斉にリスク資産から逃げた相場ではありません。物価指標を受けて金利が上昇する一方、取引終了後のNVIDIA決算を控えて大きなポジションを作りにくかったことが背景です。
個別株では、決算と見通しを引き上げたアパレルのAbercrombie & Fitchが大幅高、食品のJ.M. Smuckerも上昇しました。一方、NVIDIAは決算前に1.6%安、IntuitやZoomなどは見通しへの警戒で下落しました。つまり、指数が小動きでも個別企業では業績とガイダンスによる選別が激しかった一日です。8月26日の米国株で実際にどこへ売買が集中したかは 8月26日の米国株出来高ランキングTOP20 と合わせると理解しやすくなります。
日本株への第一の含意は、米指数が小幅安だったことより、長期金利が高止まりした状態でAI投資の強さが維持されたかです。米国の金利上昇は将来利益の現在価値を押し下げるため、高PERのグロース株には逆風です。一方、売上高と利益が市場想定を上回るなら、その逆風を業績で吸収できます。本日は東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、キオクシアなどで「決算を好感した買い」と「期待先行の利益確定」のどちらが勝つかを見ます。
【事実】米PCEは前年比3.7%、コア3.3%でFRBの2%目標から遠い
米商務省経済分析局(BEA)が8月26日8時30分(米東部夏時間、日本時間21時30分)に公表した7月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前月比0.2%上昇、前年同月比3.7%上昇でした。食品とエネルギーを除くコアPCEは前月比0.2%、前年同月比3.3%。総合の前年比は6月と同じでしたが、市場では3.6%への鈍化が見込まれていたため、インフレの粘着性が意識されました。
PCEは、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価判断で重視する指標です。「3.7%なら物価が3.7%下がった」という意味ではなく、家計が買う財・サービスの価格が前年より平均3.7%高いことを示します。FRBの目標2%を大きく上回るため、早期利下げを期待しにくく、むしろ年内の追加利上げ観測が残ります。ただし、7月の個人所得は前月比0.4%、可処分所得は0.5%増え、実質所得も改善しました。物価だけでなく所得も伸びているため、直ちに景気後退を示す内容ではありません。
同時に確認された4〜6月期の実質GDP改定値は年率1.5%増で速報値から変わりませんでした。1〜3月期の2.1%からは減速した一方、個人消費は3.4%増、民間国内最終需要は4.2%増へ上方修正されました。輸入増がGDPを押し下げましたが、その一部はAI関連の半導体や設備です。表面上の1.5%だけで「米景気が弱い」と決めるより、消費とAI設備投資は強いが、物価も高いという組み合わせを読む必要があります。
【事実】NVIDIA決算はAI需要の強さを確認、日本株は寄り天リスクも
NVIDIAは米国市場終了後、日本時間8月27日早朝に2027会計年度第2四半期決算を発表しました。売上高は962億ドルで前年同期比106%増、前四半期比18%増。データセンター売上高は890億ドルで前年同期比117%増となりました。次四半期の売上高見通しは1,080億ドルで、市場予想を上回る水準でした。純利益は596.9億ドル、調整後1株利益も市場予想を上回りました。
これは「AI需要が弱まっていない」ことを示す強い事実です。クラウド大手やAI研究企業がGPU、ネットワーク、データセンターへ巨額投資を続けているため、NVIDIAだけでなく、HBMメモリー、製造装置、光通信、電力設備、データセンター建設へ需要が波及します。日本ではアドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコ、キオクシア、フジクラ、古河電工などが反応しやすい候補です。ただし、候補であって推奨銘柄ではありません。
注意点は期待値の高さです。NVIDIA株は決算前までにAI成長を相当織り込んでおり、好決算でも時間外の反応が限定されることがあります。売上高が増えても、粗利益率の低下、メモリー調達費用、AI投資の資金調達、対中輸出規制が懸念されれば利益確定が出ます。日本株も寄り付きで半導体が大きく買われた後、9時30分から10時に売買代金を伴って高値を維持できるかが重要です。高く始まることと、高く終わることは別です。
【事実】ドル円159.35円、米10年4.647%――円安は一律の追い風ではない
米10年国債利回りは前日の4.639%から4.647%へ小幅上昇し、2年債利回りは4.211%、30年債利回りは5.168%付近でした。ドル指数は0.24%高の99.15、ドル円は0.12%ドル高・円安の159.35円付近です。PCEが予想より強く、FRBが金利を高く保つとの見方がドルを支えました。一方、9月会合での25ベーシスポイント利上げ確率は前日の約40%から36%へ低下し、据え置き確率は約64%へ上がりました。市場は「すぐ利上げ」より「高金利が長引く」シナリオを重視しています。
ドル円159円台は輸出企業の円換算利益を押し上げやすく、自動車、機械、電子部品の一部には追い風です。しかし輸入エネルギー、原材料、海外ソフトウェアの円建てコストも上げます。小売、外食、空運、電力・ガスでは、値上げで転嫁できるかが利益を分けます。また急な円安は日銀の利上げ観測や政府のけん制発言を強めるため、円安が進むほど日本株全体に好材料とは限りません。
本日の観測点は159.00円と160.00円です。159円を維持しながら米金利が落ち着けば輸出株に支援材料ですが、160円へ急接近して国内長期金利も上昇する場合、グロース株のPER調整が起きやすくなります。反対に158円台へ円高が進むなら、朝方に買われた輸出株の利益確定に注意します。
【事実】金・銀・銅は反落、原油はホルムズ協議で小幅安
8月26日のスポット金は1.32%安の1トロイオンス4,595.33ドル、米金先物は4,607.80ドル付近でした。銀先物は0.94%安の67.99ドル、銅は1.71%安の1ポンド6.5945ドル付近でした。金と銀は利息を生まないため、米金利とドルが上昇すると相対的な魅力が下がりやすくなります。銅は世界景気と電力・AIインフラ需要を映す一方、短期的にはドル高と高値警戒で利益確定が出ました。
WTI原油は13セント、0.16%安の1バレル82.23ドル、Brent原油は74セント、0.84%安の87.84ドルでした。イランとオマーンがホルムズ海峡の運用について協議を続け、供給制約が緩む期待が原油を押し下げました。ただしイラン革命防衛隊側は、米国が条件を満たさなければ海峡を開かないとの趣旨を示しており、完全な正常化は確認されていません。原油の下落は海運・資源株には逆風でも、空運、陸運、化学、電力など燃料購入側にはコスト低下期待になります。
商品価格の読み方で大切なのは、価格そのものだけでなく原因です。需要悪化で原油が下がるなら景気敏感株に悪材料ですが、供給不安の後退で下がるなら輸入国の日本には好材料です。今回は後者の要素が強いものの、米景気の減速懸念も完全には消えていません。Brentが85ドルを維持するか、90ドルを回復するかで、資源株と運輸株の力関係が変わります。
【事実】Bitcoinは7.8万ドル台、Ethereumは2,470ドル前後で高値圏の持ち合い
Bitcoinは米国株終了前後に7万8,300〜7万8,500ドル付近、Ethereumは2,470ドル前後で推移しました。Bitcoinは8月25日に8万ドルを超えた後、PCEと米金利上昇を受けて利益確定が出ています。それでも8月月間では大きく上昇しており、米財務省の国債買い戻しや長期金利抑制への期待から、「ドル価値の希薄化」に備える代替資産として金と同時に買われた流れが残ります。
暗号資産は24時間取引のため、株式のような一つの終値だけで判断すると時刻の違いが生じます。本稿の価格は日本時間8月27日早朝に確認した概数です。Bitcoinが8万ドルを明確に回復できるか、7万7,000ドル台を割り込むかが短期の分岐です。Ethereumは週間でBitcoinを上回る上昇となっていましたが、出来高の低下も報告されており、2,500ドル突破だけで上昇継続を決めつけない方が安全です。
日本株では暗号資産交換業、ネット証券、金融システム関連が反応することがあります。ただし暗号資産価格と業績の連動度は企業ごとに大きく違います。保有暗号資産の評価益が中心なのか、取引手数料が中心なのか、ブロックチェーン事業が中心なのかを分けて確認する必要があります。
【事実】地政学は「緩和期待」と「再悪化リスク」が同居
中東ではイランとオマーンがホルムズ海峡を巡る協議を継続しています。ホルムズ海峡は中東産原油・LNGの主要輸送路であり、通航が安定すれば原油の供給プレミアムが下がります。日本はエネルギー輸入依存度が高いため、海峡の安定は貿易収支、企業コスト、消費者物価の三つに好影響です。一方、合意の詳細と実施時期は確定しておらず、現場の通航量や保険料が正常化したかを確認する必要があります。
米国の対イラン制裁、革命防衛隊の発言、オマーンの仲介は、同じニュースでも市場への方向が反対になる場合があります。制裁強化は供給制約と原油高、仲介進展は供給回復と原油安につながりやすいからです。速報の見出しだけで資源株や空運株を追うのではなく、Brent、海運保険料、タンカー運航、実際の輸出量が同じ方向へ動くかを見ます。
ロシア・ウクライナ情勢、米中の半導体規制もAI関連の供給網に影響します。NVIDIAの決算は需要を確認しましたが、中国向け売上が極めて小さい点は成長機会と規制リスクの双方を示します。日本の半導体装置株は米国AI投資の恩恵を受ける一方、輸出規制の強化や顧客集中の影響も受けます。
本日の注目セクター3選|前日の強さと今日の確認点
結論先読み|前日に買いが集まった3業種
1位 証券・商品先物
前日騰落率 +2.05% | TOPIX超過 +1.63ポイント | 今日の見方:やや強気
2位 サービス
前日騰落率 +1.85% | TOPIX超過 +1.43ポイント | 今日の見方:中立〜やや強気
3位 保険
前日騰落率 +1.68% | TOPIX超過 +1.26ポイント | 今日の見方:やや強気
順位は8月26日の東証33業種別騰落率に基づきます。「今日の見方」は、前日の強さが27日も続くかを材料・金利・値上がりの広がりから判断したものです。順位と見通しを分けて表示しています。
8月26日はTOPIXが0.42%上昇したのに対し、証券・商品先物、サービス、保険の3業種はそれぞれ1.68ポイント以上上昇しました。これは市場平均より強かったことを意味します。ただし、前日に上がった業種が翌日も必ず上がるわけではありません。27日は、代表企業の一部だけでなく、同じ業種の複数銘柄へ買いが広がるかを確認します。
ここで紹介する企業は、各セクターの動きを理解するための代表例です。特定銘柄の購入を勧めるものではありません。
【第1位】証券・商品先物|売買活況が続くか
前日騰落率:+2.05%/TOPIX超過:+1.63ポイント/今日の見方:やや強気
証券・商品先物は東証33業種で前日首位でした。株式市場の売買が活発になると、証券会社では株式・投資信託の手数料、引受業務、トレーディング収益などへの期待が高まりやすくなります。一方、指数が上昇しても売買代金が減る場合は、証券株の上昇が長続きしない可能性があります。
注目企業5社
野村ホールディングス(8604)
国内最大級の独立系証券。個人営業、法人・投資銀行、資産運用を幅広く展開し、市場全体の売買活況を映しやすい代表銘柄です。
大和証券グループ本社(8601)
個人向け営業から法人・投資銀行業務まで手掛ける総合証券。野村と同時に上昇するかを見ることで、買いが業界全体へ広がっているか確認できます。
SBIホールディングス(8473)
ネット証券を中心に銀行、保険、投資事業を展開。個人投資家の売買活発化や金融サービス全体の成長が注目点です。
日本取引所グループ(8697)
東京証券取引所と大阪取引所などを運営。取引量や上場関連業務の増加が業績に結び付きやすく、市場インフラ側から売買活況を確認できる企業です。
松井証券(8628)
個人向けオンライン取引に強い証券会社。個人投資家の回転売買が増える局面で注目されやすい銘柄です。
今日の確認点:野村だけでなく、大和証券、SBI、日本取引所グループなど複数社に買いが続くか。TOPIXが上がっても東証プライムの売買代金が細る場合は、見方を中立へ戻します。
【第2位】サービス|一部大型株だけの上昇かを確認
前日騰落率:+1.85%/TOPIX超過:+1.43ポイント/今日の見方:中立〜やや強気
サービス業は人材、レジャー、警備、医療DX、M&A仲介など性質の異なる企業を含む幅広い業種です。指数が上昇しても、リクルートホールディングスやオリエンタルランドなど一部の大型株だけが押し上げている場合があります。このため3業種の中では、上昇の持続性を最も慎重に確認する必要があります。
注目企業5社
リクルートホールディングス(6098)
Indeedなどの求人・人材テクノロジーを世界で展開。海外景気や雇用市場、成長株への投資家心理の影響を受けやすい大型株です。
オリエンタルランド(4661)
東京ディズニーリゾートを運営。訪日客、国内レジャー需要、客単価の動向が注目される内需・観光関連の代表企業です。
セコム(9735)
警備、防災、医療サービスを展開。景気変動の影響が比較的小さく、サービス業の中でも安定需要を確認しやすい企業です。
エムスリー(2413)
医師向けデジタルプラットフォームを運営。成長期待が高い一方、長期金利上昇時には高PER株として売られやすい点に注意が必要です。
日本M&Aセンターホールディングス(2127)
中堅・中小企業の事業承継やM&Aを支援。後継者不足という国内の構造的需要を取り込む企業です。
今日の確認点:リクルートやオリエンタルランドだけでなく、警備、医療DX、M&Aにも値上がりが広がるか。米金利上昇で高PER株がまとめて売られる場合は、サービス業全体の勢いが弱まります。
【第3位】保険|金利上昇と個別材料の両方が追い風
前日騰落率:+1.68%/TOPIX超過:+1.26ポイント/今日の見方:やや強気
保険会社は契約者から預かった保険料を債券などで運用するため、長期金利の高止まりが運用利回りの改善期待につながります。8月26日は東京海上ホールディングスの株式分割や株主還元に関する個別材料も注目されました。業種全体が強いのか、東京海上だけの上昇なのかを分けて見ることが重要です。
注目企業5社
東京海上ホールディングス(8766)
国内損害保険最大手。海外保険事業と株主還元への注目度が高く、保険業指数を動かしやすい代表銘柄です。
第一ライフグループ(8750)
国内外で生命保険を展開。長期金利の変化が資産運用環境や商品収益性へどう影響するかが注目点です。
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)
三井住友海上などを傘下に持つ損害保険大手。国内損保の収益改善と政策保有株式の削減・還元策が焦点です。
SOMPOホールディングス(8630)
国内損保に加えて海外保険や介護事業も展開。保険料率の改善と自然災害による保険金支払いの双方を見る必要があります。
T&Dホールディングス(8795)
太陽生命、大同生命などを傘下に持つ生命保険グループ。家庭市場と中小企業向け保険に強みがあります。
今日の確認点:東京海上の個別材料だけでなく、第一ライフ、MS&AD、SOMPO、T&Dにも買いが続くか。長期金利の急低下や大規模自然災害の発生は、保険株の見方を変える要因になります。
3セクターの読み方|順位より「買いの広がり」を見る
3業種は前日の騰落率で並べています。したがって、この順位は27日の上昇率を予言するものではありません。寄り付き直後に1社だけ大きく上がっていても、同業他社が下落していればセクター全体が強いとは判断できません。
確認したいのは、①業種別指数がTOPIXを上回るか、②代表5社の過半が上昇しているか、③東証プライムの売買代金が増えているか、の3点です。三つがそろえば前日の強さが継続している可能性が高まり、そろわなければ一時的な買いだった可能性が高まります。
本日の重要予定と価格ライン
東京市場では9時の寄り付き後、NVIDIA決算を受けた半導体関連の初動を確認します。日経平均は前日終値66,262円、TOPIXは4,111.02が最初の基準です。前日高値を試しても売買代金が増えなければ追いかけ買いは慎重にし、値上がり銘柄数が前日の978を上回るかを見ます。ドル円は159円と160円、米10年債は4.65%、Brentは85ドルと90ドル、Bitcoinは7万7,000ドルと8万ドルが短期の分岐です。
米国では8月27日8時30分(米東部夏時間、日本時間21時30分)に、週間新規失業保険申請件数と7月の財貿易収支、卸売・小売在庫速報が公表予定です。失業保険申請が大きく増えれば景気減速と利上げ観測後退、少なければ労働市場の強さと高金利長期化が意識されます。同日13時(日本時間28日2時)には米7年国債入札があり、需要が弱いと長期金利上昇を通じてグロース株へ逆風になります。
日本では大型の主要決算予定は多くありません。前日開示では東京海上HDの資本政策が保険株の焦点で、NVIDIA決算が半導体の焦点です。重要IRは「発表直後の株価上昇」だけでなく、発行済み株式数、1株利益、配当、需給へどう影響するかを確認します。株式分割は企業価値そのものを増やしませんが、最低投資金額を下げて個人投資家層を広げる可能性があります。
MARKET EYE分析|強気・中立・弱気の3シナリオ
強気シナリオは、NVIDIA決算を受けて半導体が上昇し、証券・サービス・保険にも買いが残る展開です。日経平均が66,262円を上回り、TOPIXが4,111を維持、プライム値上がり銘柄が全体の60%以上、ドル円が159円台で安定すれば、指数と物色の広がりが両立します。この場合、半導体だけの相場ではなく、バリューと内需を含む幅広い上昇として信頼度が上がります。
中立シナリオは、半導体が寄り付きで上昇する一方、前日強かった金融・サービスが利益確定に押され、日経平均は高いがTOPIXは伸びない展開です。NVIDIAの好決算は確認済みでも米金利4.65%前後が上値を抑え、業種間で資金が移動します。この場合は指数を追わず、売買代金と業種相対強度の維持を観察します。
弱気シナリオは、NVIDIAの好決算が材料出尽くしとなり、半導体が寄り天、ドル円が160円へ急伸、国内金利も上昇する展開です。サービスなど高PER株が売られ、証券・保険も個別材料一巡で反落し、値下がり銘柄が増えれば、前日の上昇はイベント前の持ち高調整だった可能性が高まります。Brentが90ドルを急回復する地政学悪化も追加の下振れ要因です。
投資判断上の注意事項
本稿は公開情報を基に市場の状態を整理したもので、特定の有価証券、暗号資産、商品先物の売買を勧誘・推奨するものではありません。本日の注目セクターは前営業日の市場データを基にした短期観測であり、利益や値上がりを保証するものではありません。前日騰落率が高い業種は翌日に利益確定が出やすく、「強い業種を高値で買えば必ず上がる」という意味ではありません。
注文前には、許容損失、保有期間、決算・指標時刻、流動性を確認してください。特に寄り付き直後は価格が飛びやすく、成行注文は想定より高く買う、または安く売る可能性があります。個別企業は同じ業種でも事業構成、海外比率、金利感応度、株主還元が違います。セクター判定を個別株へそのまま当てはめず、企業開示とチャートを別に確認することが必要です。
本日の最終的な見方は、米PCEによる金利高止まりとNVIDIAの業績上振れがぶつかる「業績選別相場」です。前日に強かった三業種は短期トレンド候補ですが、統計不足のため暫定です。寄り付きの見栄えより、10時時点の売買代金、TOPIX超過、複数銘柄への広がりを重視します。強い材料と高い期待が同時に存在する日は、予想を当てることより、どの条件で見方を変えるかを先に決める方が実践的です。
情報源・参考資料
- 一次情報 米商務省経済分析局(BEA)|2026年7月の個人所得・個人消費支出
- 一次情報 米商務省経済分析局(BEA)|PCE価格指数
- 一次情報 NVIDIA Investor Relations|2027会計年度第2四半期決算
- 一次情報 日本取引所グループ|株式・債券市況
- 一次情報 日本銀行|外国為替市況(日次)
- 一次情報 米国国勢調査局|経済指標公表カレンダー
- 一次情報 米労働省雇用訓練局|週間失業保険申請公表日程
- 一次情報 東京海上ホールディングス|2026年8月25日株式分割・優待等の公式開示
- 補足情報 Reuters|8月26日の世界市場、米株、金利、為替、原油、地政学
- 補足情報 岩井コスモ証券|2026年8月26日の日本株市況
- 補足情報 SBI証券|8月26日の東証業種別値上がり率
- 補足情報 Yahoo!ファイナンス|Ethereum価格履歴
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