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MARKET EYE朝刊|全面安でも逆行高3業種、円高と原油高で見る個別5銘柄【2026年9月9日】

MARKET EYE 編集部 2026.09.09 09:27 MARKET EYEの記事一覧を見る →
MARKET EYE朝刊|全面安でも逆行高3業種、円高と原油高で見る個別5銘柄【2026年9月9日】

先に要点

  • 9月8日(火)の日経平均株価は前日比1,130円51銭安の65,269円33銭、TOPIXは1.83%安の4,050.33でした。東証プライムは値下がり1,158銘柄に対して値上がり362銘柄。午後に中東情勢と円高が重なり、日経平均は安値で引けました。
  • 全面安に近い地合いでも、情報・通信業は2.20%高、石油・石炭製品は1.91%高、鉱業は1.08%高でした。今日はこの3業種を、相場全体から資金が逃げる場面でも買いが残った「逆行高」として観察します。
  • ドル円は8日に一時1ドル=152円89銭まで円高が進み、その後は153円台へ戻しました。輸出企業には円換算利益の重荷、家具・小売など輸入比率が高い企業には仕入れ負担を和らげる材料となります。
  • 北海ブレント原油は97ドル92セント、WTI原油は93ドル03セントで清算し、ともに6週間ぶりの高値圏です。原油生産会社には販売価格上昇が追い風になりやすい一方、精製会社は在庫評価と精製マージン、消費企業は燃料費を別々に見る必要があります。
  • 個別5選は、NTT株式会社(9432)、ENEOSホールディングス株式会社(5020)、株式会社INPEX(1605)、株式会社ニトリホールディングス(9843)、株式会社トライアルホールディングス(141A)です。前日上昇率だけでなく、セクターの資金移動、出来高、IR、円高・原油高への感応方向が異なる5社を選びました。
  • 本日は午前8時50分の8月マネーストック、午前10時30分の中国8月消費者物価・生産者物価、午後3時の8月工作機械受注速報、欧州中央銀行理事会の開始を確認します。発表済みの材料と、これから起きる予定は分けて読みます。
きょうの疑問
日経平均が1,100円以上下がったのに、なぜ一部の業種や銘柄は上がったのでしょうか。株式市場では資金が一斉に消えるだけでなく、円高や原油高の影響を受けにくい場所、または恩恵を受ける場所へ移ることがあります。
この記事で分かること
昨日の急落の時間順、逆行高3業種の意味、注目5社の前日終値・出来高・売買代金、円高と原油高の影響、上昇継続と失速を見分ける価格・出来高、本日の確認予定が分かります。

今朝までの重要な出来事

【市場で起きたこと】9月8日午前8時50分、内閣府は2026年4〜6月期の国内総生産2次速報を公表しました。物価変動を除いた実質GDPは前期比0.4%増、年率換算1.4%増で、1次速報の前期比0.3%増、年率1.1%増から上方修正されました。設備投資は前期比0.9%減で、1次速報の1.2%減から下げ幅が縮小しました。景気が急停止していないことを示す一方、企業の設備投資はなお前期比マイナスです。

午前から昼にかけてドル円は円高方向へ進み、8日には一時152円89銭を付けました。背景には、日銀が9月17〜18日の金融政策決定会合で追加利上げに動くとの観測、日本の投資家による海外資金の国内回帰、円を借りて高金利資産を買う「円キャリー取引」の縮小があります。円は前週から約5%上昇しており、単に153円台という水準だけでなく、変化の速さが企業収益の見方を揺らしています。

午後2時すぎには、サウジアラビアの複数のエネルギー関連施設で火災が発生し、一部施設の操業が止まったとの情報が伝わりました。原油先物が上昇し、インフレと金利上昇への警戒が強まり、日経平均は午後2時以降に下げ幅を拡大しました。東京市場の終了後、北海ブレント原油は97ドル92セント、WTI原油は93ドル03セントで清算。イランを支援するイエメンの武装組織フーシ派による攻撃でサウジ南部の4都市が標的となり、70人超が負傷したと報じられています。

その後の米国市場では、ダウ工業株30種平均が1.18%安の52,786.07、S&P500が0.58%安の7,673.52、ナスダック総合が0.32%安の26,421.41で終了しました。原油高と米10年債利回り4.8%前後が株価全体の重荷になった一方、エネルギー指数は1%上昇しました。ソフトウェア関連には新しい生成AIが既存サービスを代替するとの警戒が残り、半導体には個別材料による買いも入りました。米株も「全部が同じ方向」ではありません。

金現物は0.4%安の1トロイオンス=4,385ドル09セント、銀は0.3%高の66ドル34セントでした。金は不安時に買われやすい資産ですが、利息を生まないため、金利上昇観測が強まると売られる面があります。銅は一時1ポンド=6ドル75セント前後まで上昇し、供給制約への意識が続きました。Bitcoinは7万8,500ドル前後、Ethereumは2,480ドル前後で推移しました。暗号資産は安全資産と決めつけず、流動性の影響を受ける変動資産として扱います。

日本株は安値引け、逆行高3業種に資金が集中

【市場で起きたこと】9月8日の日経平均は65,269円33銭、1.70%安、TOPIXは4,050.33、1.83%安でした。東証プライムの売買高は21億1万株、売買代金は8兆4,774億円。値上がり362銘柄、値下がり1,158銘柄、変わらず34銘柄でした。値下がりは値上がりの約3.2倍で、指数だけでなく市場の広がりも弱い一日です。

値動きは時間順に見ると分かりやすくなります。朝はGDPの上方修正という国内景気の安心材料がありました。しかし円高が輸出株の採算懸念を強め、午後にはサウジのエネルギー施設を巡る情報が原油高とインフレ懸念を呼びました。日経平均はこの日の安値で終了し、電気機器は3.90%安、輸送用機器は4.14%安、ガラス・土石製品は4.44%安となりました。

その反対側で、情報・通信業は2.20%高、石油・石炭製品は1.91%高、鉱業は1.08%高でした。情報・通信は海外売上だけに依存しない通信会社や個別のAI材料が支えとなり、石油・石炭製品と鉱業は原油高に反応しました。3業種はいずれも「市場全体が強いから上がった」のではなく、円高と原油高が資金の行き先を選別した結果です。

前日の9月8日のMARKET EYE朝刊では、日経平均の上昇と値下がり銘柄の多さというずれを確認しました。9月8日はその弱さが指数にも表れました。前々日の9月7日のMARKET EYE朝刊から続く原油とドル円の変化が、業種別の明暗をさらに大きくしています。

注目セクター3選、結論を先に確認

9月8日終値から見る注目3業種

33業種が広く下げた日に上昇した業種を、共通材料と複数銘柄への資金波及から選びました。順位は買い推奨ではなく、9月9日に継続性を確認する順番です。

第1位 情報・通信業
前日2.20%高
通信の内需安定性とAI関連の個別材料が支え。海外ソフトウェア株安が日本へ波及するリスクを確認します。
第2位 石油・石炭製品
前日1.91%高
原油高と在庫評価が追い風になり得ます。高い原料費が利益へ直結するとは限らず、精製マージンを分けて見ます。
第3位 鉱業
前日1.08%高
資源価格が収益へ届きやすい業種。原油の高値維持と、地政学プレミアムの反落が最大の分岐点です。

情報・通信業の指数は8,652.28、石油・石炭製品は3,048.55、鉱業は1,132.94でした。4位の陸運業は0.61%高、5位の小売業は0.37%高です。今回は単純な上昇率だけでなく、円高と原油高という相反する材料に対する役割が明確で、個別5社へ読み替えやすい3業種を主役にしました。

一方、全構成銘柄の1日・5日・20日・60日騰落率、業種ごとの売買代金20日平均比、値上がり比率を同じ条件で完全取得できなかったため、推測値による中期順位は作っていません。ここで示すのは9月8日の実際の資金移動と今朝の材料を結び付けた日次の観察順位です。

【第1位】情報・通信業、内需安定とAI材料の二つの顔

情報・通信業は市場全体が大幅安となる中で2.20%上昇しました。通信料金は景気や為替が変わっても毎月の利用が急減しにくく、国内通信会社は相対的に安定した収益を持ちます。円高が海外売上の円換算額を減らしやすい輸出製造業から、内需型の大型通信株へ資金が移ったと考えれば理解しやすくなります。

代表企業はNTT株式会社(9432)、KDDI株式会社(9433)、ソフトバンク株式会社(9434)です。これに、インターネットサービスやゲームを持つソフトバンクグループ株式会社(9984)、株式会社ネクソン(3659)など個別材料の強い銘柄が加わります。ただし通信会社と投資会社、ゲーム会社では収益構造が違います。業種指数が上がっても、すべてを同じAI関連として扱うのは適切ではありません。

プラス材料:内需の安定性、円高による海外設備・ソフトウェア調達負担の緩和、AI・データセンター投資、自社株買いです。懸念材料:米国ソフトウェア株の下落、国内金利上昇による大型投資の資金コスト、通信料金競争、買いが一部の大型株へ集中することです。今日はNTT、KDDI、ソフトバンクがそろって前日高値を保てるか、指数上昇が数社だけで終わらないかを確認します。

【第2位】石油・石炭製品、原油高だけで利益を決めない

石油・石炭製品は1.91%高でした。代表企業にはENEOSホールディングス株式会社(5020)、出光興産株式会社(5019)、コスモエネルギーホールディングス株式会社(5021)、ニチレキグループ株式会社(5011)、日本コークス工業株式会社(3315)があります。原油を精製してガソリンや化学原料を供給する企業、道路舗装材、コークスでは、原油高の影響が異なります。

精製会社では、仕入れた原油と販売するガソリン・軽油などの価格差である「精製マージン」が重要です。原油価格が上がる局面では在庫の評価額が上がることがありますが、製品価格への転嫁が遅れれば利益を圧迫します。円高はドル建て原油の円換算コストを抑えるため、今回は原油高の負担を一部和らげる方向です。

プラス材料:原油価格の上昇、保有在庫の評価改善、円高による輸入コスト緩和、株主還元です。懸念材料:地政学緊張の緩和による原油反落、需要減少、政府の価格対策、精製マージンの縮小です。今日は原油が高いかだけでなく、ENEOS、出光興産、コスモエネルギーHDが寄り付き後もそろって買われるかを見ます。

【第3位】鉱業、販売価格と地政学リスクを直接受ける

鉱業は1.08%高でした。代表企業は株式会社INPEX(1605)、石油資源開発株式会社(1662)、日鉄鉱業株式会社(1515)、住石ホールディングス株式会社(1514)、三井松島ホールディングス株式会社(1518)です。石油・天然ガスを開発・生産する企業と、非鉄鉱山や石炭関連では、連動する商品が違います。

INPEXや石油資源開発は、自ら資源を生産・販売するため、原油・ガス価格の上昇が売上へ届きやすい企業です。ただし、為替ヘッジ、販売契約、操業量、権益国の税制などで影響は変わります。個社の想定為替や感応度は会社資料で確認できた範囲を超えて一律に当てはめません。

プラス材料:北海ブレント原油97ドル台、供給制約、円建て販売価格、自社株買いです。懸念材料:停戦や輸送正常化による原油急落、産油国政策、操業トラブル、資源価格の過熱です。原油はテクニカル面で買われすぎの領域と報じられており、高寄り後の反落には注意が必要です。

個別5選の見方と選定基準

5社は「上がりそうな銘柄」を断定する一覧ではありません。前日の逆行高3業種から1社ずつ、さらに円高の恩恵を受けやすい内需・輸入型から2社を加えました。これにより、原油がさらに上がる場合、円高が続く場合、両方が反転する場合を同じ記事内で比較できます。

価格は9月8日の東京証券取引所終値を使用し、出来高と売買代金も同じ日付へそろえました。売買代金は公表値の千円単位を億円へ換算しています。20日平均比を取得できた銘柄は、9月8日の出来高を直前19営業日の平均と比較しました。取得できなかった銘柄は「未算出」とし、数字を補っていません。

信用残は日々の出来高とは違い、集計日が遅れます。本文で示す信用買い残・売り残は9月4日時点で、9月8日の需給ではありません。会社の自社株買いも公表期間の累計であり、その日の買付額とは限りません。この日付の違いを残したまま読むことが、需給を誤解しないための基本です。

個別5選①〜③、逆行高3業種の中心銘柄

NTT株式会社(9432)
9月8日:前営業日終値168円80銭に対し、172円、3円20銭高、1.90%高。出来高1億8,818万5,000株、売買代金約320億76百万円。始値168円、高値172円40銭、安値167円40銭で、高値に近い終値でした。
選定理由:情報・通信業の逆行高を代表する大型通信株です。決算・IR:第1四半期決算は8月6日に公表済みです。8月1〜31日に1億5,754万9,500株、約250億73百万円を取得し、8月末までの累計は3億9,733万3,100株、約611億28百万円でした。これは会社の公表済み自社株買いで、9月8日当日の買付を意味しません。
プラス材料:国内通信収益の安定性、自社株買い、円高局面での相対的な内需性。
懸念材料:通信競争、データセンター・ネットワーク投資負担、金利上昇による資金コスト。信用残は9月4日時点で買い7,719万7,500株、売り2,160万2,900株、倍率3.57倍でした。
確認条件:172円40銭を出来高を伴って上回れば前日の買い継続を確認しやすく、167円40銭を下回れば逆行高の失速を警戒します。20日平均出来高比は同条件で取得できず未算出です。
ENEOSホールディングス株式会社(5020)
9月8日:前営業日終値1,369円に対し、1,393円50銭、24円50銭高、1.79%高。出来高847万9,200株、売買代金約118億01百万円。始値1,361円50銭、高値1,408円50銭、安値1,357円でした。高値から15円下で引け、上値では利益確定も出ています。
選定理由:石油・石炭製品の上昇を代表し、原油高と円高が同時に業績へ届く経路を観察できます。9月8日の出来高は直前19営業日平均の約1.17倍で、平常よりやや多い水準です。決算・IR:直近の第1四半期決算は8月7日公表で、9月8日に新しい決算発表があったわけではありません。
プラス材料:在庫評価の改善余地、精製マージン、円高による原油輸入コストの緩和。
懸念材料:原油高そのものは仕入れ費用でもあり、販売価格への転嫁が遅れる場合があります。信用残は9月4日時点で買い225万9,900株、売り15万3,600株、倍率14.71倍でした。
確認条件:1,408円50銭を上回り、出来高が前日847万9,200株を超えるペースなら買いの広がりを確認しやすく、1,357円割れでは前日の上昇が崩れた可能性を警戒します。
株式会社INPEX(1605)
9月8日:前営業日終値3,788円に対し、3,832円、44円高、1.16%高。出来高452万9,300株、売買代金約172億48百万円。始値3,780円、高値3,867円、安値3,727円でした。日中値幅は140円あり、原油ニュースへの反応の大きさが表れました。
選定理由:鉱業の代表で、原油・天然ガスの販売価格変化を受けやすい企業です。9月8日の出来高は直前19営業日平均の約0.94倍で、株価は上がりましたが出来高急増ではありません。
決算・IR・需給:8月7日に上期決算、通期予想の修正、配当予想の修正、自社株買いを公表しました。会社は8月10〜31日に671万6,200株を約256億36百万円で取得。上限5,000万株、1,400億円、期間は12月31日までです。公表基準日は8月31日で、9月8日の買付状況ではありません。
プラス材料:原油97ドル台、供給不安、自社株買い。懸念材料:停戦・増産・需要減速による原油反落、権益国リスク。
確認条件:3,867円を超え、出来高が452万9,300株を明確に上回るペースなら上昇の裏付けが強まり、3,727円割れでは原油高を織り込んだ買いの失速を警戒します。

個別5選④〜⑤、円高メリットを確認する内需株

株式会社ニトリホールディングス(9843)
9月8日:前営業日終値3,216円に対し、3,392円、176円高、5.47%高。出来高627万1,000株、売買代金約212億31百万円。始値3,309円、高値3,435円、安値3,298円で、高値に近い水準を保ちました。年初来高値3,493円まで約2.9%の位置です。
選定理由:家具・生活用品を輸入する比率が高く、円高による仕入れコスト低下への期待を読みやすい銘柄です。9月8日の出来高は直前19営業日平均の約1.85倍で、今回の5社では出来高の増え方が目立ちます。
決算・需給:直近の四半期決算は8月に公表され、次回の第2四半期発表は11月予定です。信用残は9月4日時点で買い113万1,900株、売り42万2,200株、倍率2.68倍。
プラス材料:円高、輸入コスト緩和、月次売上。懸念材料:短期間の急上昇、国内消費の弱さ、物流・人件費、円高の反転。
確認条件:3,435円超えと627万1,000株を上回る出来高ペースがそろえば継続性を確認しやすく、3,298円割れでは高値追いの失速を警戒します。
株式会社トライアルホールディングス(141A)
9月8日:前営業日終値4,040円に対し、4,230円、190円高、4.70%高。出来高92万7,000株、売買代金約38億93百万円。始値4,075円、高値4,265円、安値4,070円で、高値に近い終値でした。9月1日の3,970円から9月8日まで6.5%上昇しています。
選定理由:食品・日用品の小売とリテールAIを展開し、外需株が円高で売られる場面の内需資金を確認できます。全店が同じ割合で輸入するわけではありませんが、円高は仕入れ価格や生活防衛需要を考える材料です。20日平均出来高比は同条件で取得できず未算出です。
決算・需給:2026年6月期決算は8月13日に発表済み。公式月次では7月の既存店売上高が前年同月比104.0%でした。信用残は9月4日時点で買い94万1,200株、売り49万3,400株、倍率1.91倍。
プラス材料:既存店増収、内需性、円高。懸念材料:買収後の利益率と財務負担、食品価格、人件費、短期上昇後の反落。
確認条件:4,265円超えと92万7,000株を上回る出来高ペースを確認できれば戻りの継続を見やすく、4,070円割れでは前日の買いが続かなかった可能性を警戒します。
出来高の読み方
株価上昇と出来高増加が同時なら、多くの参加者がその価格変化に関わった可能性があります。ただし、大量の利益確定売りを買い手が受け止めた結果でもあるため、出来高が多いだけで上昇継続とは決まりません。前日高値を超えた後に終値を保てるか、同業他社も上がるかを組み合わせます。

今後の見通し

MARKET EYEの分析

対象期間:9月9日(水)の東京市場から9月11日(金)の米消費者物価指数発表後まで。

基本的な見方:円高と原油高が同時に続く間は、輸出株全体より情報・通信、資源・石油、円高メリットの内需へ資金が選別されやすいと見ます。ただし、日経平均が安値引けし、値下がりが1,158銘柄に広がったため、指数の自律反発だけで地合い改善とは判断しません。

好転する条件:日経平均とTOPIXがそろって反発し、値上がり銘柄数が値下がりを上回ること。注目3業種で代表銘柄がそろって前日高値を上回り、NTT・ENEOS・INPEXだけでなく同業へ出来高を伴う買いが広がること。ドル円の変動速度と原油の上昇が落ち着くことです。

悪化・見方を変える条件:日経平均が65,269円33銭を下回り、TOPIXと騰落銘柄数も悪化すること。ドル円が円高方向へ再加速し、輸出株の売りが内需へも波及すること。原油が上がっても石油・鉱業株が前日安値を割る、または停戦材料で原油が急落することです。

次に確認する材料:9月9日午前8時50分の8月マネーストック、午前10時30分の中国8月消費者物価・生産者物価、午後3時の8月工作機械受注速報。9月10日の米生産者物価、9月11日の米消費者物価、9月15〜16日の米連邦公開市場委員会、9月17〜18日の日銀金融政策決定会合です。判明している時刻は日本時間で記載しています。

基本シナリオは「指数全体の一方向高」ではなく、為替と原油に応じた業種選別です。円高が続けばニトリHDやトライアルHDのような内需・輸入型に目が向きやすく、原油高が続けばINPEXやENEOSが注目されます。ただし、円高は日本全体の輸入コストを和らげる一方、急速な持ち高解消を通じて幅広い資産の売りを招く場合があります。恩恵の方向だけでなく、変化の速さも見ます。

原油については100ドル接近が心理的な節目です。ただし、100ドルという丸い数字を超えたかだけで判断せず、輸送量、代替ルート、停戦協議、米戦略石油備蓄、産油国の供給方針を確認します。原油が高止まりして米金利も上がる場合、資源株には追い風でも、株式市場全体には逆風となり得ます。

本日の重要予定・確認点

  1. 午前8時50分、8月マネーストック:家計や企業が保有する通貨量の変化を確認します。単月の増減だけで株価方向を決めず、預金・貸出と景気の関係を見ます。
  2. 午前9時、寄り付き:日経平均、TOPIX、値上がり・値下がり銘柄数を同時に確認します。指数だけ反発しても、値下がりが多ければ市場全体の改善は限定的です。
  3. 最初の15分、個別5社:前日高値を超えるか、出来高が前日同時刻より増えるか、同業他社へ買いが広がるかを確認します。寄り付き直後の一時的な高値だけでは判断しません。
  4. 午前10時30分、中国8月CPI・PPI:消費者物価は家計需要、生産者物価は企業間取引の価格を映します。中国需要に敏感な機械、素材、海運、銅価格へ影響します。
  5. 午後3時、8月工作機械受注速報:企業の設備投資の先行きを映すため、機械・FA関連の受注環境を確認します。
  6. 終日、ドル円と原油:ドル円152円89銭と北海ブレント97ドル92セントという直近の重要水準から、どちらへ離れるかを見ます。株価より先に変化する場合があります。
  7. 欧州時間、ECB理事会初日:決定は翌日に予定されるため、9日中に結果が出たようには扱いません。欧州金利とユーロの変化だけを確認します。
投資判断上の注意
注目3業種と個別5社は売買を勧めるものではなく、前日の資金移動を検証する観察対象です。中東の速報、為替、原油は短時間で反転します。前日高値・安値は目標株価ではなく、上昇継続や失速を確認する基準です。成行注文を急がず、価格、出来高、同業への広がり、会社の公式開示を組み合わせてください。

9月9日の朝は、昨日の急落を取り戻せるかだけを見るより、どこに資金が残っているかを追う方が市場の構造をつかみやすくなります。情報・通信、石油・石炭製品、鉱業の逆行高が続くのか、円高メリットの小売へ資金が広がるのか。日経平均、TOPIX、騰落銘柄数、ドル円、原油、個別5社の出来高を順番に確認します。

情報源・参考資料

  1. 一次情報 内閣府 2026年4〜6月期GDP 2次速報(2026年9月8日)
  2. 一次情報 NTT 自己株式取得状況(2026年9月1日)
  3. 一次情報 NTT 2026年度第1四半期決算資料
  4. 一次情報 INPEX 自己株式取得状況(2026年9月7日)
  5. 一次情報 INPEX IR・決算情報
  6. 一次情報 トライアルホールディングス IR・月次売上情報
  7. 一次情報 ニトリホールディングス IRカレンダー
  8. 補足情報 野村證券 東証株式市況 2026年9月8日
  9. 補足情報 SBI証券 東証業種別ランキング 2026年9月8日
  10. 補足情報 Reuters 米国株市場 2026年9月8日
  11. 補足情報 Reuters 為替市場 2026年9月8日
  12. 補足情報 Reuters 原油市場 2026年9月8日
  13. 補足情報 Reuters 金・銀市場 2026年9月8日
  14. 補足情報 Yahoo!ファイナンス NTT(9432)2026年9月8日
  15. 補足情報 Yahoo!ファイナンス ENEOSホールディングス(5020)2026年9月8日
  16. 補足情報 Yahoo!ファイナンス INPEX(1605)2026年9月8日
  17. 補足情報 Yahoo!ファイナンス ニトリホールディングス(9843)2026年9月8日
  18. 補足情報 Yahoo!ファイナンス トライアルホールディングス(141A)2026年9月8日
  19. 補足情報 Trading Economics 銅価格 2026年9月8日
  20. 補足情報 CoinMarketCap 暗号資産市場
  21. 補足情報 トレーダーズ・ウェブ 2026年9月9日の市場予定

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