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MARKET EYE朝刊|原油・米金利低下でAI株反発、今夜の米PCEとNVIDIA決算が分岐点【2026年8月26日】

MARKET EYE 編集部 2026.08.26 08:44 MARKET EYEの記事一覧を見る →
MARKET EYE朝刊|原油・米金利低下でAI株反発、今夜の米PCEとNVIDIA決算が分岐点【2026年8月26日】

2026年8月26日(水)の東京市場は、前日の米国株高だけを見れば買い先行が想定されます。ただし、上昇の背景が「景気の強さ」ではなく、原油安と米長期金利低下によって高PERのテクノロジー株が買い戻された面を持つことが重要です。今夜は米国の7月個人所得・個人消費支出(PCE)と4〜6月期GDP改定値、さらに日本時間27日早朝にはNVIDIA決算が控えます。前場で半導体株が上がっても、イベント前の利益確定で失速する可能性まで考えておく必要があります。

前営業日25日の日経平均は328.34円高の65,856.43円、TOPIXは20.38ポイント高の4,093.67で、ともに約0.50%上昇しました。日経平均の日中値幅は64,609.47円から65,904.24円と大きく、朝方の売りを吸収して切り返した形です。米国ではダウ平均が160.24ドル高の53,577.40ドル、S&P500が24.38ポイント高の7,677.24、ナスダック総合が171.11ポイント高の26,151.30で終了しました。SOX半導体株指数も1.4%上昇し、月曜日の2.7%安から一部を戻しました。

一方で、WTI原油は3.12%安の1バレル82.36ドル、Brent原油は3.89%安の88.58ドルまで下落。米10年債利回りは前日の4.704%から4.625%へ、2年債は4.176%へ低下しました。原油下落でインフレ再加速への恐れがやや和らぎ、債券が買われ、金利低下に弱かったAI・半導体株へ買い戻しが入った、という流れです。

何が動いたか――日本株は朝安から切り返し、半導体・電線株が主導

25日の日本株は、前日の米ハイテク株安を受けて一時大きく下げた後、選別買いで持ち直しました。日経平均の安値64,609.47円から終値65,856.43円までの戻り幅は1,200円を超えています。単に0.50%上がった一日ではなく、弱い寄り付きに対して押し目買いが優勢になった一日です。Fujikura、古河電工、イビデン、ソフトバンクグループなどAIインフラや半導体に近い銘柄が上昇し、前日に縮小したリスクを取り直す動きが見られました。

初心者が注意したいのは、日経平均の上昇と「日本株全体が同じ強さで上がること」は別だという点です。日経平均は株価の高い一部銘柄の影響を大きく受けます。半導体・AI関連の値がさ株が数%上がると、ほかの銘柄が横ばいでも指数は強く見えます。TOPIXも同率で上がったことは市場の広がりを一定程度示しますが、26日は寄り付き後の値上がり銘柄数、売買代金、業種別騰落を確認し、半導体だけの上昇か、銀行・商社・機械・内需まで買いが広がるかを見分けたいところです。

前日の流れを確認するには、8月25日のMARKET EYE朝刊と照らすと分かりやすくなります。25日朝の焦点だった米金利、原油、NVIDIA決算前の警戒のうち、米金利と原油は株式に好都合な方向へ動きました。ただしNVIDIA決算そのものはまだ通過しておらず、最大の不確定要因は残っています。

米国株の反発理由――原油安と長期金利低下が高PER株を支援

米国株ではNVIDIAが2.2%高、Metaが約2%高、Micronが2.5%高、AMDは投資判断引き上げを受け4.9%高となりました。大型テクノロジー株が反発した直接の追い風は、原油価格と米国債利回りの低下です。原油が下がると企業の輸送費や家計の燃料負担が軽くなり、物価上昇圧力が和らぐとの期待が出ます。インフレ懸念が弱まると債券が買われ、債券価格と反対に動く利回りは低下しやすくなります。

長期金利が高PER株へ効く仕組みも押さえておきましょう。AI企業の株価は、現在の利益だけでなく数年先の大きな利益を織り込んでいます。将来利益を現在価値へ割り引く際、基準となる金利が上がるほど現在価値は小さくなります。逆に10年債利回りが4.704%から4.625%へ約0.08ポイント低下すれば、理論上は成長株の評価に追い風です。今回のNasdaq上昇率0.66%がダウの0.30%を上回ったのは、この金利感応度の違いで説明できます。

ただし米国市場の売買高は143.2億株で、過去20営業日の平均164億株を下回りました。主要指数は上がりましたが、イベント前に幅広い投資家が強気へ傾いたと断定するには商いが不足しています。上昇銘柄数は下落銘柄数を上回っており地合いは改善したものの、26日のPCEとNVIDIA決算によって方向が再び変わる余地があります。

米消費者信頼感は7カ月ぶり低水準――金利低下の裏にある景気不安

8月の米消費者信頼感指数は89.4と、7月の90.2から0.8ポイント低下し、7カ月ぶりの低水準となりました。内訳では現在の雇用や景況感を映す現況指数が121.2へ上昇した一方、今後6カ月の所得・雇用・景況感を映す期待指数は68.2へ5.8ポイント低下しました。つまり消費者は「今すぐ景気が崩れている」とは感じていないものの、先行きへの不安を強めています。

この結果は株式に二つの方向で効きます。弱い景気指標はFRBの利上げ必要性を下げ、債券利回りを押し下げるため、AI・半導体など高PER株には短期的な追い風です。しかし期待指数の低下が実際の個人消費減速へつながれば、小売、旅行、クレジットカード、広告など企業業績には逆風となります。25日にスポーツ用品小売りのDick’s Sporting Goodsが通期予想引き下げで30.7%急落したことも、消費関連を一括で楽観できない例です。日本株では米国売上の大きい自動車、電子部品、ゲーム、アパレルについて、円安効果だけでなく米消費数量の変化も見る必要があります。

米国金利とドル円――10年債4.625%、ドル円159円台の意味

米10年債利回りは4.625%、30年債は5.162%、政策金利見通しに敏感な2年債は4.176%へ低下しました。10年債の低下幅が2年債より大きかったことは、足元の政策金利だけでなく、長期のインフレ・財政・需給に対する過度な警戒が一度後退したことを示します。米財務省による長期国債買い戻し拡大の影響を市場が消化していることも背景です。

ドル円は米国市場で1ドル159.13円近辺と、前日比ではほぼ横ばいでした。米金利が低下した割に円高が進まなかったのは、日本側にも追加利上げ観測と景気・エネルギー輸入負担が混在し、日米金利差だけで為替が決まっていないためです。159円前後の円安が維持されれば、自動車、機械、電機など海外売上の多い企業には円換算利益の支えとなります。反対に小売、食品、空運、電力など輸入コストの影響が大きい企業には負担です。

今日の為替で重要なのは159円という一点ではなく、158円台前半へ急速に円高が進むか、160円へ接近するかです。急な円高は輸出株と日経平均先物へ売りを呼びやすく、160円接近は輸出株の短期材料になっても、当局のけん制や介入警戒を強めます。日本株にとって最も安定しやすいのは、急変せず159円近辺で推移し、企業が想定為替レートとの差を利益に取り込める状態です。

金・銀・銅――安全資産と産業需要の両方に資金

金は現物が0.31%高の1トロイオンス4,665.86ドルで、取引中には3カ月超ぶりの高値を付けました。一方、米金先物は4,630.00ドルと0.23%安でした。現物と先物の方向が少し異なるため、金が一方向へ加速したというより、4,600ドル台で高値を固める過程と見るのが妥当です。米金利低下は、利息を生まない金を保有する機会費用を下げます。中東情勢、米財政、ドルの購買力への警戒も金を支えています。

銀先物は68.636ドルと0.14%高。銀は金と同じ貴金属でありながら、太陽光パネルや電子部品にも使われるため、安全資産需要と産業需要の両方を受けます。金だけが上がり銀が弱い場合はリスク回避色が強く、両方が上がる場合は実物資産全体への資金流入を示しやすい点が見方のコツです。

銅は1ポンド6.71ドル前後まで上昇し、前日比約1.6%高となりました。米国が2027年から精錬銅に関税を課す可能性を警戒し、米COMEX倉庫への在庫移送が増えた結果、米国外の在庫が引き締まっています。世界全体で需要が急増しただけではなく、関税を見越した在庫の偏在が価格を押し上げている点が重要です。日本株では非鉄、電線、商社に追い風となる半面、銅を原材料として購入する電機・部材メーカーにはコスト増となります。電線株の値動きを見る際は、NTT株価分析のような通信インフラ需要側の動きも合わせて見ると、AIデータセンター投資が素材から通信までどう波及しているか理解しやすくなります。

原油急落――イラン制裁でも供給不安が膨らまなかった理由

WTI原油は82.36ドル、Brent原油は88.58ドルへ下落しました。米国は「Operation Economic Outcast」を開始し、イランの原油・金融・海運などの経済的な命脈を断つ長期的な制裁キャンペーンを打ち出しました。本来なら供給減少を警戒して原油が上がっても不思議ではありません。しかし市場は、経済制裁がただちに軍事衝突やホルムズ海峡の物理的な遮断へつながるわけではなく、現時点の供給は維持されると判断しました。制裁発表前に積み上がった地政学プレミアムの一部が剥がれたと考えられます。

日本は原油・LNG輸入への依存が大きいため、原油安は経済全体ではプラスです。空運、陸運、電力、ガス、化学、紙、食品などのコスト負担を和らげ、家計の実質購買力にも時間差で効きます。一方、INPEXなど資源株や石油関連には逆風となり、商社も資源価格下落の影響を受ける場合があります。

今日の確認ラインはBrentの90ドルです。88ドル台で安定すれば、先週の急騰はひとまず一服したとみられ、内需・運輸に安心感が出ます。90ドルをすぐに回復し95ドル方向へ戻すなら、制裁の実効性や新たな軍事ニュースを市場が織り込み始めた可能性があります。制裁の対象国・企業、海運保険、決済網への適用が実際の輸出量をどこまで減らすかは、今後の公式発表と船舶データで確認が必要です。

暗号資産――Bitcoinは8万ドル突破後に7万8,000ドル台

Bitcoinはアジア時間に81,237.94ドルまで上昇し、3カ月超ぶりに8万ドルを突破した後、米国市場終盤には78,893ドル前後へ戻りました。8月の上昇率は約28%に達しています。米財務省の国債買い戻し拡大で長期金利上昇が抑えられるとの見方や、ドル価値の希薄化を警戒して金やBitcoinへ資金を移す「通貨価値ヘッジ」が背景です。

Ethereumは2,400ドル台、Solanaは100ドル近辺で推移しており、主要暗号資産も前週から持ち直しています。ただしBitcoinが8万ドルを一時突破しながら終盤に押し戻されたことは、節目で利益確定が出た証拠でもあります。今日の東京市場で暗号資産関連株を見る場合、Bitcoinが8万ドルを回復・定着するか、7万8,000ドルを割り込むかを確認したいところです。

関連株は現物価格以上に動くことがあります。保有暗号資産の時価、増資や転換社債による資金調達、保有額に対する時価総額のプレミアムが株価へ重なるためです。「Bitcoinが上がったから関連株も同率で上がる」と考えず、寄り付き後の出来高と前日高値を超えられるかを確認する必要があります。

今夜21時30分の米PCE・GDP、27日6時のNVIDIA決算

米商務省経済分析局(BEA)は26日午前8時30分(米東部夏時間)、日本時間26日午後9時30分に、7月の個人所得・個人消費支出とPCE物価指数、4〜6月期GDP改定値・企業利益を発表します。PCE物価指数はFRBが重視する物価指標です。消費者物価指数(CPI)より医療などの比重が大きく、消費者が値上がりした商品から別の商品へ替える行動も反映しやすい特徴があります。

市場予想よりインフレが強ければ、年内利上げ観測が強まり、2年債・10年債利回りが上昇し、Nasdaqや半導体株には逆風となります。インフレが弱ければ金利低下を通じてグロース株には追い風ですが、同時に個人消費が弱すぎる場合は景気悪化懸念が強まります。したがって「PCEが低ければ必ず株高」ではなく、物価と所得・消費の組み合わせが重要です。

NVIDIAは米太平洋夏時間26日午後2時、日本時間27日午前6時に2027年度第2四半期決算を発表予定です。確認項目は、売上高と1株利益だけではありません。データセンター売上、次世代GPUの出荷、粗利益率、供給制約、中国向け製品、主要クラウド企業の設備投資継続性、次四半期見通しが焦点です。オプション市場は決算後に上下約5.4%の値動きを織り込んでおり、時価総額では約2,800億ドル規模が動く計算です。日本の半導体・電線・AI電力関連にも翌27日朝から大きく波及する可能性があります。

注目IR――第一稀元素、jig.jp、インテージ、大阪チタニウム

第一稀元素化学工業は、重要レアメタルであるハフニウムの国内製造技術を確立し、2026年内に半導体用途などへサンプル提供を始め、2028年の国内量産化を目指すと発表しました。ハフニウムは先端半導体の高誘電率材料に使われ、耐熱性・耐食性にも優れます。テーマ性は強いものの、サンプル提供から量産、売上・利益への寄与までには時間があります。寄り付きで急騰した場合は、業績貢献時期と時価総額を切り分けて判断したい材料です。

jig.jpは上限120万株、2億8,000万円の自社株買いを決定しました。自己株式を除く発行済み株式の2.88%に相当し、うち42万株は26日朝のToSTNeT-3で取得する計画です。インテージホールディングスも上限20万株、5億円の自社株買いを発表し、取得期間を26日から2027年1月29日までとしました。自社株買いは需給改善要因ですが、上限まで必ず買うとは限らず、取得方法と進捗の確認が必要です。

反対に大阪チタニウムテクノロジーズは700万株の公募増資と、上限105万株の第三者割当増資を発表しました。新株が増えると1株当たり利益や既存株主の持分が薄まる「希薄化」が意識され、短期の需給には重荷です。ただし調達資金を成長投資へ使い、将来利益が増えれば中長期評価は変わります。今日は公募価格決定までの売り圧力、貸株・空売り、同業株への連想売りを確認したいところです。

MARKET EYE分析――強気・中立・弱気の3シナリオ

ここからは確認済みの事実ではなく、条件付きの分析です。強気シナリオは、Brent原油が90ドルを下回ったまま、米10年債利回りが4.65%前後以下で落ち着き、ドル円が158円台後半から159円台で急変しないケースです。前日の米半導体株反発を受け、日本の半導体、電線、データセンター、電子部品へ買いが広がり、日経平均が66,000円を明確に回復する展開が考えられます。TOPIXも4,100を上回り、値上がり銘柄数が増えれば、指数だけでなく市場全体の強さが確認できます。

中立シナリオは、朝にAI関連が上がるものの、今夜のPCEとNVIDIA決算を前に65,500〜66,200円程度で往来し、後場に出来高が細るケースです。イベント前としては自然な動きで、上がらないから弱い、下がらないから強いと決めつける必要はありません。資源株から運輸・内需への資金移動、半導体の短期買い戻し、自社株買い銘柄の個別物色が同時に進む可能性があります。

弱気シナリオは、ドル円が158円前半へ急速に円高となる、Brentが90ドルを回復する、または米株先物と半導体株が決算前の利益確定で崩れるケースです。日経平均が65,500円を割り、25日の安値64,609円方向へ近づく場合は、前日の切り返しが短期的な買い戻しにすぎなかった可能性が高まります。特に日経平均が下がるだけでなくTOPIX4,060近辺も割れるなら、売りが値がさ株から市場全体へ広がったサインです。

今日どこを見るか――5つの確認ポイント

第一は日経平均66,000円とTOPIX4,100です。どちらも心理的な節目で、同時に上回って維持できれば上昇の広がりを確認しやすくなります。第二は半導体・電線株の寄り付き後30分の出来高です。高く始まって出来高を伴わず失速するなら、イベント前の持続性は弱いと考えます。

第三はドル円の158円台後半〜160円です。方向より変化速度を重視します。第四は米10年債4.65%とBrent90ドル。両方が上昇すれば、インフレ・金利上昇の組み合わせで高PER株への逆風が戻ります。第五はBitcoin8万ドルと金4,600ドル台です。株と同時に上がるなら流動性や通貨価値ヘッジ、株が下がり金だけが上がるなら安全資産逃避の色が濃くなります。

本日は前場の上昇を追い掛けるより、夜のPCE、翌朝のNVIDIAという二段階イベントを考え、持ち越す量を調整する日です。決算や経済指標は予想を上回っても、事前期待が高ければ株価が下がることがあります。価格だけでなく、市場予想、会社見通し、金利、出来高を組み合わせ、事実と期待の差を見ることが重要です。この記事は情報提供を目的とし、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の資金状況、許容損失、保有期間に合わせて行ってください。

情報源・参考資料

  1. 一次情報 NVIDIA Investor Relations|FY2027年第2四半期決算予定
  2. 一次情報 米商務省経済分析局(BEA)|2026年公表日程
  3. 一次情報 米財務省|Operation Economic Outcast公式発表
  4. 一次情報 The Conference Board|2026年8月米消費者信頼感
  5. 一次情報 第一稀元素化学工業|ハフニウム国内製造技術に関する発表
  6. 補足情報 Reuters|8月25日の米国株終値と半導体株動向
  7. 補足情報 Reuters|8月25日の世界市場・金利・為替・原油・金
  8. 補足情報 Reuters|Bitcoinが8万ドルを突破した背景
  9. 補足情報 Yahoo!ファイナンス|TOPIX時系列データ
  10. 補足情報 Trading Economics|銅価格と前日比
  11. 補足情報 CoinDesk|主要暗号資産価格
  12. 補足情報 株探|8月25日発表の好悪材料
  13. 補足情報 Yahoo!ファイナンス|8月25日発表の自社株買い一覧

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